表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/43

暴走




 岩の家のぜんの自室にて。


『わからなくなった。ゆえに、共に過ごし時間を増やして、わかるようにしたい』


 嘘だ。

 咲茉えまは即断した。


(マスターにわからない事なんて、あるわけがない。私と共に居る意味を見出せなくなった。遠回しに。出て行けと言っているのではない。か。そもそも。何故、マスターが私を傍に置いてくれるのか。わからなかった。私は、マスターのように飛翔したいと明確な理由があるが。マスターはただその願いを受け入れただけ。寛大なマスターとて、気持ちが変化したとしても。おかしくはない。だろう。もしかしたら、メンテナンス中に重大な欠陥が見つかったのかもしれない。傍に置いてはおけないと判断するほどの。だが。だったら。直接そう言ってくれたら。いや。激情に駆られて、暴走すると考えたので、直接的ではなく、間接的に言った。の。か)


 そんな事はしない。

 ただここまで受け入れてくれた感謝のみ。

 それだけだ。

 それ以外に、何があると言うのだ。


(………いや。マスターは私より、私の事を、わかっている。ゆえに。私は。暴走。するの。か)


 暴走する。

 感情に関係なく暴走するのではないか。

 重大な欠陥とは、時間経過により暴走する事だったのでは。

 そして、今日、今この瞬間よりそう時間を置かず、暴走するのではないか。

 それを防ぐ為に、この部屋で処理しようとしているのではないか。


(そうか。私を横に寝かせて、機能停止させて、速やかに処理するつもりだったのだ。マスターは。優しい方だから、真実を伏せておいて、健やかに死へと誘おうとしてくれているに違いない)


「………マスター。感謝する」


 咲茉は正座のまま深々と頭を下げると、善の横に身体を寝かせて、目を瞑った。


「最後の最後まで、手を煩わせてしまって、すまない」











(2024.8.28)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ