あの日の言葉
もう、全部終わりにしたい。」
そんなことを考える日が続いていた。
朝になっても布団から出られない。
スマホを開いても通知はゼロ。
誰かに必要とされている気がしなかった。
笑っている人を見るたびに、
「どうして私だけこんなにつらいんだろう。」
そんなことばかり考えていた。
ある日の遅番。パソコンを見つめ座っていると、部長が隣に座った。
励ますわけでもなく、説教するわけでもない。
ただ静かに言った。
「人生ってな、雨の日があるから晴れの日が嬉しいんだよ。」
私は何も返せなかった。
「今は雨が長く感じるかもしれない。でも、一生雨だけってことはない。」
その言葉は、その時の私には信じられなかった。
だけど、不思議と心のどこかに残った。
次の日
ほんの少しだけカーテンを開けてみた。
その次の日。
近くのコンビニまで歩いてみた。
少しずつ、本当に少しずつ。
昨日できなかったことが、今日できるようになっていた。
気づけば、笑う日も増えていた。
つらい出来事が消えたわけじゃない。
でも、乗り越える力が少しずつ育っていた。
あの日、部長さんが言ってくれた言葉は今でも覚えている。
「雨はいつか止む。」
ありふれた言葉かもしれない。
でも、あの日の私には、暗い空に差し込んだ一筋の光だった。
今、もし昔の私と同じように苦しんでいる人がいるなら伝えたい。
今日がどんなに苦しくても、その苦しみが永遠に続くとは限らない。
立ち止まってもいい。
泣いてもいい。
でも、あなたの明日は、今日とは違う景色かもしれない。
私は、あの日の言葉に救われた。
だから今度は、誰かを救える言葉を届けられる人になりたい。




