「髪の毛」「死神さん」
「髪の毛」
私の髪の毛に、
何度も色を重ねてぱさぱさになってしまった髪の毛に黒い粒が列を生す
甘いものなどなにもないのに
じめじめとしつどとおんどにちょうしをくるわせられてるああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああたまがいたい
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「死神さん」
死神さんは私の言葉に反応しない。私の言葉が意味の無い物だと知っているからか、言葉に興味がないのが、たはまた言葉が通じないのかー・・・、今日も死神さんの鋭利な刃に怯える毎日を過ごしている私に、そもそも死神は自分自身の、罪悪感から生る黒い影では無いのかと友人は私に解く。怖い物等何も無いのだと説く、お前は生きていていいのだと解く。自分を愛せと説く。では、この無くなった手足をどうしたらいいのだ。どう、この、醜い躯を愛せと言うのだ。お座成に残された片手でさえも罪という字で真っ黒に塗り潰されて、使い物に成らない。矢張り死神などと共存しようという事が無謀だったのだ。私の命を穫りに来ているのに、そういう事を微塵にも考えるほうが可笑しいのだ。隣で喋り続ける友人に触れる事も許しがたいこの片手はいつ切り落として呉れるのだろうか。死神さん死神さん、こんな世界に終わりを、と言っても、死神は無言のまま私に寄り添う。