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107.おねがい

宇宙を貫く雄叫びよ、遥かなる時を遡り、銀河の源より蘇れ!顕現せよ、そして我を勝利へと導け!


No.107 銀河眼の時空竜!

 今日、改まった表情で娘が……というよりアーニャの中にいる先代魔王であるリズレイスが尋ねて来た。

 アーニャが戻ってくるのは何時もの事だが、リズレイスが直々に来るとは珍しい。

 珍しくて明日は矢の雨でも降るんじゃないだろうか? そんな訳無いか。


「この身体はアーニャという娘の物なのだろう? 一応、その親であるお前にお伺いを立てようと思ってな」

「えっ、と。何ですか急に改まって」


 お伺い、などという大層な言葉を受けて思わず聞き返す。


「明日、魔王と四天王は反抗勢力の討伐に向かう。それに可能なら私も同行しようと思っている」


 反抗勢力。

 近頃妙に城内を行き交う魔族が多くなったのはそれが原因か。

 しかし何故わざわざそんな事を言いに来たのだろうか?

 僅かに考え、答えを尋ねようとするがその沈黙を受けて何を思ったか、リズレイスは続ける。


「駄目なら駄目で構わん。生半可な相手程度に遅れを取るとは思ってはいないが、万が一という事もある。これは魔族同士の問題であって人間であるお前やこの娘には何の関係も無い話だ。私の我侭で、この娘の身体を危険に冒すのは親として許せないのも当然だろう」


 アーニャの身体に今いるのは、先代魔王であるリズレイスである。

 魔族最強の象徴である魔王。例えそれが死した魂であろうと、その実力は落ちてはいないだろう。

 しかしながらも一片たりとも油断はせず、万が一を考えた結果、私の元を尋ねたという訳か。


「だが、何の因果か私はこうして今この地に生きて立っている。私はこの地に生きる魔族を守りたいのだ、私に出来る事ならば、何でもするつもりだ。どうか了承しては貰えないだろうか」


 何でもすると言われても。

 許しを請うように、先代魔王が頭を地に擦り付ける。

 ただの一介の農民である私に平伏す魔王、何だこの構図は。

 それを受けるべきはアーニャであって私ではなかったはずだ。


「と、言われても……」


 住めば都という言葉があり、長々とここに住み続けた結果ここに根を下ろしたくもなるが。

 やはり私は、アーニャと一緒に故郷に戻りたい。

 例え討ち滅ぼされた後であろうと、フロテア村は私の故郷なのだ。


 娘に仕掛けられた術式の手掛かりは掴めた。

 だが、肝心の元に戻す手段は未だ見付かっていない。

 見付かるまでは、帰る訳にも行かない。

 何も分からずこのまま帰れば、この術によって何か問題が起きた際、私にはどうする事も出来ないのだから。

 アーニャを元に戻す、又は次点で問題が起きた時にきちんと対処出来るように解決策を用意する。

 これが満たせない限り、ただ帰る訳にも行かない。


「何でも、と言うのでしたら。一つだけお願いが」


 それに、このレオパルドに良からぬ反乱分子が攻め込もうとしているのも捨て置けない。

 この城で暮らし続け、大なり小なり魔族達にも恩を受けた。

 彼等の力になってあげたいし、その為の力は授かった。

 何より魔王達がこの戦いで命を落とせば、アーニャを元に戻せる可能性を持ち、協力的な人物を失う事になる。

 代替わりした新たな魔王が協力してくれるとは限らない、いや敵対する可能性の方が大きいだろう。

 だったら、私がすべき事は――



―――――――――――――――――――――――



「成る程、翌朝ですか。随分と電撃戦ですねぇ。兵は拙速を尊ぶ、という訳ですか?」


 愉快そうに喉を鳴らし、小さく笑うヒュレル。


「――魔王が来るのか?」


 ヒュレルが持ち込んだ一振りの剣を手にした、サクリフが尋ねる。


「ええそうです。精神系の魔法を使う者がいる以上、烏合の衆は足を引っ張る以外の何者でもありませんからね。魔王とその信頼に足る実力者のみを揃えて、少数精鋭でこちらを叩く気でしょう」

「貴様の描いた絵図通りの展開という訳か」

「これで貴方様の望み通り、サシで魔王と決着を付けるお膳立ては出来ました。それに、レオパルドの実効支配の準備も整いました。今は森に兵を伏せさせてありますが、伝令一つ飛ばせばもぬけの空になった魔王城を直ちに攻め落とせるでしょう」


 魔王達の動向は、ヒュレルの手筈通り洗脳を受けた兵からの報告によって筒抜けになっていた。

 どうやら魔王とその幹部のみを城から引き剥がし、この地で迎え撃つ方針らしい。


「私に出来る事はここまでです。では私はそろそろお暇させて頂きます、では御武運を……」


 笑みを残し、サクリフの下を後にするヒュレル。

 その笑みの意味を自身を鼓舞する物と判断したサクリフは、自身を奮い立たせるように自答する。


「さぁ、来るが良い腑抜けた魔王よ。貴様が如何に軟弱か、その身を以って知るが良い!」


 サクリフの高笑いを背に、ヒュレルはその場を後にする。


「――さて、大規模に仕掛けると魔力の浪費が激しいですからねぇ。なるべく少ない労力で、最大限の結果を出さねばなりませんね。でなければ一体何の為に現界してるのか意味が分からなくなりますからねぇ。アッハハハハハ!」


 乾いた足音を立て、高笑いと共に薄闇の中へと歩み消える。



 ヒュレルの思惑通り、物語は進んでいく。

逆巻く銀河を貫いて、時の生ずる前より蘇れ!永遠を超える竜の星!顕現せよ!


CNo.107 超銀河眼の時空龍!



   ___  ァケ

. /  ∧∨ ケ

,' F=-〈〉-+ タ

| l {ミ゜ | ゜)レ' 驚くのは まだ 早い!

| l_l    l_l


 私がタキオンと出会ったのは、アニメでその雄姿が初めて顕になった時であった。

 その存在感。見る者を惹きつける畏怖と神々しさが入り混じる御姿。

 私は思わず、感嘆の溜息を漏らした。

 そしてLTGYが発売したその日、10箱購入するのは必然だったと言えよう。

 運命の出会いを果たした私は、パックの中から現れた1枚のタキオンを指で撫でながら、呟いた。


「これが私の運命。私の全て。君の姿に私は心奪われた、私と共に歩んではくれまいか! この気持ち、正しく愛だ!!」


 タキオンは黙して語らない。

 私とタキオンの間では、言葉すら不要という訳か。

 タキオンの力と、私の愛が交われば。

 その輝きに神すら平伏し崇め奉るだろう。

 タキオンの既に持ち得ているその輝きは、私の心を眩く照らしていく。

 闇は払われ、清々しい心地になる。

 このまま光に溶けて消えてしまいそうだ。

 さぁ行くぞ! 私とタキオンの愛の力で勝利を掴む!



銀河の光の導くところ新たな世界がひらかれる!!

天孫降臨!アーマーエクシーズ召喚!!

現れろ新たなる光の化身!!


ギャラクシーアイズ・FA・フォトン・ドラゴン!!

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