ゆげひのつかさ 活躍譚4
さて 電車とバスを乗り継ぎ
依頼先までやってきました。
なんでやろ・・・どこかに伝手でもあるのかな?
「まっ ええか!!」
このオトコ かなり楽観的である。さっそく気分を入れ替えた
恭輔は、徒歩で最寄りの駅まで向かった。
電車を乗り継ぎ バスに乗り換え そこは、古くからの高級住宅街
その中でも古びた門構えではあるが この家が長きにわたり
君臨しているのがよくわかる豪勢さ
その豪勢な一軒家が、今回の依頼先 すぐに門の前に立ち
その前にある 呼び鈴を鳴らすのかと思ったら
何やら 口を、もごもごとさせながら ジャケットの内ポケットから
弓の弦を 取り出した。
そして その弦を 片方は口に そのまた片方は左手の人差し指に
巻きつけ 弦に張りを付けた。
そして 恭輔は、おもむろにその弦を鳴らす。
びぃ~~ん ビィ~~ン 何度かを鳴らし終わると
その波動にそって 波のカーテンが伸びていき
そこには、 この豪邸を包み込むような幕というか
薄い靄のようなものに覆われてしまった。
これこそが、かって禁裏を守護してきたものの異才
あらゆるものを 禁裏から守るために 鳴らされる破魔の響き
あたりの空気のよどみを たちまちのうちに消し去り
そのうえで まだ見ぬものへの宣戦布告
想いをとりにがしはしないという確固たる自信と威圧を植え付けた
「よし!! つかみは、オーケーとっ!!」
そこで初めて 恭輔は、チャイムを鳴らす。
「ピンポ~ン!!」
しばらくすると中から 「はい?! どちら様でしょうか?」
という 少ししわがれた上品な男の声が聞こえた。
「ご依頼を承りました 瀬織というものですが・・・。」
少々お持ちくださいという言葉とともに
すぐさま その華麗で荘厳な門が開かれた。
そこから歩くこと数分
やっと邸宅の玄関先にまでやってきた。
そこには、その家の使用人と思われる老人が一人 その顔には
憔悴しているのがはっきりわかる。
それでもなお 恭輔に隙のない挨拶をする。
「ようこそ お越しくださりました。 私は、当家の執事
坂東と申します。 瀬織様の到着を 主がお持ちしております。
こちらへどうぞ ご案内いたします。」
そして 恭輔は、その宅の中に通された。
さて 戻れぬところまでやってきました。
あとは ただ前に進むだけです。