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ひなたの詩&エッセイ集

触れられなくて

作者: ひなた

 どれだけ手を伸ばしても 届かない貴方の背中

 もう置いていかないで 私を一人にしないで

 願うけれど 貴方に迷惑を掛けたくはなくて

 声にはならず 私を責め立てるばかりなの

 私がこんな想いで 待っていることも貴方は知らない

 鈍感で無邪気なその笑顔は 嘘なんて知らないから

 私が男だったなら 貴方の隣で戦うこともできたのに

 どうせ叶わない恋ならと 私は日々そう思っていた

 戦うことがどんなことなのかさえ 知らずに

 貴方がどんな想いをしているのかさえ 知らずに……


 どれだけ手を伸ばしても 貴方はもう握ってきてくれない

 震える私の手を 握り締めてくれる人はもういないんだね

 帰ってこない貴方は 帰りを待つ私の心を考えてくれない

 帰りを待つ私は 帰れなくなる貴方の覚悟を考えていない

 私を悲しい犠牲者にしないために 貴方は私を置いていった

 本当は貴方の方が 私よりもずっと孤独だったはずなのに

 貴方の心を知って私は 酷く腹が立ったんだからね?

 恋が届いていたことは嬉しいけど でも私は……

 お互いを守るだけの すれ違った恋は嫌だったわ

 傷付けられてもいいから 貴方の隣りにいたかったのよ


 もう置いていかないで 私を一人にしないで お願い

 届かない願いとは知りつつも 私は願っていた

 私から会いに行こうにも きっと貴方は怒るんでしょう?

 それだったら帰ってきてよ いくらでも待っているから

 貴方の帰りを信じて 待ち続けているから 貴方だけを

 女に生まれて良かったわ こうして貴方の場所を作れる

 貴方が帰ってこられる場所を こうして守っていられるもの

 だけど笑っちゃうわね 両想いの届かない恋なんて

 手を伸ばしたら いつの間にか行き過ぎていたみたいね

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