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第71話 かしまし!

「じゃあ、とりあえず……告るとこからだね」

「あのさぁ、話聞いてた? まずはこう……相手のことをよく知るとこからはじめようって言ったじゃん私」

「好きって伝えたいって言ってたけど。優芽が。自分で」

「……そうだっけ?」

「そうでしかないが。ねぇ涼、この子けっこうアレな感じ?」

「私個人の意見ですが、たぶん恋愛方面ポンコツじゃないかとそう思っています」

「涼はどっちの味方なの!?」

「おねえちゃん、うるさい」

「わわ、ごめんねー芽衣」

「あー、そう、そういえば、一応確認しときたいんだけど、涼の方は、優芽とライバルでは、ないんだよね?」

「ええ私の方は。目聡いですね?」

「三人で同じチャームとか、ドロドロ極まってんのかなってけっこう本気で様子見したからね」

「ほんと変なとこ気が付くなぁ小夜は。あれって、あの日一日だけだったのに」

「ふふ。芽衣ちゃんの可愛らしいお願いでしたからね」

「めいのぉ? めい、おねがいしてないよぉ?」

「んー。……ほらこれ、みんなでお鞄に付けましょうねーって約束、したでしょ?」

「おしばな! めいも、めいもおしばなとってくるます!」

「はいはい気を付けてねー。……ライバル、って、いるのかな……?」

「ポンコツだね」

「でしょう?」

「はぁ? なんでいきなりディスられるの? だって、気になるじゃん! いいじゃん気にしたって! 小夜だって『先輩』のこと好きな女子が他にいないかって気になんないの!?」

「気になるけど?」

「ほら!」

「そうじゃなくってさぁ……いないと思ってんの?」

「え……いるの?」

「……ま、これはわたしたちから言うことじゃないよね?」

「はい。なんなら小夜は彼女の方を応援してもよいのでは?」

「ううんやめとく。あの子には、悪いけど」

「ちょっとちょっとちょっとぉ! 二人で分かり合ってないで教えてよ! 琴樹……あいつ、うそ、実はモテるの?」

「急上昇株?」

「元々、積極性こそありませんでしたが、何事も平均以上にこなすので時折には名前を聞くこともありましたよ? クラスの女の子たちからなどは特に」

「なにそれ知らない」

「まぁその積極性のなさのおかげで、一時以上話題になることもありませんでしたけれど」

「そういうこと。だからこの先、というか最近は、ねぇ?」

「ええ」

「ど、どどど、どうしよう。涼、小夜、私どうしたらいい!?」

「告れば?」

「小夜。そのままでいれば、現状維持には問題ないと思いますよ、現状維持には。ポンコツも時には利になるものですねぇ」

「……なんか涼が黒い……さ、小夜ぁ」

「わたしに泣きつかないでよ」

「ただいまっ! おしばな、これ!」

「おかえり芽衣ちゃん。へぇ、ピンクかぁ。かわいいね」

「えへへぇ。あのねあのね、これ、みんなでごいっしょに、えと、こうやって……こうやって、えじん? でね? こうやったんだよ」

「うんうん。……琴樹と芽衣ちゃんがピンクで、優芽と涼が青。なんか意味があるの?」

「色には、それほど大きな意味はないみたいです」

「色には?」

「えっと、これ、一番はそのぉ……私と琴樹が、ずっと一緒にいられますようにっていう、そういうおまじないで」

「おらっ」

「いたっ!? 抓んないでよ!」

「あー! おねえちゃんいじめちゃ、めー!」

「ごめんなさい許して芽衣ちゃん」

「ゆるすー。あやまったらゆぅしていいでしょー?」

「そうだね。……まぁ、うん、小夜が怒るのもわかんなくもないし」

「そこまで……あーでも、そっか、そこまであっても……向こうの気持ちが、わかんないのか」

「そう! それ! ほら私、悪くない!」

「開き直るな。涼から見た感じは? このポンのコツより、涼の方がそこんとこ見えてそうだけど」

「ポンのコツ……この……」

「……わかりません」

「……なるほどね」

「うぅ、涼にもわかんないって。や、やっぱり、私、あんまり……女子としては、意識されてない、のかな?」

「落ち込まない落ち込まない。なんとなく、わかったからさ。たぶん……うん、たぶん、大丈夫だよ」

「なにか……考えがあるのですか?」

「そ」

「…………いや教えてよっ! 「そ」じゃなくって、その先! 先をプリーズ!」

「あはは。ごめんごめん。これはまだ確証はないから、今はまだ、言えないかな。ねぇ優芽、ちょっとだけ琴樹……幕張君のこと貸してよ」

「やだっ」

「おっけ。明日の放課後、借りてくね」

「涼、こいつやなやつなんだけどっ」

「私に泣きつかないでください」

「うわぁん。芽衣ぃ、なぐさめてぇ」

「? おねえちゃん、よしよしー」

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