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マッサージ?

真っ暗闇の義烏駅に降りる。

件の青年がバスが安いからと言って、

車掌に何か言っている。


2元(約30円)。席を譲ってくれたりベビーを

皆であやしたり、なごやかな乗り合いバスだ。

30分ほどして、


「あの三元里賓館がそうだよ」と下ろしてくれた。

信号のない道路。結構車がスピード出してる。

皆すいすいと渡っている。真っ暗なのに。


不屈の愛国の村三元里にちなんだ賓館、とはいっても、

かなり3流のビジネスホテルだ。1泊80元に値切って、

とにかく2泊することにした。


気が付けば昼も夜も何も食べてない。

もう夜9時だ。荷物を置いてすぐ外に出た。

中国人向けの安宿や羊肉屋が暗がりの中に何軒か見える。


羊肉屋に入って隣の人が食べてるのと同じのを頼んだ。

おいしそうな羊耳妙肉唐辛子がピリッと効いてて、

きくらげがいっぱいでとても美味しかった。


さあ部屋へ戻る、もうくたくただ。

部屋は古いがカードロックでセミダブル。水洗トイレシャワーつき。

11時、エアコンは点けたままテレビを消してさあ寝るぞ。


ところがいきなりドアがノックされた。何事だ?

念のためにドアチェーンをかけて少し開けた。


「マッサージ?」

「呼んでないよ。メイユ、メイユ」

扉を閉めると又激しく叩く。


ドアチェーン越しに見ると若い女二人だ。

「マッサージ?」

「メイユ」

と言うと、

「ユ!」といって無理矢理開けようとする。


あぶないあぶない。あの時とっさにドアチェーンをかけたが、

もしそうしてなければと思うとぞっとする。


12時。やっと還暦の夜は更けていった。

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