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空中タッチディスプレイ




「今日は随分と身体を痛めている」

「修復しきれていない箇所があったのか?」


 岩の家のメンテナンス部屋にて。

 一人での飛翔の特訓と昼のメンテナンスを終えた咲茉えまは、ぜんの発言を受けて首を傾げた。

 岩の家に戻る前に、空中タッチディスプレイを発現させて、身体の痛めている箇所を把握し自己修復をしているので痛めている箇所はないはずで、その上、その痛めた箇所のデータは処分したので、善が把握できるはずはないのだが、見落としがあったのだろう。

 すまない。

 善が起こす前に電動リクライニングベッドから素早く下りた咲茉は、頭を深く下げた。


「修復してくれたのか。マスターの手を煩わせてしまった。すまない」

「いや。咲茉は完璧に己の身体を修復しており、痛めている箇所のデータも完璧に消去していた」

「ならば何故マスターは………見ていたのか?」

「いや。ただ。わかるだけだ」


 余裕綽々の笑みが、言葉が、やけに遠く感じた。

 本来なら、

 そう、現実を突きつけられてしまう。

 本来なら、己なんぞ矮小な存在が関われる御方ではないのだ。

 そう、


(これも、不要な思考。不要な思考ばかりが。発生して。溜まっていく。消去できない)


「………近頃、浮かない表情をする事が増えたな」

「ああ。少しも飛翔できなくて。つい。表情に出てしまう。だが。私は必ず飛翔する。マスターのように」


 二、三度と、勢いよく両の掌で顔を叩いた咲茉は、少しだけ口の端を上げて、瞳に光を宿して、堂々と言った。


「クハっ。よいよい。それでよい」




 そうやって、吾輩に喰らいついてくるがよい。











(2024.8.24)




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