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度胸変身☆めもり


昼間の公園に響き渡る悲鳴。それはヒーローを求める声。


「誰かー!助けてー!」

「うっひっひ。みんなサッカーボールみたいにしちゃうぞー!」

悪の親玉、ダークケイトによって人の悪い思い出から生み出された怪物、トラウマーである。


おのれトラウマー、そうはさせるか。

「そうはさせんぞ!トラウまああ!?」

突然の蹴りにはいかにヒーローであろうとも避けられない、そして痛い。

「ちょっと」

「何すんだよ!」

「先輩、真面目にやってます?」


冷たい目で見下ろす、俺に蹴りを喰らわせたこの女の子は森めもり(17歳)。

俺の後輩でマネージャーをやっている。

そして俺より多分強い。


「当たり前だろ!どこを見て不真面目ととれるんだ!?」

「見た目からして不真面目でしょう。何で変身しないんですか」

「う……いや、その、この程度の相手なら変身しなくても、なんて……」

「何馬鹿言ってんですか。死にますよ?」

冷静に死亡予告されてもだな。

「先輩、変身しないとひ弱なんですから。変身してください」

ひ弱て。

「……うむむ……」

「そもそも変身しないと、物語として成り立ちませんが」

「うう……マジでこれオンエアーされるわけ……」

「先輩」

「……だー!わかった!わかったよ!やればいいんだろやれば!」

「“真面目に”やるんですよ?」

「……わかってるよ」


後輩マネージャーの冷たい視線を浴びながら、俺はしぶしぶ変身ベルト(めもり作)に手を当てる。


「……はあ」

「先輩」

「わかってるって!」


息を大きく吸い込み、


「変☆身」


俺は叫んだ。


ベルトから無数の星が散りばめられそれらは右手を被い、左手を被い、身体を、両足を被い、そして最後に頭を被う。





「うっひっひ。さあいつのワールドカップのモデルがいい?」

「ひー!!」


「そこまでよ!トラウマー!」

「誰だ!?」


トラウマーの前には、赤を基調とした、可愛いワンピースに手袋、ブーツを履き、星の髪飾りを付けた、赤毛のツインテールで、大きな瞳、長いまつ毛といういかにもな美少女ヒーロー(見た目は17歳)が現れた。


ちなみにワンピースは胸(貧乳)を強調する作りになっている。





「煌めくは情熱の星!美少女ヒーロー☆めもり!!」




俺の名前は赤井正太郎、24歳、性別はもちろん男。



職業は「美少女ヒーロー☆めもり」である。


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