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ニートを夢見る脇役達の異世界解放奇譚  作者: モパ
【第2章】大戦前夜
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蝗害の予兆

『出るぞ。』


携帯から、ベアゾウさんの声が聞こえてくる。


時刻は19時。


僕達は、ベアゾウさんの合図で行軍を開始した。




先頭を行くのは、ベアゾウさんが運転する、キッチン トレーラーを牽いた、ピックアップ トラックだ。


アルコさんは、明日の朝に備えて、助手席で仮眠を取るらしい。


そして、アルブスは、ドライブ ボックスみたいな感じの物に入って、2列目の運転席の後ろに居る。




その後ろを、

ヴェルさんの店を牽いた、ウ◯モグ風な感じのトラックだ。


運転手は、バンオさん。


ヴェルさんは助手席で、明日の朝に備えて、仮眠を取るらしい。


そして、アーテルは、ドライブ ボックスみたいな感じの物は、2列目の運転席の後ろに居る。




最後尾は、植物油の入ったトレーラーを牽く、僕達のキャンピングカーだ。


運転席には嫁が座り、助手席にはレイヒト君が 座っている。


僕とプグナコちゃんは、ベッド モードにしたリアキャビンの乗車スペース、

メアちゃん。ルオ君。そして…… フェエスタオルを入れた、取っ手付きのプラスチック ケースの中に入ったコルとドマが、リアキャビンのバンク ベッドに居る。



◇◇◇



『この尾根の道を抜けた先に、マワタカ国の領土の8割を占める、マワタカ高原に着きます。


ノチロウ達は、この尾根の道を抜けてから、120キロ程、マワタカ高原を走った場所で、我々を迎える準備をしてくれているらしいです。



何もなければ、明日の晩には、ノチロウ達と合流する事が出来るかと思われますが……


世界的な異常気象が起こったり、

そのせいもあってか、モンスター氾濫を含む、多くの災害が発生したり、

物語の世界の住人だった筈のゾンビが……世界中のあちこちで出現したり、


と……何が起こるか分からない状況です。



更に、明後日は、カリーナ帝国軍と神聖法王国軍の大規模な戦闘が始まる日だとも予想されています。


その結果次第では、ウグの大陸(北の大陸)のパワーバランスが変わり、


それが原因で、ノチロウ達が、俺達を待っていられなく可能性もあります。



長々と語りました事、お詫びします。


ノチロウ達と合流する予定は立ちましたが、

現状、予定は未定だと言う事も、ご理解下さい。』


バンオさんが、申し訳なさそうなに話す声が携帯から聞こえてくる。


「そんなに予防線を張らへんでも……状況は理解してるよ。」


『だよね……


寧ろ……わたし達と合流する事を優先したばっかりに、全滅。なんて事になるほうが嫌。


だから……ヤバいと思ったら、直ぐに逃げるように連絡しておいて。』


嫁が、プグナコちゃんの言葉に頷いた後、

ノチロウさん達に、自分達の安全を最優先に考えて欲しい。と言う旨を伝えて欲しいと、バンオさんに指示を出す。


『バンオは手が話せない。

ノチロウ君への連絡は、アタシが代わりにする。』


ヴェルさんの真剣な声が携帯から聞こえてくる。


『ヴェル殿。

ノチロウ殿へ連絡する時に……拙者を紹介して貰いたいのでございまする。


運転はせず、

ずっと起きている拙者が、ノチロウ殿達との連絡係に一番、適している筈でございまする。』


『了解。

今から、ノチロウ君に連絡する。

通信を繋いだままにしとくよ。』


『感謝するでございまする。』


『それは、こっちの台詞(セリフ)だよ。』


ヴェルさんの嬉しそうに話す声が携帯から聞こえてくる。



■■■



「なんか……気味が悪いくらい静かやな。」


『先程、ノチロウ殿と話した時に聞いたのでございまするが……


本当は、ノチロウ殿達は、尾根を出た先で、拙者達を出迎えたかったらしのでございまする。


ただ、彼達が飼っている使役モンスタが……

春の陽気がする山脈には、これ以上、近づきたくない。と仰られるらしいのでございまする。


それで、拙者達を出迎える場所を、

この尾根の道を抜けてから、120キロ程、マワタカ高原を走った場所に決定したらしいのでございまする。』


プグナコちゃんの呟きを聞いたレイヒト君が、

不安になるような情報を共有してくれる。


『はぁ……まだ、21時かぁ……

まだ、幽霊達が活発に動き回る時間でもないわね……』


「せやね。

一昨日みたいな事にならへん事を祈っとかんといけんね。」


嫁の話を聞いたプグナコちゃんがタメ息をついている。


『今のところ……その幽霊の気配すら感じぬ。』


『だにゃ。


モンスターや動物。虫等の気配を感じぬのは、森林限界を超えた、草木の少にゃい高地にゃからと信じたいところにゃが……


それにしても静かすぎるにゃ。


まるで……時が止まった世界に紛れ込んでしまったようにゃ。』


不安そうに話す、アルブスの言葉を聞いた、アーテルが、苦笑いしながら、不気味な話をする。



『スピードを上げるぞ。


俺達がやるべき事は、

嵐の前の静けさかも?と不安を語り合う事じゃなぇ。

嵐が来る前に……ここを通り抜ける事だ。』


『了解。』×2


ベアゾウさんの言葉に、嫁とバンオさんが短い返答を返す。



◇◇◇



「『春の陽気がする山脈には、これ以上、近づきたくない。』ねぇ……


ここら辺。って……春になると、定期的に、何か、困った事が起こるの?」


『定期的に。となると……


昔、ノチロウが、


『マワタカ高原は、春になると、この尾根の道を含む、ロンコン山脈から、大量の花粉が飛んで来る事で、目や鼻が痒くなって大変だ。


遊牧のルートを大きく外れて、大国に買い付けに行かないといけない隊商班の仕事はストレスが多い。


だけど……この時期だけは、隊商班に振り分けられた事に感謝している。』


と言ってましたね。



それと……


『何十年に一度かの頻度で、春になると、群れになった、雑食道造り飛蝗の大群がマワタカ高原に襲来して破壊の限りを尽くすんだ。


それなのに、俺が呑気な事を言えるのは、

異世界(ムシュ イム アン キ)人が、一般人の為に開発してくれたと言う、持ち運びが可能な通信機器のお陰だ。


何故ならば、あの魔道具のお陰で、

家族(ヤススミ族)との連絡をタイムリーに取れるだけでなく……


ギルド経由で【空の目】から得られた情報や、

冒険者や木こりや石工。運び屋や行商人等、人外地で働く者達から得られた現地の情報をリアルタイムで受け取る事が出来るようになったお陰で、

雑食道造り飛蝗が襲来する予想されるルートから外れる場所まで避難する事も出来るようになった。



しかも、あの魔道具の素敵なとろこは、それだけじゃない。


訪れる先の町や村の商人達に、

事前に欲しがっている物をリサーチしたり……。』


って……スミマセン。話が逸れるところでした。』


バンオさんが、僕の疑問に答えてくれた。



◇◇◇



「この辺りの今の季節は?」


『初冬だよ。』


僕の質問にベアゾウさんが短い返答をくれる。


「雑食道造り飛蝗は昆虫系モンスター?それとも……ただの昆虫?

それと……雑食道造り飛蝗は……越冬する生き物?

後……既に卵を産み終えてると思う?」


『越冬をしない、ただの昆虫です。

それと……雑食道造り飛蝗は、秋に卵を産むと言われてます。

ですから、多分……既に卵を産み終えてるかと思います。』


僕の質問にバンオさんが短い返答をくれる。


「レイヒト君。

この辺りで春の陽気になっている場所を調べられる?」


『【空の目】の映像に気温が出るように設定したでございまする。


今、直ぐ、調査に入りまする。』


レイヒト君の得意気な顔が携帯から聞こえてくる。


『その必要はないよ。

この山を挟んで、アタシ達が通って来た道の逆側の山裾に有る深い森が、広範囲で春の陽気だと言う事を……

共有してくれた【空の目】の映像で確認する事が出来たわ。』


『でっ。雑食道造り飛蝗が群れを作っている事も確認が取れたのか?』


アルコさんの話を聞いたベアゾウさんの質問をする声が聞こえてくる。


『今のところ、奴達が群れを作って移動したような形跡は見当たらない。


だけど……あの気温ならば、雑食道造り飛蝗の卵が孵化するのは時間の問題だと思うわ。』


アルコさんの淡々とした口調で話す声が携帯から聞こえてくる。


『春になると、あの森にやって来る、雑食道造り飛蝗の卵を喰らう渡り鳥達は……当然、居ねぇだろうな。』


『と言う事は……孵化した雑食道造り飛蝗が群れを作るのは時間の問題。と言う事になりますね。』


ベアゾウさんの話を聞いたバンオさんが、最悪の事態をシミュレーションしてくれる。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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