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ねえねえなあなあ+双子






 ねえねえ。ねえねえ。

 なあなあ。なあなあ。


 獲物が来たね。久々に。

 獲物が来たな。久々に。


 いっぱいいっぱいいっぱい遊んであげようね。

 いっぱいいっぱいいっぱい遊んであげようぜ。




 いっぱいいっぱいいっぱい遊んでさ。

 いっぱいいっぱいいっぱい遊んでな。

 この森の栄養分にしてあげようね。

 この森の栄養分にしてあげような。




 いついつまでも。

 いついつまでも。




 この森に閉じ込めてあげよう。











(2024.8.24)






 岩の家にて。

 ぜんは無言で咲茉えまの両足にひっつく二人の幼子を見つめた。

 飛翔の午前の訓練を終えて帰って来た咲茉が連れ帰って来たのだ。


 すばると名乗る少年は白狐のお面を着けて、うたと名乗る少女は黒狐のお面を着けていた。狐のお面はどちらも目の周囲が紅い縁取りがあり、咲茉の腰より少し高い身長のこの少年少女は双子らしい。


「おまえ。善って言うんだろ。咲茉が言ってた。おまえにゆるしをもらわないと一緒に住めないって」


 昴は咲茉の左足にひっついたまま言った。


「おまえ。善って言うんだろ。咲茉が言ってた。咲茉と一緒に暮らしたいから、私たちにゆるしをさっさと与えろよ」


 詩は咲茉の右足にひっついたまま言った。


「すまない。マスター。樹海の森に落下した時に、いきなり駆け寄って来て、一緒に暮らすと言い出した二人をどうしても振り切れなかった」

「咲茉次第だな。吾輩は咲茉の判断を尊重しよう。この初対面の双子を受け入れるか、否か。否であれば、吾輩が追い払おう」

「………私も、マスターに世話になっている身だ。マスターがどうするか、判断するのが、いいと思うのだが」

「吾輩は判断をしたぞ。咲茉の判断を尊重するとな」

「………」


 善の判断に従おうと考えていた咲茉は困惑しながら、両足にひっつく昴と詩を見下ろした。

 生物が足を踏み入れる事のない樹海の森に居た双子。

 人間の幼子の姿をしていて、人間の洋服を身に着けてはいるが、果たして本当に人間なのかどうか。

 得体のしれない存在である事は間違いなかった。


(だが、危険であれば、マスターが追い払う。はず。で。そうしなかったという事は。ここに居てもらった方がいいと。いう事ではないのか?)


「………あなたたちは二人だけで過ごして来たのか?」

「「うん。そう」」

「二人だけで過ごしてきたのであれば、私は必要ではないと思うのだが、何故私と一緒に暮らしたいと言うのか教えてもらえるか?」

「「一緒に暮らしたいから」」

「………初対面なのにか?」

「「うん。崖から飛び降りる姿が気に入った」」

「………そう、か」

「「そうだ」」

「………」


 咲茉は善へと向けそうになる視線を昴と詩に留め続けたのであった。


(どうすれば、)











(2024.8.26)




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