第 話 事象の意味付け
“全身の肉を、少しずつ削ぎ落されるような、緩慢な死の怖気”
“内側から忍び寄る、窒息する心臓の拍動“
“息ができず、聞こえず見えず“
“代わりに、真っ暗が見える“
“代わりに、ぬるくなって熱が消える拍動聞こえる“
“しかし代わらず、息苦しい“
“いつまでも、生き苦しい“
“ずっと、いきぐるしい“
“生きる無為“
“死ぬ無為“
“その無意味“
“自己が解け、削ぎ落されていく“
“削ぎ落された自己が拡散していく“
“手があったような気のする場所に、あたたかさを感じた”
“浮き上がって、あたたかさに厚みが増す”
“あたたかさに重みが増した”
“知っている感触が、もうひとつの手に”
“きれいな琥珀色の髪が心の中に浮かぶ”
“そのあたたかさを思い出せた”
“まるで止まっているかのようだった、その心臓”
“顔があった気がする場所に、あたたかさが移った”
“背中があった気がする場所で、細い指がそこをなぞっている”
“起きて”
“見えなければ、見える気がするだけでいい”
“聞こえなければ、聞こえる気がするだけでいい”
“いきぐるしければ、息を止めた気がするだけでいい”
"暗い心の中、息を吸うつもりになった"
"軽くなった暗さの中、音を口ずさんだ"
"騒がしくなった暗さの中、瞳を開いた"




