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なおふだんどおりですよ

作者: 酢に 蓮根

うちの高校、しかも同じ1年生にはもの凄いモテ男、清水樹聖君がいる。

背が高い、笑顔が素敵な日焼けした男前、サッカー部で先輩たちを追い越す勢いの運動センス、それでいて明るくておもしろい。

違うクラスながらそりゃモテるわねーと思ってたら、よくわからない何かが起きた。


「さくらちゃんの彼氏すごいねー。」

「ねぇねぇ、ふたりきりだと清水君はどんな感じなの?」

「告白はどっちから?」


どうやら何人かの勇気ある乙女が告白した所、同じ学校、同じ学年の『さくら』という彼女がいると断られたらしい。

該当者は私ひとり。


いやいや、違いますから、全然違いますから、話した事もないですから!!

いったいどうなってるのよ誰か教えてよ!


「え、でもこの間さくらちゃんの方見てたよ!」

「帰り道もさくらちゃんの後ろ歩いてたしー。」

「もうもう、今更何隠そうとしてるのよ。」


ホントに無関係なのにぃぃ!?

私は好奇心の塊みたいなクラスメートたちを振り切って、高校に入学してからできた友、蘭ちゃんとふたりで特別教室棟の階段でランチタイム。

散々愚痴を重ねたところで蘭ちゃんが申し訳なさそうに口を開いた。


「ごめんね、さくらちゃん、迷惑かけて…。」

「なんで蘭ちゃんが謝るの?」

「だって私が『さくら』だから。」


はぁぁぁ?!


「『深作蘭ふかさくらん』の真ん中取って『さくら』」

「おいおいおぃぃ?!」

「らん、だとみんなが呼ぶから二人だけの呼び方が欲しいねって☆」


ほう、つまりモテ男が見ていたのは私ではなく一緒にいた蘭ちゃんで、帰り道の件は私に遠慮していて、私と蘭ちゃんが分かれ道でバイバイしたあと、二人で帰っていた、と。


「でも蘭ちゃんの彼氏って『みずき』君って・・・あぁぁぁ!!」

「さすがさくらちゃん、気が付いた?『清水樹聖しみずきせい』真ん中取って『みずき』君。」

「私の友達ただのバカップルの片割れだったぁぁ?!」

「私、一生懸命さくらちゃんにアピールしたつもりだったの。彼氏サッカー部、とか、帰る時あとから合流するんだ、とか。最初わかってて私の事庇ってくれてるのかな、と思ってたら、今愚痴が出てきたからひょっとしてわかってなかったのかなって…。」

「わかりにくいから!絶対わかんないから!」

「ごめんなさい、迷惑めっちゃかけてました!」


なお、私たち、これからも普段通りですよ。


タイトル挿入キーワードは『おふだ』。使い方は『なお、普段通りですよ』という内容をうっすらぼかして挿入。

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