【サイドストーリー】潜む者達と動き出す者達③(プリミコ視点)
「カリーナ皇帝。カリーナ帝国の宰相のカブズル等、
カリーナ帝国政府の主だった面々は、カリーナ城の近衛兵達によって捕縛されたらしいよ。
そして、可哀想に、彼達は、皆……もうじき処刑される運命にあるみたいだよ。」
リンゴトマドさんが、ニヤニヤしながら、新しく掴んだ情報を共有してくれる。
「それと……カリーナ帝国領の北部で、カリーナ帝国軍の警備隊の総副隊長のラヤカスが捕縛されたらしい。
捕縛された理由は……カリーナ帝国のサイアン辺境伯の私財を勝手に持ち出そうとした事に対して、
カリーナ皇帝から、サイアン辺境伯の代わりの領主として任命されていた、サイアン辺境伯の甥のカワコトからクレームが入ったかららしい。
その時は、まだ、ベシアセ連邦のカンガやサイアン辺境伯達は、カリーナ帝国の北部の切り取りを行う前だったらしいのだが……
クレームを受けた、カブズルは……
北部の貴族や民達の感情を考えて、流石にマズイと判断し、ラヤカスと行動を共にしていた貴族や、その私兵達に、ラヤカスを捕縛し、カワコトに引き渡すように指示を出したらしい。
でっ。その後……色々と情勢は変わったが……
ラヤカスは、相も変わらず、カワコト達が居る、サイアン辺境伯の城の牢屋に入れられたままらしい。
因みに、リクルルとムルオは……カリーナ帝国をカリーナ共和国にした後、
祖国が大変な時に、ベシアセ連邦と言う他国にすり寄った裏切り者だ。と、サイアン辺境伯をはじめとしたカリーナ帝国の北部の貴族達を罵る事から、イザコザに発展させ、
そのイザコザを足掛かりに、カリーナ帝国の北部だけでなく、ベシアセ連邦との戦争にまで発展させる予定だったらしいんだが……
ラヤカスの失態のせいで、カリーナ帝国の北部の貴族達が、カリーナ帝国に不信感を持ち、ベシアセ連邦にすり寄らざる得なかった理由が出来てしまった。と、ぶちギレていたよ。」
「ククク。
無能な味方は、有能な敵よりも恐ろしい。
リクルルもムルオも……とんだ災難に巻き込まれたもんだね。」
リンゴトマドさんの報告を聞いた、グアマ姉さんが、そう言いながら、大笑いしている。
◇◇◇
「そう言えば……ディンエ様から、
ベシアセ連邦のカンガや、サイアン辺境伯の動きをムルオ達に伝えた事についてのクレームは……まだ、来ないのかい?」
グアマ姉さんが、リンゴトマドさんに興味津々な顔で質問をする。
「まだ、来ない。てか……探りすら入れて来ない。
だから、僕は、彼女達が……
僕達が、ベシアセ連邦のカンガや、サイアン辺境伯の動きをムルオ達に伝えた事に気がついていないのか。
そもそも、【虹を見たい者達】が、まず、カリーナ帝国の北部以外を傘下に治め、
その後、同じく彼達の傘下のナヤクラース連邦と連携しながら、
カリーナ帝国の北部。及び、ベシアセ連邦を潰して、その領土を奪うつもりだ。と言う事にすら気がついていないのか……
それとも……全てを知った上で、敢えて、僕達に何のアクションも取って来ないのか……
彼女の真意について、予想すら立てられなくて困っているところだよ。」
リンゴトマドさんが、グアマ姉さんの質問に苦笑いしながら答える。
「ディンエ様は……正直な話、残念なお方だ。
だが……ディンエ様のブレーンのサスサイさんはキレ者だ。
それに……彼女の下に、トスン連邦のルメキタ商会の会長のアグラや、マワタカ国のヤススミなどと言った、キレ者達も集っているんだろ?
だから……俺達は、あくまでも、核兵器を使って水蒸気層を落とされないように動く事を管理者やディンエ様と約束しただけで、
それに関わる事以外で、俺達がディンエ様達に便宜を図る必要はない。
それだけじゃない。
【虹を見たい者達】が、核兵器を使って水蒸気層を落とされないようする為。と言う理由があれば、
たとえ、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)が、閉じた世界であり続ける為に動いたとしても、管理者やディンエ様への背信行為には当たらない。
って事を、ディンエ様に理解させた。と考えるべきだろうね。
取り敢えず、この件に対して、ディンエ様サイドが、どのように考えているかの予想が立つまでの間だけでも……
そう考えて行動した方が良い気がするな。」
「イデイの言う事も一理あるね。
ディンエ様が、世間知らずの間抜けだと決めつけて行動すれば……足元を掬われかねない。と考えて、慎重に行動した方が良さそうだね。」
リンゴトマドさんが、そう言いながら深く頷いている。
「はぁ……あんた達、ちと……ビビり過ぎじゃね?」
グアマ姉さんが、そう言いながら、苦笑いしている。
「僕も……そう思う。だけど……」
「ハイハイ。分かった。
アタシも……暫く、慎重に行動する。
プリミコ。あんたも……不用意な言動は避けるようにして。」
「うん。」
アタシは、グアマ姉さんの指示に頷いた。
◇◇◇
「でっ。アウウア連邦やサッヤード マーイズ島国への対応にも……変更は出るのかい?」
グアマ姉さんが、リンゴトマドさんに興味津々な顔で質問をする。
「いや。作戦に変更はない。
認識を揃える為にもう一度、作戦を話すぞ。
まず、アウウア連邦に対しては、魔石や金・銀・銅・鉄等の鉱物資源が豊富に取れる領土を持つ部族達だけに、ギルドを通して、優遇した貿易を大々的に持ちかける事で内戦を誘発する。
そんでもって、内戦のどさくさに紛れて、魔石や金・銀・銅・鉄等の鉱物資源が豊富に取れる領土を持つ部族達を傘下に治める。
また、サッヤード マーイズ島国に対しては、
資源を扱う、貴族をバックに持たない零細商会を次々と買収して、パワーバランスを変える。
また、 我々が買収をしない、貴族をバックに持つ、大手商会の従業員達を、一人でも多く、俺達が買収した商会に引き抜けるようにする為に、買収した商会の従業員達へは、手厚い福利厚生を与える。
そうする事で、まず、サッヤード マーイズ島国の大手商会の生産性や影響力を落とさせる。
そんでもって、俺達が買収した商会の事が気に食わず、いちゃもんをつけて来た貴族を返り討ちにし、
彼達に莫大な慰謝料を吹っ掛ける事で奴隷のような存在にする。
僕達は、この2つの作戦を成功させる事で……
クブサイ島国と同様、サッヤード マーイズ島国も裏から支配する。」
「了解。
今までやってきた事が無駄にならないようで安心したよ。」
グアマ姉さんが、そう言いながらニヤリと笑う。
◇◇◇
「そう言えば……
カリーナ帝国の第1皇女でカリーナ帝国軍の総大将のムシェンサンの行方が分からないままなんだろ?
一体、彼女の身に……何が起きているんだろうな。」
「さぁ……僕にも……サッパリ分からない。
幸い、リクルルが……僕と同じ超越点(【星の記憶へのアクセス】)のアサグだったから話がついたんだけど……
リクルル達は、当初、僕達が……ムシェンサンを匿っているんじゃないか?って、疑っていたらしいよ。」
イデイの質問に、リンゴトマドさんが、苦笑いしながら答える。
「まぁ……あの娘(ムシェンサンの行方)見た目は良いし……血筋も良いからさぁ……
平民や下級貴族の出身者で身分にコンプレックスをもつ手練れ達に、
シェアにはなるけど、彼女を慰み者として使わせる代わりに特殊部隊に入って貰えないか?って言う交渉とかに使う。とか思ったんだろうけどさぁ……
彼女……無駄に強いし……プライドも高そうだからさぁ……
お客様を殺してしまいかねない。
そんな奴に……商品としての価値はんてないでしょ?」
グアマ姉さんが、そう言いながら苦笑いしている。
「おいおい。お前さん……女だろ?
そう言うのは、男の俺やリンゴトマドが言って……お前さんは……止める方だろ?」
「何それ? 意味が分からない。」
イデイのツッコミにグアマ姉さんが、キョトンとした顔をしている。
「てか……リンゴトマドさぁ……
カリーナ帝国の宰相のカブズルの孫息子と孫娘や、外務卿の孫息子や、内務卿の孫娘等といった、カリーナ帝国城に囚われた者の家族の中で、
カリーナ帝国の社交界で、優れた容姿だと言われている者達の売買契約をムルオと結んでくれない?
高貴な血筋で容姿端麗なショタにロリ。
平民や下級貴族の出身者で身分にコンプレックスをもつ手練れ達の勧誘の材料や……金や権力を持ったド変態に貸し出すビジネスに使いたいのよねぇ……
てっ……私情を挟んだらいけないわね……
年増好きや、枯れ専。ドMさんも居るかぁ……
う~ん。前言撤回。
カリーナ帝国城に囚われた者の家族の中で、容姿端麗な者は、性別・年齢に関わらず、全て、買取りたい。って……リクルルに連絡して。」
グアマ姉さんが、そう言いながら、涎を垂らしている。
「了解。」
リンゴトマドさんが、苦笑いしながら、通信機器を動かし始めた。
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