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マッチとポンプで異世界神様業  作者: ゆうと
序:この世界のあらまし
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番外編(紹介SS):日常風景

マッチとポンプで異世界神様業の概要紹介っぽいSSです。

 

「じゃあ神権……世界○見得(みえ)、発動! ロココさんよろしく!」

「承知しました」

「ありがと!」

 神権発動と同時に、ドーム状の執務室……その空中に半透明の球体が浮かぶ。感覚的には、宇宙空間に立って、外から星全体の様子を眺める感じがして。毎回、この神権を使うと、自分が神様になったって実感するんだよね。

 といっても、神様になったのは最近。

 地球で最期を迎えて、気が付けば別の宇宙に……。先輩女神の美人圧(プレッシャー)によりトントンと強引に話は進み……とある星に住むヒュム族の守護神ってお仕事を引き継ぐことになったんだ。

 だからぶっちゃけ……よくわかってない。

「カイト様?」

「えっと……次は―――」

 なにするんだっけ?

「―――いつものコースでよろしいでしょうか?」

「うん! いつもので!」

 さっすがロココさん! 頼りになる!

 オレが恥をかかないようにしてくれたんだよね?

 わかってる風で返事できるような問いかけ型提案をしてくれたんだよね?

 万事が万事、こんな感じで超有能なロココさん。

 見た感じはオオアルマジロなんだよね。でも……イケメン。あとイケボ! なんでもロココさん、守護神をサポートする存在―――神器っていうらしいんだけどさ。う~ん……地球のイメージ的には、執事さん兼秘書かなぁ。

 衣食住に関することは、だいたいロココさんがサササっとオレのお願いを叶えてくれちゃう。牛丼が食べたいとか、和歌山県産の完熟ミカンが食べたいとか……なんでもドンと来い状態なんだよね。

 もちろん、さっきみたいに神様業のサポートもしてくれる。


「カイト? 僕のおやつはどれだい?」

 出た。残念女神……。

 自称、太陽と宵闇を統べる偉大なる居候(いそうろう)女神アマテラ。

「はいはい。そこにあるよ」 

 部屋に入ってくるなり、おやつ確認とは……。幼稚園児か……。

 いや、幼稚園児の方が礼儀正しいよね。朝の挨拶、ちゃんとできるだろうし。


「ん? ヒュム達に今日もトラブル発生の予感がするよ」

「ちょっ、待て!」

 余計なこと預言すんな!

「そうだねぇ。今日は……っんぐ⁉」

 居候残念女神のお口に、ホカホカのチョコまんを投げ込む。

 いやこれ、嫌がらせじゃないんだよ?

 イジメでもないんだよ? 

 フラグを平和的にへし折ってるだけ!

 ふむ。

 居候女神の瞳がクワっとなった……。モグモグに全神経を傾けて始めたっぽい。

「ふぅ~」

 どうやら今日も世界の平和は保たれた。

 このアマテラ、ヒュム族の土地神であるんだよね。いろいろあって忘れ去られていたものの、最近、また力を取り戻したんだ。

 そしてオレの社に居座っている。

 ………まぁ、美人ではある。

 でも、とんでもなく大物なんだよなぁ。

 本人曰く、超強力な神権を持ってるらしいんだけど。オレ的にやっかいなのが、無意識のフラグ乱立。

 アマテラが立てた名のフラグ。これ、どうやら現実になるっぽいんだよね……。単に思い付きで話してるだけっぽいんだけど……

 で、不幸にもフラグの回収役は、だいたいオレやヒュム族にまわってくる。本人曰く「偉大なる女神様の力に感謝するがいいさ!」とのこと。

 ふむ。

 もちろん、納得はいかない。

「ヒュム族の集落、拡大表示を行いました」

「ありがと!」

「あの家族をご覧になりますか?」

「よろしく!」

「承知しました」 

 さてさて、今日はどんな神様業が待っていることやら……。

 でもまぁ、だいたい何があっても大丈夫。

 この頼りになるロココさんと、なんだかんだで大物のアマテラも助けてくれる。あと、時々だけど、先輩女神―――オレの前任者も力になってくれるから。

「カイトもだいぶ、神様っぽくなってきたじゃないか!」

「それはど~も」 

「さすが僕が見込んだ神だね!」

「そうですね……」

 なぜ上から目線なのか。居候のくせに……。

 でもまぁ、アマテラの言うことも一理ある。そこそこ、だけども。本当にそこそこ、だけれども。神様っぽくなってきた気がしないでもないこともない……。

 全然、まだまだ未熟だけど。

 ちょびっとは神様のお仕事がわかってきたから。

 ほんとうに、ちょびっとだけど。先代守護神から、ろくな引き継ぎもなく、強引に、トントントンっと話を進められたあの頃から比べれば……。







ありがとうございました!

よろしければ次頁から始まる本編も、お楽しみください!

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