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くっっっっそ絶対超重要(読まないと本作の読み方に迷いを覚える)


 この物語は、実際にそこにいた透明な第三者目線で書かれたものです!あと彼らは、わかりづらくも的確にたとえると、FBI捜査官並みに心を読みます。わかりやすく不正確にたとえると、メンタリストのように心を読みます。


 それを踏まえていないと、人物や状況の視点移動が起きた時混乱します!


 また、基本的に彼らは、人物や、行動の後にその人物の台詞を記述します!場合によっては、台詞のあとにその人物や、行動を記述します!


(心が強い人用、と銘打っている通り、意図された設計のもとで、不快、困惑、を抱くように作られています。あなた様の状況、状態によって左右されることがあるでしょう)


 例


 








 部屋。薄暗い明かりの中、2つの瞳がきらめく。赤い色の、淡い瞳、暗い色の、青い瞳。



 電気の白い光を浴びる少年は、ティッシュで鼻水を噛む。離すと、つーっと糸を引いた。幾度いくどもティッシュでこすられた鼻下は、湿って赤く腫れている。少年は、自らの頭の影で暗く見える、濡れたティッシュをじっとみつめた後、その汁をすする。

「うま……けっこうイケる」


 少年はティッシュから口を離し、唇の端に落ちてきた涙をなめた。


 汁をすする音と、鼻をすする音が、冷たい部屋で静かに聞こえる。

 玄関で鍵が、がちゃりと鳴った。

 扉が開き、寒い風を追い出すようにそれが閉じられる。

 そこにいたのは厚化粧の女。

 赤い色の、淡い瞳、暗い色の、青い瞳。

 再び鍵ががちゃりと鳴り、廊下から足音が近づく。

「あんた何してんの!」

 目の下にくまがある女は、少年からティッシュを乱暴に取り上げる。

「やめなさいよばかみっともない」

 崩れるように膝を曲げた女は、少年を抱きしめた。女の肩へと、顎をのせる少年。そのかさついた唇を、水のような鼻水が濡らす。

「濡らして塩かけた。思ったよりイケるんだよこれ」

 女の目頭からぬくもりのある涙が鼻の横を伝い、落ちる頃には刺すような冷たさになる。

「ごめんね……ごめんねあたしがばかなせいで」

 少年はのせていた顎を少し離した。

 

 その時少年の充血した瞳に、お金のきらめきのように写ったもの。

 

 女の耳、きらりと、赤い小さな宝石の耳飾り。ガーネット色。

 

 少年の目はどす黒くなった。その時強く鼻をすすって、そっと上を向く。


 天井に茶色いしみがあった。少年の瞳に鏡のように反射するのは、小さく割れた板チョコレート。

 

 まばたきをこらえる目、その目尻には、大粒の涙がたまっている。



 部屋の冷たさに、少年は鳥肌が立った。







 









 ただし例外として、場が混乱していたり、複数人の存在、騒音などで声が識別できない場合、台詞の後に人物が描写されるか、もしくは誰の声かわからないままになります!







 例2












 大きな部屋。LEDの明るい暖色の光を浴びる少年は、床で座りながら鼻水で濡れたティッシュをすする。

「おいちい」

 その時、少年と並ぶほど大きな犬の、吠える声が響く。その犬は玄関へと走り、首輪の鈴を鳴らした。

 玄関から、鍵と扉の開く音がする。

「しーずーかーに」

 寒い風を追い出すように閉まる音。そして、廊下から、重なる複数の足音が近づく。

「ただいまーはぁーさむかったあったけー」

「あんた何してんの!」

 はじめに鼻が詰まった男の声。その後に甲高い女の声が、少年の耳を刺す。

 目尻を吊り上げている女は、少年からティッシュを乱暴に取り上げた。

「やめなさいよばかみっともない」

 ロングコートを着ているその女は口を尖らせて、近くのごみ箱へ放り投げた。

 大きな犬に飛びかかられた男、鼻をすする。手に持った大きな買い物袋を下ろした。体をのけぞらせながらその背中をわしゃわしゃと撫で、落ち着かせる。男は脱いだロングコートをソファにかけ、仕立ての良い薄青色のビジネスジャケットを脱いでそれに重ねる。ネクタイを緩めた。落ち着いた犬は少年の後ろに移動すると、体で囲むように横たわった。

「きったねー」

 女は、男の二の腕に頭をもたれかけさせ、にっと微笑む。

「誰に似たんだかね〜?」

 鼻すする男は、女の肩をそっと抱き寄せる。

「誰だろうな〜?てかかあさーん!?どこー?」

 トイレの扉、向こうから水の流れる音がした。

 開いた扉、白髪の目立つ女が現れる。

 赤い色の、淡い瞳、暗い色の、青い瞳。

 小さく赤い宝石の耳飾りが、耳できらめいた。色褪せ、赤珊瑚あかさんご色へと変じている。


 鼻すする男は耳飾りへと目線を送り、首を傾げた。

 その男の視線。

 赤い色の、淡い瞳、暗い色の、青い瞳。


 白髪の女は男へと、呼びかけに対する返事をする。


「はいはい」


 鼻すする男はその耳を指した。


「あれ?なんか色変わった?」


 男は赤く乾いた鼻下を触りながら、白髪の女を横目で見る。


「さあね。時間も経てば色くらい変わるんじゃない?知らんけどさ」


「ふーん。てかちゃんと見ててよもぉー目ぇ離すからティッシュ食べてるじゃーん」


 白髪の女はにやりと口端を吊り上げる。


「あっら。誰のばかがうつったのかしらね。あんたに似てきたじゃない」


 鼻すする男は、ぼりぼりと後頭部を掻いた。白い長袖のシャツから時計が顔をのぞかせる。その銀色、お金のようなきらめき。


「もーその話やめてー」


 男は口を両手で押さえてくしゃみをした。鼻をすする。

 足元のティッシュ箱から一枚、少年はそれを取って立ち上がると、男へ、腕を高くして片手で差し出す。


「あげるぱぱ」


 ティッシュの味を思い出すかのように、男は唇の端をなめ、それを受け取った。鼻をかむと、乾いた鼻下がひりひりと痛む。置いた買い物袋から板チョコレートを取り出し、少年へ、札束のように扇いだ。


 濡れたティッシュを拳で包むように隠す。


「おいしくないからやめろよ。ご飯までがまんして」


 男にもたれかかっていた女は、その二の腕を突き放し、板チョコレートを取り上げる。

 ふじ色の、あでやかな瞳、麦色の、派手やかな瞳。


 男は強く鼻をすすった。


「食事前にお菓子あげんなって言ったよね?」


「はいはい俺が悪かったですねー」


 どす黒くなった、男の目。ただちにぎゅっと、強くまぶたが閉じられる。固くなった目の笑み。強く鼻をすする。


 ゆっくり開けられた時、その目は、やわらかい色をしていた。


「我慢しろってさ。ごめんな」


「いらない。ちょこきらい」

 ふぎ色の、白眼はくがんの瞳、麦色の、派手やかな瞳。


 暖房の風が顔に当たった。ひりついた痛み増したように、乾いた鼻下の赤みが増す。鼻を強くすすった。


 苦い笑みを浮かべる男。乾いた鼻下に垂れかけた鼻水をすすり、少年の頭をやさしく撫でる。


 部屋の冷たさに、男は鳥肌が立った。



 


 

 



 








 次に、物事の抽象化と具体化の行き来が大事です。抽象化とは、アリが死ぬという具体を見て、生物は死ぬ、と理解することです。具体化とは、生物は死ぬという抽象から、アリは死ぬ、と理解することです。またそれを応用して、アリは死ぬ、という現象から、魚も死ぬ、と導く並列化も重要です。


 そしていくら強調してもし過ぎることのない重要なことがあります。それは他者理解に努めることです。主観的ではいけません。その人と同じ目線、考えを再現することに挑んでください。

 それがどういうことなのか、ある言葉を引用して明示します。


 "私は人間の行動を、笑ったり、悲嘆したり、憎んだりせず、理解しようと努めている"

 スピノザ『国家論』(1676年)


 次に、あなたが抱く疑問は、私はすでに自問自答を終えて答えを出しています。つまりあなたの疑問はすべて物語にあります。


 "物語には全て意味を与えなければならない"


 この理論も重要です。描写にはすべて意味があります。地理的な説明は、その国の民族の考えを形づくり、風や雲、太陽がわざわざ描写され、その描写に人物が影響されるのはそれそのものが意味を待っているからです。



 わからなくたってもよいのです。

 しかしなぜわからなかったのか、それは最も重要です。




 他にも細かい点はありますが、重要なのはこれだけです。


 あなたが違和感を覚えることは、誤字でもない限り意図されたものです。物語で起こっていることとその違和感を重ねてください。あなたの人生経験を重ねてください。


 作品に対して疲れを感じた時、それはあなたの脳の前頭葉、特に前頭皮質がめっちゃ頑張っています。他者視点を得ようとしているあなたの努力が、そうした感覚を引き起こすのです。ストレスが苛立ちや攻撃性に変わった時、それは扁桃体が反応しています。


 この状態は、全ての物語を通して拙作が向き合おうとしているテーマのごく一部です。拒否も不快も愉快も、全て織り込み済みで、読まない選択すら、この作品が挑もうとしていることです。


 この物語は、あなたの人生経験を問います。


 それとは別に、頭空っぽで読んでも全く問題ないです!表層的な物語としても作っています!

 ではでは!楽しんでいってください!


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