第二話 猫と『トンネルの街』
第二話 猫と『トンネルの街』
あるところにほうきで飛んでいる人がいました。その人には猫耳としっぽがありました。ほうきの後ろには旅の荷物が積んであり、荷物の内の一つに『ノワ』と書いてありました。
「お、街が見えてきた」
ノワの視線の先には街が一つありました。
「なんだ、あれ?」
街の中心には大きなトンネルがありました。
ノワはトンネルに近づきました。
「ちょっと、ちょっと!旅人さん!そっちに近づいちゃダメだよ!」
地上から声をかける人がいました。
ノワはその人の近くに行き、聞きました。
「なんでですか?」
その人は答えました。
「このトンネルはね、近づいちゃいけないんだよ。」
「崩れるのですか?」
その人は大きな声で反論しました。
「そんなわけないだろ!」
「なら何故?」
その人は言いました。
「それはこの街の歴史と繋がっているんだ。もともとここには大きな山があってね。その山が人々の邪魔をしていたんだ。ある日一人の人が“この山にトンネルを造ろう!”って言い出してね、トンネルを造り出したんだ。その山の近くに住居を作ってトンネルを掘り出したんだ。その山は本当に人々に嫌われていてね、いろいろな人が山の近くに住みだした。そのうち住居を作るための資材がなくなってね、山から取り出してきたんだ。まずは山から木を切って、木をなくした。それでも資材が足りなかった。だから次に土も資材にして住居を造り出したんだ。その土台を作るのは石だった。そうして山から資材を取り、住居を作った。そのうちにトンネルまで山を削った。そうして周りにちょっとした街ができた。そしてついにトンネルが開通したんだ!」
ノワが首をかしげながら聞いた。
「トンネルを残したのですか?」
男が自慢気に言った。
「そうさ!そのためだったんだからね!」
「・・・」
「そうして街ができ、移民も来て、人口が増えていった。どれもこれもトンネルのおかげさ!少し邪魔なのが玉に傷なんだけどね」
「そうして、トンネルを残していると言うことですか」
「そうさ!大切だからね!」
「使わないのですか?」
「大切なのに使えるわけがないだろう!」
ノワは呆れながら言いました。
「トンネルの素晴らしさについてよく分かりました。では、これで」
「やっぱりこのトンネルは素晴らしいだろう!そうだろう、そうだろう!」
ノワは飛びながら思いました。
「使わず、いらないのに残すとは...」
そして、荷物を見ながら言いました。
「売るか」
そして次の日、荷物が少なくなった一匹の猫が飛び立って行きました。




