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ニートを夢見る脇役達の異世界解放奇譚  作者: モパ
【第2章】大戦前夜
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別れと決意

(さむ)。」


あまりの寒さに目が覚めた。



時刻は5時。


砂漠や草原は、寒暖差が激しいとはいえ……ここまで酷いのは初めてだ。



『この辺は、何時も通りの気温らしいわよ。

悪霊とかの影響じゃないから安心して。』


笑いながら話す嫁の声が携帯から聞こえてくる。


「そう。

てか……今、何℃?」


『マイナス10℃よ。』


嫁の返答が携帯から聞こえてくる。


「ホンマ、電気毛布がなかったら、凍え死んでるとこやで。

実際、コルとドマも冬眠しかけてはったし……」


プグナコちゃんが苦笑いしながら外を見ている。


「子供達は大丈夫?」


「先刻、電気毛布のスイッチを入れた。

サルクルさんの電気毛布もスイッチを入れたんやけど……ちと、入れるんが遅かったみたいやね。」


プグナコちゃんが苦笑いしながら、返答を返してくれる。


「状況は?」


『草が凍ってて……滅茶苦茶、運転し辛いぐらいかな。

取り敢えず……朝ごはんの時間まで寝てくれていて良いよ。』


嫁の苦笑いしながら話す声が携帯から聞こえてくる。


「有り難う。

そうさせて貰うよ。」


僕は、そう言うと、温かくなってきた毛布にくるまった。



■■■



「雑食道作り飛蝗が飛び立ち始めたでございまする。


マワタカ高原に入った雑食道造り飛蝗の群れは、ヤスズミ殿が言うように、パールス連邦の方角に向けて移動を始めたでございまするな。」


レイヒト君がタブレットPCを見ながら報告してくれる。



時刻は8時30。


ヤスズミ族の人達は朝食作りの真っ最中だ。



【コン・コン・コン】



窓を軽く叩く音がする。


窓を見ると、ヤスズミさん。ヴェルさん。バンオさん。アルコさん。ベアゾウさんに、アーテル。アルブス達が居る。



「取り敢えず、外に出ようか。」


「だね。」・「せやな。」・「ですな。」・「はい。」×2


僕達は、嫁の言葉に頷くと、リア キャビンの扉から外に出た。



◇◇◇



「ここから北へ、半日もトラックを走らせれば、砂漠地帯に入れる。


じゃが……雑食道作り飛蝗が、今の進路を維持してくれると仮定するならば、ここに居れば奴達の被害には会わぬ。


水や食糧。使役モンスターや家畜達の餌の事を考えると……砂漠地帯には入らずに、暫く、ここで様子を伺う方が良い。と言う結論に至った。


だから、別れの挨拶が必要そうな者を連れだって、主達の意向を聞きに来たのじゃ。」


ヤスズミさんが、そう言いながら寂しそうな顔をしている。


「ご配慮、有り難うございます。

このまま旅を続けるつもりなのですが……お勧めの場所とかはありますか?」


嫁は、ヤスズミさんに頭を下げると情報収集を始めた。



ヤスズミさん達と出会った時と違って、

予定していた核ミサイルらしき物体の調査を断念する事にした僕達は、明確な目的がなくなったのだ。



「ギルド本部へのアクセスが出来ん故、正確な情報は分からんが……


我々が知る限りでは、マワタカ高原と、その周辺の山や森にある町や村以外では、

チヤ族の隊商としての主要な取引先のパールス連邦の東部ぐらいしか連絡が取れておらぬ。


この状況で、お勧めの場所を問われてものう……


もう暫く、ここに止まるのが得策ではなかろうか。としか言えぬな。」


嫁の質問を聞いたヤスズミさんが苦笑いしている。


「そう言えば……


ヤホの町で作られている、3人乗りのトライクは、ベシアセ連邦を拠点にしている、多くの傭兵団に大人気の商品なのですよね?


在庫として抱えている100台の3人乗りのトライクを、適正価格で、全部、売ってくれませんか?」


「暫く、動けない、我々の代わりに販売して頂けると言う事ですね?


ご配慮、有り難うございます。


早速、買って頂けそうな傭兵団に、紹介状を書かせて貰いますね。」


ノチロウさんが、そう言いながら頭を下げてきた。



お礼を言いたいのは、こちらの方だ。

ノチロウさんは、(みな)まで言わなくても……僕の意図を察してくれたようだ。



「サクモさん。皆さん。


ルオとメアの事を頼むよ。



ルオ。メア。


アタシは、あんた達の事を放り出したつもりはないよ。


あくまでも、情勢が落ち着くまでの間、修行の旅に出しただけだからね。


だから……何時でも帰って来て良いんだよ。


その事を……忘れるんじゃないよ。」


ヴェルさんが、そう言いながら涙を流している。


「うん。行ってきます。」


メアちゃんが、そう言いながら、ヴェルさんに抱きつく。


社長(ヴェル)や、バンオさんを養ってやれるぐらい、でっかくなって帰ってくるぜ。」


「楽しみにしてますよ。」


バンオさんが、そう言いながら、ルオ君の頭を撫でる。


「ここは、サクモ殿とプグナコ殿に任せて、

拙者達は、ノチロウ殿から商品を受け取りましょうぞ。」


レイヒト君が、目に涙を溜めながら、僕の袖を引っ張る。


きっと、レイヒト君は、貰い泣きをしているところを見られたくないのだろうな。



嫁とプグナコちゃんは、メアちゃん達のやり取りを見ながら、大泣きしている。



確かに、ここは、レイヒト君の指示に従って、

僕とレイヒト君で、ノチロウさん達と商売の話を進めておいた方が良さそうだな。



「世話になったな。」


「また、いつか、会いましょう。」


ベアゾウさんと、アルコさんが、そう言いながら、拳を突き出して来る。


「こちらこそ、助かったでございまする。」


「またね。」


レイヒト君と僕は、

突き出された、ベアゾウさんと、アルコさんの拳に、自分達の拳をぶつけながら、笑顔で別れの挨拶をした。



■■■



「通信環境が元に戻ったら、ヴェルさん達に連絡を取らないといけないね。」


嫁がそう言いながら、バンク ベッドを見ている。


「うん。

綺麗な景色の事とか………いっぱい、お話する。」


「おいおい。修行の旅なんだぞ。

そこは、頑張った事とかを報告するべきとこだろ。」


メアちゃんとルオ君の元気な声が、バンク ベッドから聞こえてくる。


「頑張った事ねぇ……

ディンエ様とか言う方からの宿題の話は内緒でしょ。

それ以外に頑張る事って……ある?」


「そうだよなぁ……


じゃあさ、訪れた町や村の様子を報告しようぜ。


そう言うのから、需要。てのが分かるって……バンオさんが言ってたぞ。」


「確かに言ってた。

それ、ナイスなアイデアだと思う。」


メアちゃんとルオ君が、バンクベッドの上で盛り上がっている。


『コル。ドマ。

2人の護衛、頼むよ。』


「了解。」×2


心配そうな声で指示をするプグナコちゃんに、

コルとドマは苦笑いしながら返答を返す。


『拙者も元の姿(高校生の姿)に戻った事でございまするし……


2人に負けじと、運転を覚えるでございまする。』


自分(レイヒト)……それでのうても、いっぱい仕事を抱えてはるんや。


せやから、これ以上、仕事を増やさんでえぇ。』


レイヒト君の決意をプグナコちゃんが、即座に却下した。



■■■



『砂漠。って聞いてたんやけど……

砂山なんか全然、無いやん。』


『プグナコ殿が言っておられるのは、

粒の大きさは2mm以下の砂しかない、砂砂漠でございまするな。


でっ。ここは……

砂だけではなく礫。つまり砂利や石がコロコロ転がっている礫砂漠でございまする。


因みに、大きな岩や、剥き出しの岩盤ばかりの岩石砂漠と呼ばれ砂漠もあるみたいでございまするぞ。



そうそう。


どの砂漠でも気をつけないといけないのが、

ミミズ系のモンスターのデス・ワームや、サソリ系のモンスターのデビル スコーピオンは勿論の事なのでございまするが……


小型の毒蛇やサソリ等、

魔法は使えずとも、殺傷能力の高い毒を持つ動物や節足動物等も要注意でございまするぞ。



後は……狼系・ハイエナ系・リカオン系・豹系・熊系・ハゲワシ系・コンドル系等のモンスターに……


アース ドラゴン(ユタラプトル に似た姿) ・リトル アース ドラゴン(ディノニクスに似た姿)・ミクロ アース ドラゴン(ミクロラプトルに似た姿)等、

どんな環境にも適応する、群れで動く小型の恐竜系のモンスターでございまするな。』


プグナコちゃんの呟きを聞いたレイヒト君が、必要な情報の共有だけでなく、豆知識も披露してくれた。


『へ~。


砂漠は砂山だけやないんやね。


まぁ……こっちの方が走りやすそうで助かるわ。』


プグナコちゃんの嬉しそうに話す声が携帯から聞こえてくる。


「プグナコちゃん……今の話を聞いて、気にするの……そこ?


サソリは、何となく想定してたけど……

砂漠にも……思ってたよりも危険な生き物が居るんだね。


殆んど生き物が居ない場所かと思ってたよ。」


嫁は、苦笑いしながら、窓の外を見ていた。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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