表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

オカン「言わない事が優しさじゃない」

数日前の本当にあった話


僕はオカンと近所にあるうどん屋さんに来た

オカンと二人で外食するなんて何年ぶりだろう。


親とは言え、一応女性。しかし、当然ドキドキする訳でもない。


「うどん食ってサッと帰ろう」


僕はメニューを見る事なく『ざるうどん』を注文した


オカンはニコニコしながら喋ってくる。

別に嫌いな訳じゃないが、少し恥ずかしい。


良い年した男と、定年してるオバサン。

僕だって出来れば若い女の子と外食したい……。


それはそうと、この店の店員さんは若い女の子ばかりだ。きっとまだ十代だろう。


(こんな可愛い子達と二人で食事したい)

はぁ……


目の前にはオバサン。


はぁ……


整ってない眉毛。中途半端な髪型。まあ色々と。

家出る前に鏡ぐらい見とけよオカン!



そんな事を考えてる間に、ざるうどんが来た。

美味くもなく不味くもない、まあ平凡な味だ。


ところが、僕は見付けてしまった……


(髪の毛だ!長い髪の毛が入ってる!!)


一本でもわかる程の茶色い髪の毛。

短髪で黒髪の僕の髪の毛じゃない。きっと女性の員さんの髪の毛


正直、全く嫌じゃない!むしろありがとう!!


うどんと一緒に食べちゃいたいぐらい


だけど、流石にそんな事をする程、落ちぶれてるなんて思いたくない。


仕方ないから、端に寄せとこう。

……ふと、視線を感じた。オカンだ。


「あんた、それ言わんの?」


ニコニコして喋ってたはずのオカンは、少し怒った表情で言った


「いや、別に髪の毛一本ぐらいだし……いちいち言わんくても良いかな」


僕は基本的に、店に文句やクレームは言わない。ましてや髪の毛たった一本。

しかも若い女の子の髪の毛。(推定19歳)


しかしオカンは更に怒った口調で言った


「あんたなー、そうゆうのは言わないとわからないんだよ。今回はあんたのうどんに入ってたから良いか知らんけど、客によっては凄く言う人もおるし、下手したら営業停止なんて事になるかも知れないんだよ!」


「ミスは教えてあげなきゃ!あんたが今言わなきゃミスに気付かずに、また同じ事するよ?」


「言わない事が優しさじゃないんだよ!!」


僕は久しぶりにオカンに怒られた。

いつもニコニコしてるオカン。少し天然なオカン。

でも、間違った事は言わないオカン。


"言わない事が優しさじゃない"


僕は言う事にした。

オカンの言う通り、確かに言わなきゃまた違うお客さんのうどんにも入ってしまうかも知れない


「すみませーん。これ、髪の毛入ってました」


「たいへん申し訳ございません。すぐに新しいものと交換します」


「いえいえ、そんなんは結構ですので」


そんなやり取りがありましたが、結局何もなく

『髪の毛入ってました』とだけ伝える形になった


「やれば出来るじゃん」とオカン。


またニコニコしながら残りのうどんを食べてるオカン。


『言わない事が優しさじゃない』と教えてくれたオカン


僕は、実はうどん屋さんに来てからすぐに気付いてた事がある!!

心の中にしまっておこうと思っていた事!!


でも、今さっきオカンに教わった『言わない事が優しさじゃない』


僕は言う事にした。


「オカン……最初からずっと右の鼻毛、収穫の時期過ぎてるよ」


オカンは悲しそうな目で呟いた


「やれば…出来るじゃん」


色々と為になった1日になりました





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったです。実話というところがまた。 しかし一つ残念なところが。↓ [気になる点] 先に小説情報ページを見たので、キーワードでオチがわかってしまいます。 [一言] タイトルに惹か…
2014/11/30 20:28 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ