プロローグ あらすじを読めば見なくても大丈夫
うちの両親はおかしいと思う。
そう完全に理解したのは、高校2年、17歳の時だ。
高校に入った時、もう既に両親とは何ヵ月も合っていなかった。
母の名前は、森 フィーネ。
多分どこかの国のハーフだったのだろう。
俺はなんとも思わなかったが、近所のおば様方は、
「美人な方ね~特にあの金髪、ブロンド?って言うのかしら」
なんて言っていた。
ちなみにどこの国のハーフなんだ?と聞くと、いつもはぐらかされた。
息子にどこの国の出身かも言えないなんておかしくね?
ちなみに俺の髪は黒色だ。
母親が金髪だと子も金髪になるとおもうだろう?
だが違う!
何故かって?
恐らく、俺の父親が原因だ。
父の名前は、森 真一。
親父は、見るからに九州男児って人だった。西郷どん的な?
小さい頃は気にしてなかったけど車の運転が下手で、どぶそとかにタイヤがはまることは数回では収まらない。
だが親父はそんなこと気にせず、片手で車を持ち上げた。
今思うと本当におかしい両親だったと思う。
そんな二人の子供。森 亮太は思い出す。両親との最後の記憶を
約二年前……………………
それは、リビングでの出来事だった。
「亮太…聞いてくれ」
「なっ何?」
夕食の途中に親父が真剣な眼差しで見つめてきた。
今まで感じたことのない圧力に押され瞬発的に声が出る。
「実はな……俺とママが…その出張的な?ものに行くことになってな」
へ?なんだ出張か。
「え…勝手にすればいいじゃん」
「それが…一年以上かかるかもしれない。」
んっ?ちょっとながくないかな。海外か?
「え?二人とも一年間かそれ以上家にいないってこと?」
「そうだ」
「海外とかに行くの?」
「まあ、そんなもんだ」
両親が居なくなった位で寂しがるのもカッコ悪い気がする。
ここは冷静に
「でっでも、高校の入学金とか、生活費とかはどうすればいいんだよ?」
「これで何とかしてくれ」
俺の目の前に一つの通帳が出された。
恐る恐る手を伸ばし通帳開く。
横並びのゼロを丁寧に数えて行く。
「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん、ひゃくまん、せんまん、いちおくっっっ!!!!??」
えっ??なんだこのおびただしいゼロの数は。
「親父……どういうことだ?何でこんなに…………」
そういえば俺は親父が何の仕事をしているのかもも知らなかった。
家にいることが多かったが、たまに何日か家にいないこともあった。
それは、母さんも同じだった。
あんな働いてるかどうかも分からないような人にこんな大金をかせげるんだろうか?
色々な疑問が浮かんで頭がパンクしそうだ。
「親父はいったい……」
もう何が何だか分からなくなって、とにかく考えるのを辞めた。
今も親父と母さんはなにか言ってるけど全く耳に入ってこない………………
それが両親との最後の記憶。
朝起きると、既に二人とも居なくなっていた。
リビングの机には通帳と一枚の手紙そして、小さい宝箱がおいてあった。
俺は手紙を手に取りそして黙読した。
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亮太へ
私とパパは、遠い国に行きます。
亮太も連れていきたかったけど、それは出来ませんでした。
それはとても危険だからです。
今は、何を言っているのか理解出来ないないと思います。
でも、いずれ分かる時が来ると思います。
私たちが、帰ってきたら全て話します。
あなたが疑問に思っていることを。
もし、私たちが一年以上帰って来なかったら、机のうえのはこをあけなさい。
そうすれば全て分かるでしょう。
しかしそれには危険が伴います。
覚悟して開けてください。
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◇ ◇ ◇
そして現在、俺は高校二年生となった。
高校生活は、まあまあ楽しい。
少しばかりではあるが友達もいるし、自分で言うのもあれだけど顔もよい方だと思う。
だからたまに告られるから彼女もいた。
でも大抵すぐに別れてしまう。
それも多分、俺が原因だ。
うん。
だからまだDTだ。
安心してくれ。
俺の性格はひねくれていたんだと思うし、怠けてもいたんだと思う。
お金はあるから、バイトはしないし部活もしていない。
退屈な日々を過ごす中でふとおもいだす。
「ああ……親父と母さんが出ていってからもう二年か」
おもむろにベッドから起きあがり机の引き出しを開ける。
そこにあるのは二年前、母さんから貰った宝箱だ。
危険が伴います。とか書いてあったけど……
「まあいいか」
俺は宝箱に手をかける。
そして宝箱を開けた。
その瞬間白い光が部屋全体を包みこんだ。
眩しい光をどうにかこらえ目を開ける。
「!!!」
何も喋れない。
しかし、目の前にには二年前にいなくなった父さんと母さんが立っていたのだ