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プロローグ

 

 日本は信用を失った。

 長年続いたデフレ、人口減少、慢性的な地方衰退、そして日本政府への不信。

 国は少しずつ、統一された通貨と価値観によって維持されてきた社会の限界を悟り始めていた。

 大企業と東京圏に資本が集中する一方で、地方ではシャッター街が増え、移住も進まず、補助金に依存するだけの命脈維持型自治が広がっていた。

 そんな中、決定打となったのが信用インフラの崩壊だった。


 発端は、通貨価値の大崩壊である。

 世界的なインフレと通貨不安の波が押し寄せたある年、政府は“異例の金融緩和”と“富裕層減税”を強行。

 その影響で、通貨“円”に対する国民の信頼は過去最低に。




 この国家的危機の中、日本政府は大胆な政策を打ち出した。


「今後、各地方自治体は独自の通貨を発行し、自らの経済を自ら設計することができる」

「その通貨の価値は、その土地の魅力によって能動的に決まり、変化するものとする」


 つまり、“地域通貨主権”の時代の到来だった。


 円はあくまで“共通通貨”として存続しつつも、各都道府県は独自の通貨を構築し始めた。



 47の通貨が乱立し、

 47の価値観が日々変動し、

 誰もが自分の地元通貨のレートに一喜一憂する日々。


 世はまさに、大資本主義時代へと変貌しようとしていた……!


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