3話
イヤ~なんかご免なさい
特に理由はないけどご免なさい
危機的状況で頭に直接話し掛けられたことで
「オッッッファァァァァァァエェ!?」
錯乱した。
まあ仕方ない事である。
何しろ突然森にとばされ屁を投げつけられそこに謎の声である。
そう、しかたない。
決定的な隙ができることも。
そして炎猿もそんな隙を逃すハズもない。
炎猿Aは正面やや右、Bはその場で握りっ屁を準備、Cは左から回りこみ後ろからそれぞれ攻撃してきた。
普通なら回れ右からのBダッシュか十秒貰って神への祈りを済ませるかだが錯乱している彼にはどちらも、もちろんその他も無理だ。
だが彼以外ならどうだろう、具体的に言うなら謎の声とか……
炎猿Aは爪に炎を纏わせて突っ込んでくる。
それに対して彼は……いや、彼を動かす何かは傘を先程と同じように突き出す。
しかし炎猿も先の事で警戒していたのだろう、右手で突き出された傘を左下に潜り込む形でかわす。
だが何かは焦らない。
炎猿は傘を警戒し過ぎて気づけなかった、左手に持つ拳銃のように変わっている折り畳みに。
炎猿は彼を見上げた、そこに彼の驚愕する顔があると思い。
しかし見上げた先にあったのは驚愕の顔ではなく突きつけられる銃口。
そして驚愕する隙もあたえらず炎猿ただの肉塊に成り下がった。