エピローグ
ユナは飛空艇でいつも考えている事がある。
「私達は一体何の為に戦ったのか?」という事だ。
キシルに聞けば答えてくれそうだった。けれどユナは怖かった。自分の望んでいない答えが出るのではないか。そう思うと聞けなかった。
「おいユナ」
ある日、キシルはユナに話しかけてきた。
食事や家事の時以外ではキシルはあまり話しかけてこないので、何事かと思った。
あの街の革命についてだった。
「あの街は救われなかった。俺らが壊したぐらいじゃ救われるような街じゃない」
それならどうすれば? ユナには分からない。
その後の言葉が聞いてはいけない言葉という事も分からないから。
「だから、俺はあいつ…ネイ・ニーリスを探す」
「ね、ネイ・ニーリス…?」
「なんだ? 知ってるのか?」
その名前は知っている。どころの話じゃなかった。
キシルだけじゃない。ユナもまた、その人を探す為にこの飛空艇に乗り込んだようなものなのだ。
「ネイ・ニーリス。それは、私の………お姉ちゃんです」
「お前があいつの…妹?」
信じられない。という声を上げるキシルだったが、改めてみると自分の記憶の中のネイの顔と、目の前のユナの顔はどことなく似ていた。
そう姉妹レベルには。