知識欲
知りたい
しりたい
識りたい
シりたい
ただ、しりたい。
知りたかった。
なぜ、人間は動くのか。
知りたかった。
なぜ、人間は喋るのか。
知りたかった。
なぜ、人間は生きるのか。
知りたかった。
なぜ、人間は記憶するのか。
──だから、探してみた。
何処に動力源があって、どうすればどう動くのか。
──だから、実験してみた。
何処をなくすと、音がでなくなるのか。
何処を換えると、言葉は意味をなくすのか。
──だから、考えてみた。
生きるとは、なんなのか。
生きているとは、どのような状態なのか。
どのような状態になると、生きることを、諦めるのか。
──だから、見ようとしてみた。
何処でなにが起こって、何かが記憶されているのか。
記憶されたものは、何処にしまわれるのか。
記憶は、どのような形をしているのか。
記憶と呼ばれるものの正体が、いったい何なのか。
……判らなかった。
‥‥‥分からなかった。
・・・・・・解らなかった。
どうして人間は考えるのか。
どうして人間が生物を差別するのか。
どうして人間は、人間を特別に思うのか。
──謎は深まる、だけだった。
知りたくて、知るために、怒られることもしたのに。
知りたいから、知ることができると思ったから、あの子に頼んだのに。
あの子は死んだ。
何も明らかになることなく。
ただ、生きることを諦めてしまった。
でも、ひとつだけ、判ったことがあるよ。
── カイボーすると、人間は、死ぬんだ ──
御免なさいチョっと病んでましタァ!!