第一章 入学編
西暦2095年。
世界は増えすぎた人口と増長し続けた地球温暖化、数多の環境汚染による物資の枯渇により各国は非常事態に陥り世界対戦が勃発。
技術の進歩によって生み出された兵器の力は凄まじく、多くの人々が命を落とし、後ろ盾のない小さな列島諸国は次々に滅ぼされ世界地図からその名が消えていった。
そして西暦2107年。
12年にも続いた戦争に突然急展開が襲う。
その原因となったのが魔法の存在である。秘密裏に研究・育成した魔法術者を使い、その強大な力を持って戦争にあたった。
しかし、魔法の存在は人間の手に余るものだった。暴走した力は世界を壊し続け、結果世界から約三割の国土と四割の人間が消滅した。各国は決着のつかない戦争の続行を断念、和平を結び世界大戦は幕を閉じた。
世界大戦が終わって以降、国の再建や物資の確保、治療やその他を支えたのも魔法の存在であった。世界は魔法に対する研究を第一級重要事項とし、魔法を発展させていった。
そして現在西暦2207年。
世界大戦終結から早100年が経った今では、小学生の段階で魔法特性を持つ者が選別され、持つものは中学生の時点で義務教育の一貫として魔法基礎を学ばされる。その中で数多の振るいにかけられ なお残った者は国立行政機関 魔法学専攻高等学校に入学することを許される。この機関では歳は関係なく技力と知力が全て。全ての物事は生徒間で決められ、この学校に入学を許された者は望めばほぼなんでも国から支給される。
生徒の9割以上が政治家や有権者、資産家のご子息であるのが現状である。幼少期から英才教育を受けていない限りほぼ入学が不可能なのである。そのためこういった生徒分布が現状なのである。
しかし、ここに二人。
親が政治家でもなければ、有権者でもない。普通の一般人から今年 入学を許可された兄妹がいた。
御堂 人 そして 御堂 純音。この二人の入学によってそう遠くない将来世界は大きく変わることになる。だが、その事を今は誰も知る由もない。
そして今、この兄妹の高校生活が始まる。