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☆ 文字、怒る。

 毎日、自由気ままに文字をつなげておりましたら、なんと…文字の皆さんが、わーすかわーすか騒ぎ出したではありませんか。


 やれ、俺が一番使われている。

 やれ私はいつも蔑ろにされている。


 もうね、うるさいのなんの。


 ええい!お前ら!!

 だまって…物語にならんかっ!!


「〈あ〉はいいよな!!五十音の最初だし、ゲームの名前でもああああとか使われがちだし!!むつかしいフォルムの癖に…」

「大体母音はみんな恵まれてんだよ!!俺なんかなかなか使ってくれねえんだぞ?!このセリフの中だって入ってねえ!〈も〉だよ、も、も!!!!」


「もーさ、ほんと使われねえ奴の気持ちってのはさ、へーきでみんな踏みにじるのよ、マジゆるせねえ…」

「〈つ〉なんかさあ、地味に人気あるよな、〈っ〉とかけっこう使ってるじゃん?」


「〈ぱ〉とか〈ぷ〉とか半濁点や濁点付く奴らはずるいんだよ!!ぶっちゃけめっちゃ使われてるし!!俺なんて見ろよ!〈を〉だぞ?!全然使われねえ!!」

「何言ってんだ、会話や文章の要のくせに!!ひとりで被害者ぶってんじゃねーよ!こちとらしりとりで負け認定の〈ん〉だぞ?!なめとんのか!!」


 あかん…ヒートアップしてて、物語の欠片にすらならん…。


 まあまあ、ちょっと落ち着いてくださいよ皆さん…仲良くやろうじゃありませんか!

 あなた方文字があるおかげでですね、私も素晴らしい物語が書けているのですよ。

 誰が人気とか誰がうらやましいとか…、それこそナンセンスでね?


「ふん、お前に…我々文字を使いこなせるとでもいうのか!!」


 使いこなせるかどうかはわかりませんけどね、大切に大切に文字をつなげて…物語として完成させていただいておりますよ。

 ええ、感謝の念しかございません。皆さんありがとうございます、はい。


「何その上っ面の感謝?!全然心に響かないんですけど!!」

「…では感謝の念、ここではっきりとあらわしてもらおう!!47文字を主役とした物語を書くのだ!!」


 そんな無茶な!!物語、なめてんのか!そんなすぐに書けるもんじゃ…無い!!

 そもそもさあ…今こうして書いてるこの物語の中にだって、文字の皆さん全員参加してるじゃん!!

 めっちゃ贅沢言ってるって気付かないの?!


「!!!!!!!!!お前…気が付いていないのか!!」

「ここに一度も登場していない文字がいるという事に!!」

「なんて失礼なやつだ!!!」

「同じ文字仲間として許せん!…お前の罪は重い!!」


 うへあ!!

 めっちゃ…ディスられてる!!


 このままでは文字の皆さんにボイコットされて文字が繋げられなくなる可能性!!!


 ええと、まだ出て無い文字は誰だ…。

 あいうえおかきくけこ…。


「いいのです、私など…、このセリフの中にも存在しない存在。ええ、自分の出番のなさは受け入れておりますとも」


「ほら―!!めっちゃ落ち込んでるじゃん!!なんてことすんだ!!謝れ!!!」


 ご、ごめんなさい、ええとあなたは…。


「〈ぬ〉です。でも、いつもあなたの物語にはわりと出させていただいてるんです。ぐぬぬとか、よく使ってるでしょう、あなたの独特の言葉遣いはわりと私好きなんです、はい」


 ああ、そういえば私けっこうぐぬぬとか…使うね。

 いつもお世話になってます、これからもよろしく。


「いつもお世話に…?お世話、してませんけど?!こっちが下手に出りゃあいい気になって!!あたしゃね!!もっと使われたいんですよ!!一度も出ない物語がどんだけあると思ってんだ!!たまには無双したいって思ってんだよこっちはああアアアアアアアアアア!!!!」


 わあ!!

 おとなしい人の怒りほどハンパないのパターンだ!!!


「何怒らせてんだよ!!〈ぬ〉が消えたら全国のぬこファンやカトリーヌ系の名前や素っ裸な雰囲気が消えるしぬいぐるみはあみぐるみになるし…大変なことになるんだぞ?!」


「早く!!全力で謝って!!」


 ご、ごめん(二回目)、ええと、〈ぬ〉さん、あなたを無双させますから勘弁してください。


 ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬむぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬめぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ


「ただ連打されて喜ぶ文字がどこにおるかああああああ!!!しかも〈め〉と〈む〉がさりげなく混ざっとるやんけ!!!」


 うはあ!同じ文字だけだとつまんないから間違い探し入れたら楽しめるかなって思ったんだけど、火に油だったー!


「あたし結構好きだけど!文字は連打されてなんぼでしょ!」

「いいじゃねえか!!俺なんかほとんど出てねえんだぞ?〈へ〉だぞ?!しかも変態の〈へ〉だぞ?!」

「どこに〈む〉と〈め〉あるの?なかなかおもしろーい!」


 ああそう?

 じゃあ別のも用意してみようか。


 ねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねわねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねれねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねねね


「「「「遊んでんじゃねーよっ!!!!」」」」


 なんだか目が痛くなってきたよ、今日はもう勘弁してください…。


「「まだ私たちもおりますけど?!」」


 〈ゑ〉と〈ゐ〉キター! 


 君等はそのう…、ええと、もう使ってる人ほとんどいないし、うん、無理!!


 文字たちとは…仲良くしたいものですけれどもね?!

 今日はどうにも…収拾がつきませんのでね?!


「逃げる気かー!!!」



 ではさようなら。


 わたくし、文字たちのご機嫌がなおりますまで、雲隠れさせていただきますの事よ、おほほ…!!



 ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄▽ ̄)┘



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メタたのたwwwwww  「ね」の中に「わ」と「れ」が隠れてましたぬw 
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