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正反対
力強いのに、凪いでいる。
力強さで以て、ただ抑えつけて、凪いでいる様を創り出しているわけではない。
正反対の効力を持ち合わせている不思議さ。
細かに蠢き、ひそかに蠢き、荒々しく蠢き、気高く蠢き。
ひとつひとつの細胞が、主に恥ずべき言動を行うべきはないと付き従う。
己を掌握しているがゆえ。
己を制覇しているがゆえ。
揺らがない。
立ち姿も、歩む姿も、飛翔する姿も、何をしても、何をするにしても。
生物として敵わない。
この世のあらゆる現象さえも、敵わない。
仰ぎ見たくて。
首を垂れたくて。
正反対の動作で以て、畏敬の念をただ、示す。
力強い。
凪いでいる。
居心地がいいと、感じて。
いや。
居心地がいいと感じた事は、もしかしたら、一度たりとも、ないのかも、しれない。
恐怖を感じているのだ。
居心地がいいなど、どうして、感じる事ができようか。
だがそれならばどうして。
こんなにも離れ難いのか。
(2024.8.27)




