ゆげひのつかさ 活躍譚3
いつも 彼は朝起きると 一階の喫茶店に行って
モーニングを食べます。
高校生の孫娘とその祖母とのやり取り 日常のいつもの風景です。
やっとこさ 外出する用意を整えた恭輔は、事務所のある屋上から
ぐずぐずな態度で階段を下っていく
階段が途切れ 一階にたどり着き いつものように
いつものドアを開ける。
そして さも当たり前のように いつもの席に座る。
そこは、このビルの一階にある喫茶店 ここが彼の定位置である。
「ともちゃん いつもの。」
いやいやオーラを発せつつ 肩肘をテーブルにつき
誰に言っているのではないグズグズを言いつつ ため息をついている。
「あーなんで こんなことせなあかんねやろ。。。」
その時 目の前に 湯気の立った珈琲が すーっと出てきた。
「いい加減あきらめなよ!! 仕事なんだから。」
「ほら、ネクタイが曲がってる!! 靴はちゃんと磨いた?!
相手の住所は、確認済み?! 」矢継ぎ早にチェックが入る。
「朝から そんなにポンポン言うなよ 昨日遅かったんだから」
「それに もう少しお淑やかにならないと嫁の貰い手がないぞ」
「てか、少し静かに過ごさせてくれ 唯一の癒しなんだから・・。」
「はっ?! きょうさんに言われたくないわよ ふん!!」
彼女は、ここの看板娘 高校に在学している。
今は、 通学の前に お店を手伝っている。名前を ”乙葉 ”
彼女は ぶつぶつといいながら お店の奥に入っていった。
なんだかんだ言いながら 恭輔との朝の一こまを待ちわびている。
彼女が奥に引っ込むのと同時に 初老の品の良い女性が
お店のカウンターの中に現れた。
「あらあら、 朝から騒がしいわね」
「かずさん おはようございます。いつもすいません」
「あら?! いいのよ 今日はお仕事? 頑張っていってらっしゃい。」
「はい!! で・・・あの・・・今月分なんですけど・・・。
少し 待ってもらえますか?! 近日中にはお支払できると
思うんで。」
「あら、いいのよ いつでも あなたがここに居てくれるだけで
あの方から預けられた大切な方ですもの。
でもね・・・他のお店には、払っといたほうがいいわよ
面倒にならない間にね・・・・。」
恭輔は、その言葉を聞きながら 背中に冷たい汗を一筋ながした。
うわっ・・・バレてる・・・。うん まずい とってもまずい・・・。
きょどりながらも なんとかモーニングを食べ
せわしなく 表に出ていく恭輔であった。
さて さて やっと外に出ます
どんだけ 出不精!!めんどくさがり!!