【サイドストーリー】ささやかな抵抗の代償(ナジャイ視点)
【ザク・ザク・ザク・ザク】
「治癒×4」
【ザク・ザク・ザク・ザク】
【ザク・ザク・ザク・ザク】
「治癒×8」
【ザク・ザク・ザク・ザク】
【ザク・ザク・ザク・ザク】
【ザク・ザク・ザク・ザク】
「治癒×12」
「もう……辞めろ……辞めて……辞て下さい……」
カリーナ帝国の第1皇女でカリーナ帝国軍の総大将のムシェンサン様が、涙をお流しになられながら懇願する。
そりゃ……そうなるだろうな。
マナを封じる、無能石と言う魔法石を身体に埋め込まれたムシェンサン様は……
無能石の効果が切れるまでの間は、魔法や魔術。呪術も魔道具も使えない、只のか弱い女性だ。
そんな、か弱い女性に成り下がったムシェンサン様に対して、サイスさんは……
剣をムシェンサン様の身体に刺しては、引き抜き、回復魔法をかける。と言う鬼の所業を淡々と繰り返すのだから……
まぁ……サイスさんの気持ちも分かる。
彼女が、ムシェンサン様だとバレた時点で……俺達の未来も無いからな。
なのに、彼女は……俺達の指示を守らずに、余計な事を言ったり、しようとしたりするのだから……
◇◇◇
「そうですか。
では……貴女様を保護する仕事を辞めさせて頂きます。
貴女様の身体に仕込んだ無能石の効果は、明日の夕方には切れる筈です。
この宿は……明後日まで取ってます。ですから……力を蓄えてから、この宿を出る事を、お勧めします。」
サイスさんが、ニヤリと笑いながら、ムシェンサン様を見る。
「良かったですね。ムシェンサン様。
貴女様は、若くはないですが……綺麗な容姿をされておられます。
ですから……先程、貴女様が止めようとされた、カブズルの孫息子や孫娘のように……
荒ぶる民達によって、公衆の面前で、辱しめを与えて貰えますわよ。
でっ。反抗すれば……手足ぐらいは切り落とされるでしょうね。
なんてったって、カリーナ帝国の暫定政府の方々は……
この国の威信を地に落とさせた方々や、そのご家族様に対して、
殺害する事以外は、何をしても良い。って言う御触れを出されているのですから。
しかも、貴女様は……
世間的には、罪を償う事を拒否して脱走した事になっておられる。
そんな貴女様を見つけた荒ぶる民達が……貴女様に何をするのか?
脳ミソまで筋肉のような貴女様でも……流石に分かるでしょう?
そんでもって、荒ぶる民達に反撃をして、傷つけでもしようものなら……
貴女様の罪が加速度的に増える事も、当然、理解されておられるでしょ?」
俺の姉のスパコが、ニヤニヤしながら、ムシェンサン様に語りかける。
「今後は……貴方達から指示された言動しか取りません。
ですから……どうか……見捨てないで下さい。」
ムシェンサン様が、ガタガタと震えられながら、俺達に頭を下げられる。
◇◇◇
「無理です。
たった今、その為に行っていた教育を……貴女様は拒まれたじゃないですか。」
「サイスの言う通りでございます。
いくら、我々が、2つの世界で夜逃げのプロをさせて頂いているとはいえ……出来る事と出来ない事がありますわ。」
サイスと姉貴が、ニヤニヤと笑いながら、ムシェンサン様を精神的に追い詰めていく。
「まぁ……我々と安全な場所に逃げる為に、奴隷契約でも結んで頂けるのであれば、考え直しますがね……
流石に……貴女様からの強い申し出。てか……ご命令を下される事はないですよね?
だから……無理なのです。
頭が弱く、直情的な貴女様を御するのには……
貴女様を我々の奴隷にするしかありません。
ですが、その……
無駄に血筋が良い為、我々からの申し出ですと……我々が不敬罪で罪に問われる事になってしまうのです。」
「依頼料につきまして……返した方がややこしくなると思いますので……このまま、貰っておきますね。
では……ごきげんよう。」
サイスと姉貴が、ニヤニヤと笑いながら、ムシェンサン様を精神的を、更に追い詰めていく。
「私を……貴方達の奴隷にして下さい。」
「主従契約については……奴隷から主人に対しても出来ます。
ですから……貴女様から、ここに居る、ナジャイ君を貴女様の主にしたいという奴隷契約の誓約書と術式を、この紙に点線で書いています。
ですから……その気があるのでしたら、貴女様の血でなぞって下さい。
因みに、この契約は1ヶ月間のみとなっております。
契約の延長の有無につきましては……要相談とさせて頂きます。」
サイスさんが、そう言いながら、ムシェンサン様に紙と……指先から血を出す為の針を渡した。
◇◇◇
超越点 (【星の記憶へのアクセス】)のアサグの俺。
特異点(【人外の契約者】)のアサグのサイスさん。
特殊点(【術式眼】)のアサグの姉貴。
サイスさんの従魔で【超結界】・【超回復】と言う異能を持っている、盾犬(幻獣) のポチコ。
姉貴の従魔で【魂眼】・【距離を消す者】と言う異能を持っている不捕鳥(幻獣) のピーロウ。
姉貴とサイスさんが、元の世界(ムシュ イム アン キ)で、夜逃げの手助けもする引っ越し屋に勤めていた事もあり、
20年前に、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)に召還された直後から、俺達は……
この3人と2匹で、運び屋 兼 夜逃げ屋を、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)で始めた。
最初こそ、裏社会の方々や、後ろ暗い事をされている貴族の方々から命を狙われたり、仕事の邪魔をされる事もあったが……
姉貴とサイスさんの過剰とも言える報復を、今も、不定期に行っているお陰もあってか……
俺達と事を構えるような事はしなくなった。
それだけじゃない。
姉貴とサイスさんの過剰とも言える報復の理由が、仕事の邪魔をされたせいで、儲からない。って言う事だからなのだろう。
姉貴とサイスさんが、報復をした直後は、特に、良いお客様を紹介してくれる。
因みに、今回、俺達にムシェンサン様の保護を依頼してきたのは……何を隠そう、ムシェンサン様達を捕縛する任務を与えられていた近衛兵達だ。
彼達は……カリーナ帝国が落ちぶれる事が決定的になった原因をつくられた、陛下(カリーナ皇帝)やカリーナ帝国の宰相のカブズル様等の、ご年配の為政者側の方々については……命を持って、その償いをするべきだと考えているようだ。
だが、為政者側の方や、その御一族にあられても……
年の若い方々については……最低限の暮らしをしつつ、民達へ奉仕する生活を一生涯かけて行う事は免れはしないが……それ以上の罰を与えるべきではない。と考えているらしい。
とは言え……近衛兵達には、政治に口を出せるような権限はない。
そこで、彼達は……ささやかな抵抗として、秘密裏にムシェンサン様をカリーナ城から連れ出し、俺達に彼女の保護を依頼したのだ。
そして、俺達は……ムシェンサン様が、俺達の指示に従わず、保護が不可能と判断した場合……何時でも依頼を解約する事が出来る。
また、彼女の命を最優先する為に……
彼女が、俺達の指示に従うようにする為に、拷問等を含めた、どんな事をしても不敬罪に問わない。と言う条件をつけた。
因みに、近衛兵達は、ムシェンサン様を奴隷として扱う事以外は……何をしても良い。と言った。
そんでもって、彼女の方から、俺達に奴属する事を願った場合は……その意思を尊重するとも言った。
俺は……サイスさんと、姉貴が、今回、ムシェンサン様が、俺達に奴属したい。と申し出るように仕向けたのが……彼女を守る為だと信じたいのだが……
2人の感情の色を見ると……それだけじゃない事は分かっている。
2人は、この危険な、隠れんぼを……心の底から楽しんでいるのが分かるからだ。
そして……心の声までは分からない為、確証は持てないが……
この危険な隠れんぼを楽しみ続ける為には、
イラン事しかしない、ムシェンサン様の心を壊して、俺達の指示に寡黙に従う人形のような方にするのが一番だと考えている気がする。
【パァァァァァーン】
左手が光り、ムシェンサン様の主となった紋章が浮かび上がった。
◇◇◇
「アサグに対して、奴属する側から主従契約を望んだ場合も……妖人になれるんだ。
でっ。俺の予想通り、ムシェンサン様も妖人の仲間入りを果たされた。
これで……【虹を見たい者達】を相手にした、壮大な隠れんぼに勝ち続ける為の手札が1つ揃ったな。」
「まだ……手札が足りないの?」
姉貴が、不思議そうな顔で、サイスさんを見ている。
「ムシェンサン様は……目立つ容姿をされておられる。
だから……ジョブ補正を【武聖】から別の物に繋ぎ変えないといけない。
そうだな……
【戦闘メイド】とか……【野戦料理人】とか……【闇裏師(器用万能者)】とかの従者系のジョブ補正か……
【錬金術師】や【戦闘工兵】とか……上下関係に煩い、職人系のジョブ補正が良いな。
このジョブ補正を皇族であるムシェンサン様が受けられるとは……誰も想像しないだろうからな。」
「ならば……ムシェンサン様に受けて貰うジョブ補正は……従者系のジョブ補正一択だね。
それと……ムシェンサン様には、ナジャイの性処理もして貰いたいとこだね。
そうすれば……娼館のない町や村も移動ルートに含める事が出来る。
こんな……我が儘ボディーの美人さんだ。
ナジャイ。あんたも……文句はないよね?」
「おっ。おう。」
姉貴の圧に思わず頷いてしまった。
姉貴なら……娼館のやり手ババアとしても……食っていけるだろうな……
ムシェンサン様が……汚物を見るような目で俺を見ている。
こういう女に快楽を与えるだけ与えて、俺との行為無しに生きられないような身体にさせられたら……
ヤバい。想像しただけで……興奮してきたわ。
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