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ニートを夢見る脇役達の異世界解放奇譚  作者: モパ
【第3章】大戦と平和との分水嶺
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【サイドストーリー】後悔と覚悟と困惑(サスサイ視点)

「ユゲミズの最上級の反逆者の認定が通ったみたいですね。」


「えぇ。彼は……彼の正義感で動いてくれていたのでしょうけど……流石にやり過ぎました。」


ディンエ様が、俺の言葉に悲しそうな顔をされながら、ボソッと呟かれた。



ユゲミズには、何度も、他世界(パラレル ワールド)との次元の境界線上にある、次元転移装置を管理する施設に来るように言っていたのだが……結局、彼は……【虹を見たい者達】と最上級の犯罪者になる道を自ら選んでしまった。



犯罪者になってでも自分の矜持を曲げない。


かつて、ムルル連邦と呼ばれ、今は……

犯罪者や冤罪を受けた者や、様々な国や部族で政争で負けた者達が自然と集まって出来た無法地帯と化してしまったムルル自治区と重なる。


まぁ……今のムルル自治区に……ムルル連邦の遺児は殆んど居ないが……


ムルル連邦は、人族とドワーフ・人族とエルフが多く住む、珍しい国だった。


ムルル連邦の政策の失敗の煽りを受けて……この2種族が禁忌の種族として世界中から謂れも無い差別を受けているのは……悲しい事だ。



◇◇◇



「最後の最後まで、トスン連邦のように国としての体裁を維持しようと奔走した結果……裏切り者として追放された、ムルル連邦の2つの族長の遺児のメアとルオが……


サクモさん達に保護されながら、トスン連邦を目指してる。


ここに……運命を感じますね。」


「えぇ。

これが……我々を含めた、当時の大人達への……見えざる力が紡いだ、強烈な皮肉のような気がしますね。」


「確かに。」


ディンエ様が、俺の言葉に苦笑いされながら頷かれる。


「【虹を見たい者達】に【貨幣の騎士】。


人口を支えきれなくなっている、ムシュ イム アン キの管理人との話し合いの末、


ムシュ イム アン キ人を、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)へ召還するルートを作ったのは……間違いでしたよね……」


「えぇ。そして、皮肉な事に、


我々が関与していない召還で、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)へ召還された【オピオタウロスの荷車】が、我々と共に、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)を平和な世界にする為に奔走し、


サクモさん達が……この世界(アン ナブ キ シェア ラ)を開くキーマンになっている。って事ですかね。」


ディンエ様のお言葉に、俺は苦笑いしながら、返答を返す。


「確かに。

そう言う意味では……【虹を見たい者達】も【貨幣の騎士】も、そして……ユゲミズも……我々の失敗のせいで道を誤る事になった犠牲者ですね。」


「切っ掛けを作ってしまった事は否定しませんが……


彼達が、彼達の意思で引き起こした事です。


彼達の罪の全ての責任を押しつけるつもりはないですが……


彼達の罪の全てを背負うつもりもありませんよ。」


「サスサイは……ドライですね……

頭では、貴方の言う事を理解する事は出来ますが……心が着いていけません。」


ディンエ様は、そう仰られながら、タメ息をつかれていた。



◇◇◇



もし、このタイミングで、【オピオタウロスの荷車】が、ベシアセ連邦・パールス帝国・トスン連邦・マワタカ国・カバパ連邦・クパドゥ王国と軍事同盟を結ぶ事が出来き、

クンの大陸(南の大陸)で、いち早く、サクモさん達が設計したビニール ハウス的な物を広め、クンの大陸(南の大陸)の食糧事情の改善に貢献する事が出来れば……


【オピオタウロスの荷車】のクンの大陸(南の大陸)での影響力の低下を最小限に抑えられると共に、

ウグの大陸(北の大陸)やギルド本部への影響力を拡大させる計画を進める事が出来るだろう。



多分……サルクルさんの事だ。


ここまで考えた上での提案だったのだろう。


ただ……確実に遂行して欲しい。と言って来なかった事から考えると……我々の事は信用してはくれているのだろうが……仕事仲間としての信頼は勝ち得てないのかもしれないな。



ディンエ様は、また、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)の通信障害を直す作業に没頭し始められた。


(サルクル)からの信用だけでなく……信頼も勝ち得る為にも、何とか、宣言した期日に間に合わせて頂きたいところだ。



遠い未来、この瞬間が、歴史の分水嶺と呼ばれるであろうと確信している。


ただ……その行き先が、俺達の望むものなのか否かは分からない。



敵(【虹を見たい者達】・【貨幣の騎士】)も……敵に回ってしまったユゲミズも……この事に気がついているのだろうか……それとも……自分達の策が成ったと油断し、既に、水面下で内部抗争が始めているのだろうか。


後者ならば良いが……彼達は……抜け目がない。


だからこそ、安易な願望は捨てるべきだ。



ただ、あの時……危険を犯してサクモさん達に接触した自分達を褒めてやりたい。


もし、彼女達が、敵(【虹を見たい者達】・【貨幣の騎士・ユゲミズ)の勢力に取り込まれていたら……我々は詰んでいた。


これだけは……流石に、頭の悪い俺でも分かる。



■■■



「ふう。

取り敢えず……トスン連邦の領土の通信障害は解消したわ。


後は……ベシアセ連邦・パールス帝国・マワタカ国・カバパ連邦・クパドゥ王国の領土があるエリアから、重点的に通信障害を解消させれば……最低ノルマは達成ね。」


ディンエ様が、そう仰られながら、額の汗を袖で拭われておられる。


「ご苦労様です。


ディンエ様が最低ノルマを果たさせる事もですけれど……ウグの大陸(北の大陸)の友好国であろう国々が、

敵(【虹を見たい者達】・【貨幣の騎士・ユゲミズ)の勢力に飲み込まれていない事を祈ってます。」


「ですよね……」


ディンエ様が、そう仰れながら苦笑いされておられる。


「さてと。

レイヒトさんに状況だけでなく……メアとルオの事も包み隠さずに報告し、サルクルさんの見解を待ちながら、次の作業に取り掛かるとしますか。」


「大丈夫ですか?

ここのところ……お食事と、お花を詰まれる時間以外は……お休みもなく働かれてますよ?」


「えぇ。ここが踏ん張りどころですからね。

これが終わったら、暫くは……休暇が欲しいですよ。」


ディンエ様が、そう仰られながら、久しぶりに笑顔を見せられた。



■■■



「上の方々(管理者)から連絡が来ました。


この世界(アン ナブ キ シェア ラ)が開き次第、


ユゲミズや……【虹を見たい者達】を処刑する為の部隊を送り込んで来られるようです。



また、【貨幣の騎士】の処遇については、決まっていないようです。


彼達の暴走には……私の至らなさにも原因があります。


最低ノルマを終わらせたら、時間を作って……

何とか、【貨幣の騎士】だけでも、管理者達から恩赦を頂けるように掛け合いたいところです。」


ディンエ様が、そう仰られながら暗い顔をされている。


「そうそう。


サクモさん達から質問が来たわ。



この世界(アン ナブ キ シェア ラ)が開いた後、

自分達を含めた召還された者が、ムシュ イム アン キに戻れるタイミングや、

自分達を含めた召還された者達が、ムシュ イム アン キに戻ってからの生活について。



それと……犯罪者として認定されるライン。



後……この世界(アン ナブ キ シェア ラ)に残りたい。と希望する者への処遇や……


この世界(アン ナブ キ シェア ラ)に残れる場合……ムシュ イム アン キへの一時的な帰省等が出来るのか。


逆に……この世界(アン ナブ キ シェア ラ)に家族や恋人を呼ぶ事は可能なのか等について。



そんでもって、自分達が、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)を去った後のルオとメアの生活の予定について知りたいらしいわ。



もう……事後処理について質問をして来るとか……


この世界(アン ナブ キ シェア ラ)が開く算段がついている。って事かしら?」


ディンエ様が、困惑した顔をされている。


「さぁ……彼女達。と言うよりも……サルクル君の思考は、正直なところ読めません。


ですが……彼女達には何かしらの考えがあるのでしょうね。


我々に出来る事は……彼女達を信じて、誠実に答えるだけです。


彼女達を裏切った事で、彼女達を敵に回す事だけは……絶対に避けなければいけません。」


「えぇ。そうですね。」


ディンエ様が苦笑いされながら、通信機器を動かされ始めた。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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