表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ニートを夢見る脇役達の異世界解放奇譚  作者: モパ
【第2章】大戦前夜
53/106

転換期の直前

『サクモ殿。サルクル殿。プグナコ殿。


ヤスズミ族と別れたら拙者……元の姿に戻りたいのでございまする。


それと……この世界(アン ナブ キ シェア ラ)製の3人乗りのトライクを1台、購入させて頂きたいのでございまする。』


「急にどないしはったんや?」


レイヒト君の話を聞いたプグナコちゃんが、不思議そうな顔で質問をする。


『運動神経が微妙な拙者では、

ディンエ殿から貰った、オフロード仕様に改造された、前輪(フロント)が2輪の、高速道路も走れるという、3輪スクーターで舗装されていない道を走るのは無理だと思うのでございまする。


ですが、その……

後輪(リヤ)が3輪の、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)製の3人乗りのトライクならば、何とか走れると思うのでございまする。


でっ。もし、拙者が、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)製の3人乗りのトライクを操れれば、

メア殿。ルオ殿。コル。ドマを拙者が運ぶ事が出来るのでございまする。


でっ。そうなれば……

サクモ殿。サルクル殿。プグナコ殿は、戦闘や索敵に集中する事が出来ると思うのでございまする。』


レイヒト君の真剣な声が携帯から聞こえてくる。


「せやったら……

そのトライクを、2台、買わへん?


サルクルさんは、半球睡眠が出来ひん。


せやから、24時間体制で移動する場合……サルクルさんを運んでやらんといけんやろ。」


『確かに。

でっ。わたしと……プグナコちゃん。どっちが、そのトライクを運転する?』


「最後尾が、2人体制の方が良えやろ。


でっ。ウチの方が先導に向いているさかい……


必然的に、トライクを運転するんは、サクモさん。って事になるな。」


『了解。

でっ。そのトライクは何処で買えるの?』


『この近くの山の中にある、ヤホの町でも売られているようでございまする。』


レイヒト君が、嫁の質問に元気良く答える。


『了解。


じゃあ……明日の朝の打ち合わせの内容次第だね。


ヤスズミ族や、ヴェルさん達と別行動する事になったら……直ぐに買いに行こう。』


『はい。』


嫁の提案を聞いたレイヒト君が、嬉しそうな声で頷いていた。



■■■



「この映像を見てくれ。


ヤスズミ族に残っている600年前からの資料では……


この森に発生した雑食道造り飛蝗の群れが移動するルートは、


カリーナ帝国の南部を襲う事例と、


クパドゥ王国を縦断し、イランツ カバー帝国の北部を襲う事例と、


マワタカ高原を含む、草原地帯を移動しながら、海を超え、サッヤード マーイズを襲う事例しかない。



じゃが……今回の移動ルートを見ておると……


事例通りなのは、カリーナ帝国の南部へと移動しておる雑食道造り飛蝗の群れだけじゃ。


クパドゥ王国へ向かう筈の雑食道造り飛蝗の群れは、どう見ても、ガパパ連邦を目指しておるようにしか見えぬ。


そして、マワタカ高原に向かって来ておる雑食道造り飛蝗の群れは、どう見ても、パールス連邦を目指しておるようにしか見えぬのじゃ。」


ヤスズミさんが、そう言いながら、不安そうな顔をしている。



時刻は9時。


僕達は、ヤスズミさん達、本隊の指揮車の乗組員の方達と一緒に【空の目】の映像を確認している。



因みに、彼達が【空の目】の映像を見れるのは、

ノチロウさんが、ギルドの支店長の肩書きも持っていて、その権限の中に【空の目】の閲覧の権限が有るかららしい。


それと、マワタカ国では、ノチロウさん以外にも、

チヤ族とハン族の隊商班のリーダー達が、ギルドから支店長の肩書きを与えられているらしい。



「レイヒト君。

雑食道造り飛蝗の一番、先頭に居る個体は……本物の雑食道造り飛蝗?」


「仰られてる……って……どう言う事でございまするか?


雑食道造り飛蝗の先頭に居る個体は……雑食道造り飛蝗では無いでございまする。


雑食道造り飛蝗のような形をした物体に、取り憑いている幽霊でございまするぞ。」


レイヒト君が、驚いた顔をしながら報告してくれる。


「それって……5本目の幽霊隧道(ゆうれいトンネル)の近くの森の中から、ウチ達を襲って来はった、ケンタウルスみたいな形をした物体に取り憑いている幽霊達みたいな感じの奴の……雑食道造り飛蝗バージョン。って事か?」


「その通りでございまする。」


プグナコちゃんの質問にレイヒト君が頷く。


『アタシの鑑定でも……同じ結果が出たわ。』


通信機器を使って、この打ち合わせに参加してくれている、アルコさんの声が携帯から聞こえてくる。


「わたしも……てか……パパは、どうして、雑食道造り飛蝗の先頭に居る個体が、雑食道造り飛蝗じゃない。って思ったの?」


嫁が、不思議そうな顔をしながら、僕には質問をしてくる。



◇◇◇



「僕達の世界(ムシュ イム アン キ)には、雑食道造り飛蝗は居ない。


だけど……サバクトビバッタやトノサマバッタが蝗害を引き起こす事があるらしい。


だから、蝗害への対策の研究もされているんだけど、

その研究で、バッタの群れの進路は……最初に飛び立ったバッタが飛んだ方向で決まる。と言う仮説があるらしい。


だから……ひょっとしたら。って思っただけだよ。」


「成る程ね……


だけど、そうなると……雑食道造り飛蝗の群れの行き先は、雑食道造り飛蝗のような形をした物体に、取り憑いている幽霊次第。


これは……ヤスズミさんが言うように、雑食道造り飛蝗の群れが、どう動くか、マジで分からない。てっ事ね。


てな訳で……暫く、ヤスズミ族の人達と一緒に居た方が良さそうね。


なので、ヤホの町に3人乗りのトライクを買いに行くのは諦めないといけないわね。」


僕の話を聞いた嫁が、そう言いながら、僕達を見る。


『そのトライクならば、お譲りする事が出来ますよ?』


ノチロウさんの弾んだ声が通信機器から聞こえてくる。


「本当ですか?」


『はい。


ヤホの町で作られている、3人乗りのトライクは、ベシアセ連邦を拠点にしている、多くの傭兵団に大人気の商品なのです。


ですから……100台程、在庫として抱えているのです。』


ノチロウさんの弾んだ声が通信機器から聞こえてくる。


「じゃあ……2台程、売って貰えませんか?」


『それには及びません。

有意義な情報を見つけて頂いたのです。お譲りしますよ。』


ノチロウさんが、苦笑いしながら、僕に返答を返してくれる。


「ノチロウの言う通りじゃ。


サルクル殿の見つけてくれた情報は……我々だけでのうて、ハン族やチヤ族。それに……行商班のお得意先様の町や村の方々に取っても有意義な情報じゃ。


その礼として、受け取って欲しい。」


「了解しました。

有り難く頂戴します。」


僕は、ヤスズミさんとノチロウさんに、お礼を言った。



■■■



「良い匂い。

お腹が空いたね。」


時刻は11時。

嫁が、欠伸をしながら起きてきた。


「ただいま!」×4


草原で遊んでいた、メアちゃん・ルオ君・コル・ドマが戻ってくる。



外では、ヤスズミ族の人達が、お昼ごはんの準備‘の真っ最中だ。



何時もなら、お昼ごはんの後は、

お昼休憩を挟んだ後、夕食を作る時間までの間、

搾った家畜の乳を使って、チーズやヨーグルト作ったり、刈った毛でフェルトや毛糸を作ったりするらしいのだが……


今日は、雑食道造り飛蝗が確実に飛来して来ないと思われる、北部の砂漠地帯に、一秒でも早く着く為に、それ達の仕事をストップし、

家畜や使役モンスター達をトレーラーに乗せて、トラックで移動する時間を増やす事にしたらしい。



『サルクル殿。


ヤスズミ族・ハン族・チヤ族のギルドの支店が連名で、

雑食道造り飛蝗の群れの先頭に居るのは、雑食道造り飛蝗のような形をした物体に取り憑いている幽霊。だと言う情報をギルド本部に報告したとの連絡が来ましたでございまする。


勿論、拙者達の事は……伏せてくれている。との事でございまする。』


「了解。

忙しいところ悪いんだけど……引き続き、4基の塔のような謎の物体の監視も、お願いね。」


『はい。でございまする。

それと……カリーナ帝国軍と神聖法王国軍の様子も、しっかりと監視しているでございまするぞ。』


レイヒト君の得意気に話す声が、携帯から聞こえてくる。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ