酔い酔い 1
都書こうとしたけど先にVの方です。
酔い酔い
酔い。
自分に酔う、歌声に酔いしれる。
──酒に酔う。
鬼狐が人を投げる。
人の身体が宙を舞う。
犬と狐はそれをポカンとした表情で見る。
すごい速さで葉波が障子を突き抜け奥の部屋に吹っ飛び爆音が家中に鳴り響く。
「お…おとーさァァァ!?!?」
いち早く正気に戻ったのは柊青だった。
その声につられて翔もハッとする。
「ちょ、ママ!?人間!He is human!投げ飛ばしたら死んじゃ…」
翔がたけのこを宥めようとした瞬間に気付いた。
あぁ、これは止められない。と
彼女の片手には酒の瓶が握られていた。
「わらしの…わらひの酒が飲めないってかぁぁ!」
「一人称が変わるほど酔ってやがる…!」
彼女が持つ瓶を翔はじっと眺める。
そこに書かれていたのは
「SPIRYTUS…スピリタス…」
日本の鬼殺しでアルコール度数が15%。
スピリタス。アルコール度数96%の化け物酒。
普通の人が飲むと喉が焼き切れるよう感覚に襲われて悶えるどころじゃない痛みを伴う…。
倍以上のアルコール度数を誇るスピリタスをそのまま飲み干さんとしているたけのこ。
…鬼殺しの度数で鬼を殺せるんじゃないのか…?どうなってんだ鬼殺し!
何かで割らずにそのまま飲んでいるため彼女には96%の威力を直に受けていて立っている。さすが人外。
──と言うか何故そんなものがこの家に?
そう思った矢先に思い出す。
確か昨日の昼下がり…何か…
…。
『こんばんは、たけのこさん。偶然近くに立ち寄ったもので、少しお土産を持った来ました』
と、『ゆめし』がビニール袋を手渡す。
『どこのじゃ?』
『ポーランド』
『ぽっ!?』
「アレかぁぁぁぁぁぁ!?」
柊青が声を荒げる。
翔も気付いたようで頭を抱えている。
急いでたけのこの横をすり抜け、彼が持ってきた袋の中の箱を見る。
紙が…入っていた。
『そのまま飲んでも美味しいですよ☆』
という紙が…。
「…」
「……」
その時、2人は顔を見合わせた。
──ゆめしを吹っ飛ばす。
と言う決意を固めて。