異物と不審者
「何度も、見間違えじゃないかと思い、鑑定をし直したのでございまするが……
どうやら、聖戦に参加されておられた両軍の中に、
ケンタウルスみたいな形をした物体に取り憑いている幽霊達みたいな感じの奴の人間バージョンが……ポツポツと紛れておられるようなのでございまする。
それと……たった今、数人の妖人達と、数匹の特別な獣達が、2台のトライクと、1台のピックアップ トラックに分乗して闇夜に紛れて動き始めましたでございまする。
どうやら、彼達の中で、
カリーナ帝国軍に紛れていた者は、この礫砂漠を、
神聖法王国軍に紛れていた者達はキーオレシュ砂漠と呼ばれる場所を目指しておられるようでございまする。
後……何故、このような事になったておられるのかは、全くもって、不明なのでございまするが……
こっちの方向に向かっている者達の中に、スティオと言う字を持った妖人が居られるのでございまするが……
拙者の鑑定の結果、彼は……
専良学園で、積極的に拙者を苛めていたグループのNo.2だった方のようなのでございまする。」
時刻は20時。
レイヒト君が、最後は困惑した顔をしながら、最新の報告をくれる。
「成る程ね。
妖人達が、何故、この礫砂漠を目指しているのかは、不明だけど……
僕達を探している可能性や、マワタカ国で悪事を働こう。と考えたている可能性も捨てきれない。
用心しておいた方が良いだろうね。」
「やはり……そう思われるでございまするな。
了解したのでございまする。」
レイヒト君は、そう言いながら、深く頷いている。
◇◇◇
「てか、自分……
『どうやら、聖戦に参加されておられた両軍の中に、
ケンタウルスみたいな形をした物体に取り憑いている幽霊達みたいな感じの奴の人間バージョンが、ポツポツと紛れておられるようなのでございまする。』
って言わはったよな?
テントに入らずに、外で焚き火に当たったはる人だけでも、滅茶苦茶、居はるで。
よう、見つけはったな?」
プグナコちゃんが、そう言いながら、タブレットPCを見つめている。
「男女に関わらず……毛皮に被われた獣人でもないのにも関わらず露出しておられる方々が一定数、居られるのでございまする。
そして、あの場所の気温は、ここよりも……若干、低いのでございまする。
そんな場所を、毛皮に被われた獣人でもない方が、
肌を露出したまま、バイクやトライク。徒歩などで移動する事が可能なのか……
よくよく、考えてみて欲しいのでございまする。」
「大風邪を引いて動けなくなりはるか……
凍傷になりはって動けなくなりはるか……
凍死しはる。
その3択しか思い浮かべへんな。」
レイヒト君の話を聞いた、プグナコちゃんが、苦笑いしている。
「成る程ね……って……
ケンタウルスみたいな形をした物体に取り憑いている幽霊達みたいな感じの奴の人間バージョン……見つけたわ。」
「ウチも、
ケンタウルスみたいな形をした物体に取り憑いている幽霊達みたいな感じの奴の人間バージョン。ってのを見つけたで。
レイヒトが言わはる通り、獣人以外で肌を露出しはった人を鑑定してみたら……直ぐに見つけられたわ。」
嫁とプグナコちゃんが、そう言いながら、タブレットPCを見つめている。
「取り敢えず……彼達への注意も必要だね。
それと……獣人や、ちゃんとした服を着ている者の中にも、ケンタウルスみたいな形をした物体に取り憑いている幽霊達みたいな感じの奴の人間バージョンが紛れて込んでいないと言う保障はない。
出来る限り、彼達と鉢合わせしないようにしないといけないね。」
「だね。」・「せやな。」・「ですな。」
僕の言葉に、嫁・プグナコちゃんで、レイヒト君が頷いてくれた。
■■■
『さてと。
明日、キムチ鍋パーティーをしても、変な奴達に追い付かれないように飛ばすぞ。』
時刻は21時。
気合いたっぷりの嫁の声が携帯から聞こえてくる。
「姉さん。頼んます。」
プグナコちゃんが、満面の笑み浮かべながら返答を返している。
僕達の乗る、キャンピングカーがスピードを上げていく。
サスペンションでは取りきれない揺れの影響を緩和する為に、
床やベッドのマトットレス。椅子の座面の上、ドリンクホルダーの底。等に結界魔法を張ってなかったら……確実に酔っているだろうな。
てか……荷物や飲み物が散乱して……キャンピングカーの中に居られなかっただろうな。
「レイヒト君。
ヤスズミ族との通信は出来る?
それと……ヤスズミ族の通信機器は、今も、ちゃんと【空の目】と接続が出来てる?」
『どちらも問題無いのを、確認しておるでございまする。
それと……
今しがた、奴達の情報を、
ヤスズミ殿。ノチロウ殿。ヴェル殿。バンオ殿。ベアゾウ殿。アルコ殿に、メールを使って、一斉に送っておいたのでございまする。
勿論、ディンエ殿への定期報告にも、この事を全て記載しておるでございまするぞ。』
レイヒト君の得意気な声が携帯から聞こえてくる。
「完璧な対応、有り難う。」
『そう言って貰えると自信がつくでございまする。』
レイヒト君の嬉しそうな声が携帯から聞こえてくる。
◇◇◇
【ブーブー】・【ブーブー】・【ブーブー】
【ブーブー】・【ブーブー】・【ブーブー】
【ブーブー】・【ブーブー】・【ブーブー】
謎の生き物の声が車外から聞こえてくる。
「大丈夫。敵意は感じられへん。
キラー ヒヒの夜営地に近づき過ぎたんやろ。ただの威嚇や。
このまま、走り去れれば、追って来はれん筈や。」
『ですな。
寧ろ……怯えてる感情を感じ取れたでございまする。
手を出しさえしなければ……問題無さそうでございまするな。』
プグナコちゃんとレイヒト君が、漆黒の闇の向こうに居る生き物の情報をくれる。
「ヒヒ。って……お猿さんの一種なんだよ。」
『 木が無いところにも猿が居るんだ!』
メアちゃんの話を聞いた嫁が驚いている。
『ヒヒは草原や砂漠地帯に居る猿でございまする。
因みに、拙者達の世界(ムシュ イム アン キ)でも……
ヒヒは、草原や砂漠に住んではる猿なのでございまする。』
『へ~。そうなんだ。』
レイヒト君の豆知識に、嫁が頷いている。
『【空の目】の映像を見る限り……
左側にある、大きな岩山の向こう側には、オアシスが広がっているようでございまするな。
でっ。オアシスには、低い木や雑草も生えているようでございまするぞ。』
「結局、木が生えてるんかい!」
レイヒト君の豆知識を聞いたプグナコちゃんが、素早いツッコミを入れる。
『砂漠の中のオアシスかぁ……
一度は見てみたいわね。行ってみるか。』
『他にも沢山、オアシスはあるでございまする。
これ以上、キラー ヒヒを刺激すれば……無益な殺生をしなければいけなくなるでございまするぞ。』
嫁の話を聞いたレイヒト君が慌てて止める。
『そっか……じゃあ……今回は諦めよう。』
嫁の寂しそうな声が携帯から聞こえてくる。
◇◇◇
「オアシスかぁ……
絵本の中でしか見られない。と思ってた景色を……生で見れるんだよね……ワクワクが止まらないな。」
「だったら……今日は寝ようぜ。
だって、今日は……オアシスは見れないんだろ?」
「確かに。
大事な時に寝過ごさない為にも、寝溜めしときゃなきゃよね。」
「だな。
まぁ……今は……普通に寝る時間だけどな。」
ルオ君が、テンションが高まっているメアちゃんが寝るように上手く誘導してくれた。
「寝るんだったら、
電気を消して、カーテンを閉めとくれ。」
「了解。」×2
【ガシャ】・【ガシャ】
【パチ】・【パチ】
メアちゃんとルオ君が、コルに促されて、
バンクベッドのカーテンを閉めて、電気を消す。
『パパも寝れるんだったら寝といてよ。』
「了解。寝かせて貰うよ。」
僕は、嫁の指示に従う事にした。
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