ep.7 Génial Guérisseur 《天才ヒーラー》
……
……
……えっと。
僕は、エリック。
ここは例の広場。数日前、僕はここで撃たれたんだ。
あの騒動から何日か経っているけど、未だにブルーシートで覆われている。
騒動があったあの日、僕は一命をとりとめた。ダニエルさんと、例の非魔術師たちも、全員。
ロンの回復魔法『tout guérir』によって。
あの後救急車が来たんだけど、びっくりしてた。
ロンの回復魔法は、きちんと使えば細胞を再生する《回復》魔法に。魔力を込めすぎたり使い方を誤ると、細胞破砕を引き起こす《破壊》の魔法になる、極めて適正範囲の狭い魔法だったんだ。
だから刻印によって制御されていた。でもロンは、あれ以上の魔力を持っている。
ロンはあの時、ただの『水魔法』にほんの少しの『guérir』を付加して、水にヒーリング効果を付与していた。
だからあの日、あの雨を浴びた人たちは不思議なことに傷が癒えたんだって。勿論、火も消えた。
まさに恵みの雨っていうわけだ。ロンは、やっぱ凄いよ。みんなが『天才ヒーラー』って言うのもわかる。
《マリア様》と呼びたくなるのも。だって、ロンが魔法を使う姿はまさにマリア様のように神々しく見えるんだ。
……だけど僕は、非魔術師が嫌いになった。
それに、ロンが一生懸命努力してたのを知っている。『天才ヒーラー』なんて一言では片づけられないくらいの、努力を。
ロンはぎりぎりまで魔力を解放したんだ。
正に「火事場の馬鹿力」ってやつ。
まぁフランス語にそんなことわざないんだけど。
今ロンは元気にしているよ。みんなを救った『天才ヒーラー』は今や町の英雄だ。本人は「恐れ多いよ」なんて言って、今でも町に出るときはあのベールを被って出かける。
その姿がまた《マリア様》みたいなんだけどね。
……噂をすればロンだ。「ねぇ、ロン」
僕はロンを呼ぶ。
名前を呼ぶと、嬉しそうにするんだよ。
なぜ『すべてを癒す』という魔法なのか。
本人は『自分が知っている病気や怪我しか治せない』と言うけれど、逆に言えばロンが知ってさえいればすべてを癒すことができるから。僕たちはまだ小学2年生だから、きっと将来、本当にどんなものでもすべて癒してしまうと思う。
そんな『tout guérir』は、ほんとは複雑で危険な魔法だけど、ロンが使うなら大丈夫。
だってロンはマリア様みたいに慈悲深くて優しい、僕の自慢の友達だから。
魔法があってもなくても、いいお医者さんになれるよ、絶対。
この度は、tout guérir -すべてを癒す魔法 -を最後までお読み下さりありがとうございました❁
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改めまして貴重なお時間を割いてお読み下さり、誠にありがとうございました(*^^*)




