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バレンタイン


「レナ!」


ズンズンズンッとバックに音が付きそうな雰囲気で、ニキ様が私…


手に料理で使うボールと泡立て器を手に持って居る最中やって来た。


場所はガルニエ館の台所の一角、と言うかオーブンの側。


そのような場所に1貴族の令嬢の筈の私が居るのは本来なら褒められたものでは無いのだろうが、料理長に頼んで中に入れて貰い、場所を提供して貰っている。


ついでに言うと、流石に慣れていないからオーブンは完全に料理長任せ。


すいません料理長、学園の厨房のオーブンと違って古い形のオーブンなのでやり方がイマイチ分からないのです。ゴメンね、仕事増やして。


「お安い御用です」って言って笑っているけど、彼の分もお菓子を作っておこう。


勿論兄さん達に許可を得たし、何より…



「お姉ちゃん、フォーカス様にバレンタインの贈り物を作りたいの!お願い、何か簡単に作れるお菓子を教えて欲しいの。それで、あの、出来たら手伝って貰えると嬉しいのだけど、だめ?」


と、末っ子の可愛いお願いには逆らえない。


と言うか、逆らう気は全く無い。


可愛いからね!


これが長男カイデンだったら絶対にスルー。無視だ、無視。と言うより、カイデンが私に『お願い』なんてするわけ無いし、アイツは料理をするコトもない。厨房に入ったことも無いだろうしね。


…そもそもアイツが料理等したら、天変地異が起ると思う。


空から槍どころか、ドラゴンが降ってきちゃうだろうなぁ。そしてボールなんてモノを7個世界中にバラ撒いて…うん。何処のお話?なんて事柄になっちゃうわ。


それは兎も角、可愛い妹のお願いは叶えてやりたい。


そう言うワケで現在、白いエプロンを身に着けて末の妹であるオルブロンと二人台所に立ち、これなら出来るだろうと簡単に出来る、日持ちのするパウンドケーキの制作中。


その最中にニキ様が突入して来たワケである。



「う、白いフリル付きエプロンドレス…」



何故か一歩後に下がって顔を真っ赤にし、私をガン見しながら「やばい可愛い、滅茶苦茶可愛い」と言う台詞を連呼しているニキ様。


その背後にはディラン兄さんが練習用の刃を潰した剣を手に持ち、ブツブツ言っているニキ様を見て肩を竦めて苦笑している。



「ニキ様のエッチィ~。お姉ちゃんのエプロン姿見て、真っ赤になって悶えているなんて~」


「な!そ、それはその!不意打ち過ぎだし!その、あまりにも可愛くて、だな!だから疚しい気持ち等決して無いし、エッチなどでは無い!」


「そ~う?そのワリには力説過ぎだよ、やっぱりエッチな事考えて、い・た・の・か・な~」


「ち、ちがっ!」


此方を見て動揺し、オロオロしだすニキ様。


その姿は違うって分かっているよね?と言っている様で、これは可愛そうかな。


…ごめん、ちょっと可愛く思えて助け出すタイミング掴めなかったの。

ごめんね、ニキ様。



「オルブロン、ニキをからかうのは止めて」


「え~」


「オルブロン」


「うーん、仕方ない。お姉ちゃんの彼氏だし、特別に此処で止めておく」


「「彼氏…」」



う。


つ、ついニキ様と同じ台詞重なってしまった。


恥ずかしいっ!


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