共有と秘匿
「スティオが消えた?
てか……何が起きてるんだい?」
イノカワが、タブレットPCに映る【空の目】の映像を見ながら、ボソッと呟いた。
『スティオ達は……
シルミルという字と、【魂眼】と【距離を消す者】という異能を持つ、幻獣の不捕鳥が、異能で作られたワーム ホールを使って……何処かに移動されたようでございまするな。
因みに、ワーム ホールとは……ドラ◯もんが持たれている、どこ◯もド◯みたいな感じの現象を起こす事が出来るようなのでございまする。
ただ、一度、使うとクール タイム(使用不可時間)があるようでございまするので……どこ◯もド◯のように、ホイホイと使えるような異能では無いようでございまするな。』
レイヒト君が、イノカワの疑問に答える内容を話してくれる。
「彼達は、数10羽のケンタウルスみたいな形をした物体に取り憑いている幽霊達みたいな感じの奴の鳥バージョンのような奴達に攻撃をしていた。
それに……数10羽のケンタウルスみたいな形をした物体に取り憑いている幽霊達みたいな感じの奴の鳥バージョンから逃げたようにも見えた。
数10羽のケンタウルスみたいな形をした物体に取り憑いている幽霊達みたいな感じの奴の鳥バージョンの中に、サパヨとかいう人の魂もあるんだよね?
スティオとサパヨに何があったのかは分からないけど……2人は、敵対するような関係になったみたいだね。
何か……心当たりはある?」
「アタシとイノカワ君は、輜重部隊と行商人等の混成部隊に居たのは話ましたよね?
その時、サパヨ先生は、シレヌメ。っていう字を得たクラスメートと一緒に、カリーナ帝国軍の斥候部隊と冒険者達から選りすぐった混成部隊に居たの。
でっ。 スティオ君は、その時……傭兵達や冒険者を主体とする突撃部隊に居たの。
だから、各々の場所で、各々の居る勢力に、何らかの理由でつく事に決めたのならば……
2人は、お互いが敵対勢力に所属している事にすら、気がついてないかもしれないです。 」
レヤが、恐る恐る、自分の見解を語ってくれる。
◇◇◇
「成る程ね……
てか……サパヨ達、聖戦の兵団の方角に向かって移動を開始したね。
彼女達と鉢合わせしないように、取り敢えず、トスン連邦の一番、近い町にある、ルメキタ商会の支店に、チア族からの紹介だと言って訪ねて、 植物油を売り込みに行こう。
そんでもって、ルメキタ商会との商談後、
山脈地帯を通って、ブイザ伯爵領にあるをアスエ商会を訪れてから、ベシアセ連邦へ向かおう。」
『拙者も、その案に賛成でございまする。』
レイヒト君が、僕の意見に賛成してくれる。
「数10羽のケンタウルスみたいな形をした物体に取り憑いている幽霊達みたいな感じの奴の鳥バージョンのような奴達は……十中八九、【虹を見たい者達】のメンバー。
スティオ。って子が加わってる、彼達と敵対する勢力の事は気になるけど……
居場所が分からないなら、接触のしようがないわね……
取り敢えず……
レイヒト君に、今回の事をディンエさん達に共有して貰うとして……ヤスズミさん達への共有は……どうする?」
嫁が、現時点では、スティオとの接触をしない事を、やんわりとイノカワとレヤに伝えつつ、今後の方針を聞いてくる。
「ヤスズミ族は……今はベシアセ連邦経由らしいけど……元々はカリーナ帝国とも貿易をしていたらしいよね?
だから……カリーナ帝国の聖戦の兵団に、
ケンタウルスみたいな形をした物体に取り憑いている幽霊達みたいな感じの奴の人間バージョンや、鳥バージョンのような奴達を確認した事は伝えるべきだと思う。
ただ……スティオ達の事は、正直、僕達もよく分かっていない。
それに……ヤスズミ族を含めた、マワタカ国の人達を、僕達の裏の仕事に巻き込みすぎるのは良くない気がする。
だから……スティオ達の情報については……
現時点では、ヤスズミ族の人達への共有はしない方が良いと思う。」
「確かに。
レイヒト君。プグナコちゃんも……これで良いよね?」
嫁は、僕の意見に頷いた後、レイヒト君とプグナコちゃんに確認を入れてくれる。
『問題無いでございまする。』
『ウチもや。
ちゅう訳やから、レイヒト。
トスン連邦の一番、近い町にある、ルメキタ商会の支店までのルートを出してくれはらへんか?』
『了解でございまする。』
レイヒト君とプグナコちゃんも、僕の意見に賛成してくれた。
◇◇◇
「あのさぁ……
君達が言ってる【虹を見たい者達】ってのは……
30年前に、僕達の世界(ムシュ イム アン キ)から召還された者達が中心となった作られたという……
テロ組織の事だよね?」
イノカワが、恐る恐る。って感じで聞いてくる。
『せやで。』
プグナコちゃんの素っ気ない返答が携帯から聞こえてくる。
「君達も既に知っているかもしれないが、
彼達は、ギルド本部やカリーナ帝国を含めた多くの国で指名手配されている。
今回、君達が掴んだ情報を、最寄りのギルドの営業所等を通じて、ギルド本部に流せば、君達は大金を得らる筈だ。
それに、スティオが居る謎の勢力も助かる筈だ。
良い事、尽くめだと思うんだけど……どうだろか?」
イノカワが、ドヤ顔で提案をしてくる。
「イノカワは……
僕達が、先刻の鳥のような物体の1羽の中に、サパヨの魂が含まれていた。って言ってたのを覚えてる?」
「勿論。
サパヨ先生には悪いが、彼女も……【虹を見たい者達】というテロ組織の事は教わっている。
だから……自業自得だと思う。」
イノカワが、僕の質問に答えてくれる。
「そう。
もし、先刻の鳥のような物体が【虹を見たい者達】の手先だとしたら……
サパヨは、何処で勧誘されたと思う?
そんでもって、サパヨ達は、何処に向かおうとしている?」
「どちらも……カリーナ帝国の聖戦の兵団だと思う。
だけど……それが……何なんだい?」
イノカワが小首を傾げながら、逆質問をしてくる。
「カリーナ帝国も、ギルドのカリーナ帝国支部も、
自分達が、指名手配している者達が聖戦の兵団に紛れ込んでいる事に気がついてない間抜けな集団だと思う?
それとも……彼達を紛れ込ませる事によるリスクを取ってでも、彼達が紛れ込んでいる事を黙認していると思う?」
「さぁ……僕には分からないよ。」
イノカワが、小首を傾げながら僕の質問に答えてくれる。
◇◇◇
「そう。僕にも……答えは分からない。
ただ、先刻の鳥のような物体や、その人間バージョンが、
カリーナ帝国の聖戦の兵団だけでなく、神聖法王国の聖戦の兵団にも紛れ込んで居る事は掴んでいる。
そんでもって、他の場所にも、そういった物体が、紛れ込んでいるのか否かの調査までは出来ていない。
だから、最寄りのギルドの営業所等を通じてギルド本部に【虹を見たい者達】らしき者達を見つけた。っていう情報を流す。という事は……
【虹を見たい者達】らしき者達に、
僕達が、彼達の情報を流した。という事が伝わる。って事を想定しておかないといけない。って事だ。
それと……カリーナ帝国の聖戦の兵団に紛れ込んでいた鳥のような物体の人間バージョンの装備を見る限り……
冒険者や傭兵だと思われる。
それに……ギルド本部と【虹を見たい者達】が敵対しているのか否かについても……調べきれていない。
だから、ギルド本部と【虹を見たい者達】は敵対などしていない。
敵対しているように見せる為の茶番を演じているだけ。
って事も想定しておかないといけない。
今の話を聞いても、まだ、君は……
僕達が掴んだ情報を、最寄りのギルドの営業所等を通じて、ギルド本部に流そう。なんていう……頭の中が、お花畑のような事を言い続けるつもり?」
「どうやら、僕の考えが、浅はかだったようだね。
今回の件について、僕は……誰にも話さない事を約束させて貰うよ。」
イノカワが苦笑いしながら、僕に返答を返してくれる。
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