表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/43

お代わり




 岩の家の客間にて。


(おお、こわやこわや。さてはて。日に三度も行っているメンテナンスで咲茉えまに何をしているのやら)


 ドクターこと祇園ぎおんは、白桃クリームのカンリーノ、白桃ゼリー、白桃とレアチーズのタルトがそれぞれ乗った三段のケーキスタンドから、皿ごと白桃とレアチーズのタルトを取り出すと、備え付けてあったフォークで横に真っ二つにして、口を厳かに開けて、半分を、続けざまにもう半分を口の中に入れて、あっという間に食べ終えた。


「いやいや。流石はぜんだ。いついつまでも忘れられそうにない。見事に調和し合った白桃とレアチーズのタルトであった。このザックザックのタルト生地が実にいい」

「ハッハッ。いついつまでも忘れられない味ならば、もうここを頻繁に訪れて食せずともよいな。月に一度の咲茉のメンテナンスだけを丁寧に済ませてさっさと帰るがよい」

「はははははは。またまた冗談を。俺様を邪険にしている振りなどしなくていいぞ。本当は俺様にもその秀でた料理の腕を振るいたくて堪らないくせに~」

「ハッハッハッ。吾輩は咲茉にだけ食してもらえれば大満足なのだがな」

「はははははは。一人だけで満足するような御仁ではないだろうに」

「ハッハッハッ」

「はははははは」

「やはり、マスターとドクターは仲がよいな」

「ハッハッハッ」

「はははははは。そうだぞ。咲茉。俺様と善ほど仲がよい者は居ないだろうよ」

「ハッハッハッ。それを言うならば、吾輩と咲茉ほど仲がよい者は居ないの言い間違いではないか?」

「はは。本当にそう思っているのか?善」

「ああ」

「………おお。いけないいけない。話に夢中で、白桃クリームのカンリーノと白桃ゼリーの存在を忘れていた。はははははは。善との話は面白くてついつい他の事を忘れてしまう。いけないいけない」

「クハッ。そうだな。吾輩もついつい集中してしまう。咲茉。お茶のお代わりは大丈夫か?」

「大丈夫だ。マスター」

「善。俺様にお代わりを頼む」

「ああ。すぐに淹れよう」











(2024.8.12)




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ