【サイドストーリー】氷の大地に取り残された者達(サパヨ視点・スティオ視点・ナンコン視点)
《サパヨ視点》
【ビクン・ビクン・ビクン】
【ビクン・ビクン・ビクン】
【ビクン・ビクン・ビクン】
シレルメ君が痙攣を起こしている。
彼は……昨日から高熱に襲われていた。
なのに、バカな兵士達は……
彼が寝ているテントの中で、彼を回して性欲の処理をしたのが原因で、風邪を拗らせてしまったらしい。
まぁ……仕方がない。
この極限の状態は……脳が命令する子孫を残したい。という本能を理性では抑えきれないのだ。
しかも彼は……可愛らしい容姿の両刀使い。
魔法や魔術。呪術や魔道具が使えた時には、
男だけでなく……ショタ好きのS女達とも、その行為を楽しんでいた。
そのツケが回ってきた。と言うのは、少々、酷な気もするが……仕方がないのかもしれないな。
「こいつは……見ての通り、もうダメだ。
この行軍についていけない。
あんたは、こいつの関係者だ。
だから、あんたが……責任を持って彼を背負う等して、助けるつもりであれば……慈悲の一撃は与えない。」
人族にも関わらず、見ているこっちが、思わず震えてしまうような薄着をしている、
アタシ達が所属する斥候部隊の隊長のラコノイナさんが、淡々とした口調で語りかけてくる。
「そう。
じゃあ……アタシがやるわ。」
アタシは、そう言うと、護身用のナイフを鞘から抜く。
【ザク】・【ブシュー】
痙攣するシレルメ君の首を横一文字に切り裂くと……血が吹き出た。
【パク・パク・パク】
彼の口がパクパクと動いてる。
ブアタシは、今度は、彼の右目にナイフ突き立てると、そのまま、押し込んだ。
【ザク】・【ブシュー】
【ビクン・ビクン・ビクン】
彼の右目からナイフを引っこ抜くと……またしても、大量の血が吹き出てきた。
そして彼は……先刻よりも激しく痙攣をしたかと思うと……動かなくなった。
「終わったわ。」
アタシは、彼の頸動脈を触り、呼吸が止まった事を確認すると、ラコノイナさんに、彼の処理が終わった事を報告する。
「ご苦労様。
死体は、私の方で処理しとくから……放置して置いて下さいね。」
ラコノイナさんは、そう言うと……テントの外に出ていった。
そして、何故か、彼女は、テントの外に赤いペンキで、死人が居る事を示す❌印だけでなく……何故か、▲も描いていた。
◇◇◇
「はぁ……この世界(アン ナブ キ シェア ラ)にまで教育委員会様の力が及んでないのが、不幸中の幸いだ。」
アタシは……意味もなく、ナンコン先生のマネをしてみた。
今朝からは……徒歩での行軍になる。
バイクに跨がって、何日もかけて移動した、この氷の大地を……森が見えるまで、ひたすら元来た方向に歩け。とは……本当に酷い話だ。
もし、アタシが……元の世界(ムシュ イム アン キ)で、登山やマラソン。ハイキングやウォーキング。狩猟などを趣味にしてなければ、絶望に襲われていた事だろうな。
それと……実家が古武道の道場を開いていたのも余裕がある理由だろう。
実家の道場を思い出すと……子供の頃からしごきに、しごかれた、嫌な思い出も蘇ってはくるが……
それと同時に、幼い頃から護身術を叩き込まれてきた。という自負が……ただでは死なないぞ。と言う強い気持ちを生み出してくれる。
ーーーーーー
《スティオ視点》
「糞。糞。糞。糞……寒みい。」
凍てつくような寒さの中、俺は……意味もなく愚痴ってみた。
昨日から、電池代わりになる、魔石とか言う物を入れた通信機器が、おかしくなったらしく……
サパヨ先生やシレルメ。ナンコン先生との連絡が取れなくなった。
てか……それは、それとして……
通信機器が、おかしくなる前から、イノカワやレヤと連絡が取れねぇ事が、何よりもムカつく。
第41輜重旅団では、行方不明者としてカウントされているらしいが……俺は……そんな事は信じねぇ。
どんくさいレヤだけならば、まだしも……あのイノカワが……こんなところで死ぬような間抜けじゃない事を俺は知っている。
きっと……自分だけ……何らかの方法で、この兵団から上手く抜けて……
何処かの辺境でヌクヌクと……俺TUEEE LIFEや、俺sugeee LIFEを満喫しようとしている筈だ。
とはいえまぁ……あいつは生き物を殺す事を極端に恐れるチキン野郎。
そんな人生を送れる訳がねぇ事を俺は知っている。
俺は……その事を友人として、あいつに教えてやらねぇといけない。
本当は……俺を置いてきぼりにして、サッサと逃げた制裁も加えてやりてぇとこだが……
最近、あいつとはギクシャクしていたし……状況が状況だし……大目に見てやるとしよう。
その為には、こんなところで死んでいる場合じゃねぇな。
気になるのは……こんな天候にも関わらず、モフモフの毛を持つ、獣人でも無い癖に、
滅茶苦茶、肌を露出している冒険者や傭兵が、チラホラと居る事だ。
しかも……こいつ達は、凍傷どころか……肌が紫色にもなってねぇ……
本当……こいつ達の肌は、どうなっているのだろうか。
まぁ……良いか。イノカワは……物知りだ。
あいつに会えさせすれば……俺の疑問に答えてくれるだろう。
だから、今は……余計な事を考えず、生き残る事だけに集中するとしよう。
◇◇◇
『ほう。
勘の良い奴じゃのう……』
頭の中に声、男の低い声が響く。
『確か、この子……
普段は、イケイケのオラオラ系の癖に、
夜になるとテントの中で、
『サパヨ先生!俺を……もっと犯して下さい!滅茶苦茶にしてください!』って、大きな声で喘いでたドM君よね……
ねぇ……この子……ギルド本部に連れ帰っても良い?』
今度は、女の声が頭に響いてきた。
『こやつは、到達点のジョブ補正を受けておる、外来種(ムシュ イム アン キ人)のようじゃ。
ギルド本部の直属の特殊部隊は、万年、人手不足じゃし……文句は言われない無いと思うぞ。』
また、頭の中に声、男の低い声が響く。
【ドン】
背の高いモデルのような金髪の美女とぶつかった。
「わりぃ。」
【ガシ】
俺が謝ると……美女は俺に抱きついてきた。
服ごしにでも分かる豊満な胸が俺の胸に当たる。
そして……身体からは果実のような甘い匂いがする。
刺激が……強すぎる。
「気にしないで。
アタシ達の会話……頭の中に響いてたでしょ?」
【ブチュ・レロレロレロ】
「ハウ。」
女は、俺の返答を聞かずに、俺の唇を奪うと……
舌を巧みに使いながら、俺の口の中を犯してくる。
ヤバい。こんな事を続けられたら……
「ねぇ……行軍をサボらない?
で……テントを張って、その中で……アタシに犯されてみない?
上手くいけば……も~と。強くなれるわよ。」
彼女は俺にハグしたまま、耳元で囁いてくる。
「お願いします。」
沸き上がる興奮を押さえながら、俺は……彼女に短い返答を返した。
ーーーーーー
《ナンコン視点》
「痛い。痛い。痛い。俺が……悪かった。
2度と、お前さんに手を出さない。
だから……離してくれ。」
俺は……俺好みの小柄な男性アイドル風の男に、許しを求めて、懇願する。
こいつのテントに潜り込み……性欲を満たそうとした俺が……確かに悪い。
だが……こいつは……本当に人間か?
俺が……大人しくさせる為に、全力で腹を殴りつけたのにも関わらず……アザすら出来ていない。
しかも……表情一つ変えず、俺の右手を下からネジあげると、俺をうつ伏せにして、関節を決めている。
ジョブ補正が接続されていて……肉体が強化されているのであれば、分からない離しでもないのだが……
素の筋力で……体格差をものともしない筋力を持っているとは……とても思えないような華奢な身体をしている、こいつに……
何故、こんな事が出来るのだろうか……
「お前の事は、主様に、眷属にすべきじゃない奴だ。という報告も残しておくよ。」
俺好みの小柄な男性アイドル風の男は、そう言うと……首に痛みが走った。
「ここで、明らかな殺人をすると……流石に、色々と面倒だからな。
だから、動けないように、脊椎を破壊させて貰った。
まぁ……せめてもの慈悲に、コートは脱がしておいてやる。
この寒さだ。
明日の朝には凍死する事が出来ていると思うよ。」
俺好みの小柄な男性アイドル風の男は、そう言いながら、ゲラゲラと笑っている。
「ふざけるな。
仲間同士の殺人は、ご法度なんだろう?
こんな事して……ただで済まないぞ。」
「あんた……バカ?
返り血でも浴びてたら別だろうけど……
見ず知らずの他人に構ってる余裕がある奴なんて……基本、居ねぇよ。」
俺好みの小柄な男性アイドル風の男は、そう言いながら、ゲラゲラと笑っている。
◇◇◇
【ザッ・ザッ・ザッ・ザッ】
【ザッ・ザッ・ザッ・ザッ】
【ザッ・ザッ・ザッ・ザッ】
行軍の音が聞こえる。
俺好みの小柄な男性アイドル風の男が、ご丁寧に座らせてくれたお陰で……
俺のテントに死亡者が居る事を示す、赤い❌の文字が描かれているのが見える。
だから、多分……中を確認するような奴は居ないだろう。
しかし、気になるのは……
あいつ……何故、❌を、2個も描いたのだろうか。
まぁ……どうでも良い事だ。どうでも良い事なんだが……
何か考えてないと……死の恐怖で、頭がおかしくなりそうなんだ。
しかも、あいつ……
偉そうな事を言ってた割には、俺が助けを求められないように声帯まで潰してくれた。
まぁ……この状況だ。助けを求めたとしても……
俺が動けない。って分かっても……それでも俺を救おうとしてくれるような物好きなど居ないだろうな。
はぁ……最後の最後で……ドジっちまったな。
評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。
頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。
宜しくお願いします。




