─22─出発
こんにちは!本久禅です!
この作品を手に取っていただきありがとうございます!この話が初めてだよーって方は是非1話から読んでみてください!そっちの方がより楽しめます!
そして、1話から読んでくださっている方、読み続けて下さっている方々!本当にありがとうございます!
では本編どうぞ!
素敵な食事会が終わり、僕とトンキーさんとネオンちゃんの3人で宿へと戻っていた。
「ちょっと俊樹くん、いい? 」
トンキーさんは声を潜めて僕に話しかけてきた。多分ネオンちゃんに聞かれたくない話なんだろう。
「なんですか? 」
僕も釣られて、ヒソヒソ声で答えた。
「無粋なことを聞くようだけど、うちのネオン。俊樹くんの嫁にしてやってくれないかい? 」
「ブフォ! 」
僕は、突然のトンキーさんの無茶な提案に吹き出した。
「な、えっ?僕ですか?それにネオンちゃんにも聞いてないし……」
「冗談冗談ハハハ!そんなに焦らなくても!でももしその気があるなら、私は反対しないよ!待ってるからね! 」
なんだろうこの嬉しいというかなんというか、複雑な気分は。
「ちょっと!何話してるのお母さん!早く帰ろ! 」
何かを匂わせるようなトンキーさんの意味深な発言が頭の中をぐるぐる回る中、宿へ着いた。
「じゃあおやすみなさい!俊樹さん!しっかりやすんでくださいね! 」
ネオンちゃんから優しい声をかけてもらい、自室へと戻った。
部屋に入り、服を脱ぎ……って貸してもらった燕尾服、そのままになっちゃってたな。明日の朝に返すか……。
服を脱ぎ、いつも通りシャワールームへと入った。
一日の汗を流し、今日もバスローブに着替えふわふわになっているベッドにダイブした。
明日の朝、この街を出発する実感は正直まだ怪しい。しかし、ここでやらなきゃ男が廃る。
僕は決意を胸に固め、眠りに落ちた。
***
「おはようございます!トンキーさん!ネオンちゃん! 」
朝、いつも通り起きて装備に着替え、髪を直して下へ降りた。
あれっ?そう言えば……。
「今日、お客さんは? 」
そう、いつもならお客さんでごった返す1階のレストランは、今日は人っ子一人いやしない。
居るのは、僕とトンキーさん、ネオンちゃんの3人だ。
「今日くらいはお休みさ!だって折角の俊樹くんの門出だろ?『他のお客さんに必死で応対出来ません!!』なんてことにはなりたくないしねー! 」
全くこの人はどれだけ……。
「今日は私とお母さんで、腕によりをかけて朝ごはん作りました!これを食べて元気モリモリで行ってきてくださいね! 」
「うん!楽しみにしてる! 」
そうして出てきた料理は、本当に朝食かと思えるほどのボリュームに、品数だった。
「さっ!たーんとお食べ! 」
肉に魚、野菜に炭水化物と、栄養のバランスが考えられ、何よりも愛情の詰まったご飯を僕はお腹いっぱいに平らげた。
「ご馳走様でした!本当に美味しかったです!ありがとうございます! 」
「いやいや!なんてことないさ!私たち親子にできるのはこれくらいだしねぇ! 」
「そんなことよりも、早く行かないとドールさんに怒られちゃいますよ! 」
「あっ!そうだった!じゃあ早速行きましょう! 」
「「おー! 」」
そうして、僕と見送りに来てくれるトンキーさんとネオンちゃんはドールさん宅へと向かった。
***
「おはよう!俊樹くん!ついに出発の日だね! 」
ドールさんとソフィーは、玄関の前で待ってくれていた。
「そうですね!まだあまり実感はありませんが、きっとカエラさんを助けるための魔法を習得して、更に今より強くなってこの街にまた帰ってきます! 」
「あぁ!大いに期待してるよ! 」
「昨日はちゃんと眠れたの?俊樹? 」
「まぁ一応寝れたよ! 」
「なによ、ハッキリしないわね!そんなことで、旅の途中ぽっくり死んじゃったとかやめてよね! 」
何縁起でもないことを……。
「大丈夫……だと思う!あっ!そう言えば、ソフィーと、ネオンちゃんに渡したいものがあったんだ! 」
僕は、アイテムボックスから指輪を取り出した。
昨日、ソフィーの目を盗んで、サプライズで買っていたものだ。
「ありがとうございます!俊樹さん! 」
「ありがとう!俊樹! 」
2人が喜んでくれて何よりだ。
「それと、ドールさん!これ! 」
僕は!昨日貸してもらった燕尾服をドールさんに差出した。
「それは、君が持っているといい。この先、活躍しだいでは、使うこともあるだろう!生地は丈夫だから、よっぽどじゃなかったら壊れないさ! 」
「ありがとうございます!この服が似合うような男になってみせます! 」
「そうだね!じゃあ、そろそろ出発するかい? 」
「ですね!名残惜しいですが、いつまでも留まっては居られないので、そろそろ行きます! 」
「うん!行っておいで!楽しんでくるんだよ! 」
「はい! 」
「では皆さん!行ってきます! 」
『行ってらっしゃい! 』
こうして僕は旅立った。大きな不安と、小さな希望。そして何よりも、僕には大きすぎる期待を背負って。
なんとなくポッケを探ると、中にはソフィーのヘアゴムが入っていた。そう言えば返すの忘れていたな……。
無事帰ってきて、絶対に返そう。カエラさんの復活というお土産付きで……。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
ここまでで、ようやく第3章が幕引きとなります!話の内容から察していただける通り、ソフィーとかネオンちゃんとかがこの先あまり出てこないでしょう。うぅ……悲しい。でも仕方ない。前向いて歩きましょう!次回から第4章!
次回もどうぞよろしくお願いします!
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