【サイドストーリー】語らい(サスケイ視点)
「ディンエ様。
【オピオタウロスの荷車】に、
4基の塔のような謎の物体の情報を流していますよね?
【オピオタウロスの荷車】からは、何か……返答は来たのですか?」
俺はディンエ様にカマをかけてみた。
人の良いディンエ様の事だ。
自分達が、魔法科学文明の再構築し、
アン ナブ キ シェア ラ人が主役となり、武力の使用を最小限に止めた平和な方法で、平和な世界に導く。
そして、宣言通り、アン ナブ キ シェア ラを再び開いた世界にしたら、2つの世界(ムシュ イム アン キ と アン ナブ キ シェア ラ)を股にかけた商売をする許可を出せ。
と言い放った、
10年前にカリーナ帝国に召還されてた、
自分の過去世は、5000年前のムシュ イム アン キのレジスタンスで、アサグとなった事で前世の記憶を取り戻した。と言っている、
理想主義者のアフアジを中心としたした、クンの大陸(南半球の大陸)を裏から支配している、小生意気な【オピオタウロスの荷車】に対して、
4基の塔のような謎の物体の情報を流されるとともに、
不測の事態に備えるように。と警告もなされている筈だ。
「やはり……サスケイには隠し事は出来ませんね……
だけど……安心してください。
サクモさん達の情報までは流していませんよ。」
ディンエ様は、そう仰りながら得意気な顔をなされている。
◇◇◇
「そうですか……安心しました。」
「苦笑いされてますが……
サスケイは……私の事を疑ってませんか?」
「いえいえ。
ただ……サクモさん達の事を誰にも話され無かった事を、誇らしげに報告されるとは思ってませんでしたから……
つい、その……お詫びします。」
「そうですか。
嘘はつかれてないようですね……
前にも話ましたが、私は……
サクモさん達と【オピオタウロスの荷車】。そして……【虹を見たい者達】が手を取り合う事で、
シェグの大陸(南半球の氷に閉ざされた大陸)の地下の空洞で再起を図ろうとされている、私の前任者や、神仏の代理人達を捕獲して頂けるような未来が来る事を願っているのですが……
貴方から見れば……やはり、夢物語のような甘い考えなのでしょうね。」
ディンエ様は、そう仰りながら苦笑いされている。
「前にも言いましたが、俺だけでなく……
事情を知る、全ての者が、ディンエ様の仰られるように、『夢物語のような甘い考え。』だと言うでしょうね。
だからこそ、ディンエ様は、
サクモさん達の事を【オピオタウロスの荷車】に話されなかった。
そんでもって、サクモさん達に、
【オピオタウロスの荷車】の事を、未だに話されてないのではないですか?」
「仰る通りです。
願わくば……暴走する【虹を見たい者達】が、一線を越えてしまう前に、サクモさん達に、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)を開いた世界にして頂き、
管理者様からの援軍を受け入れたいのですがね……
とはいえ、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)の事も、神仏の世界の事も、
何も知らない彼女達に、急いで仕事をして貰うように依頼するのは……
リスクが高過ぎますからね……」
ディンエ様は、そう仰られながら苦笑いされている。
「その通りです。
サクモさん達は……今のところ、我々に取っての唯一の希望の光です。
ですから、我々がするべき事は、
彼女達の身の安全を最優先に考えた上で、
この世界(アン ナブ キ シェア ラ)を開いた世界にして貰う為に必要な指示を出す事です。」
「そうですよね……
やはり、それしかありませんよね……」
ディンエ様は、そう仰られながら苦笑いされている。
「えぇ。そうです。
たとえ、ディンエ様の読み通り、
ユゲミズ殿とブンガマ。ギョクソウが、暴走する【虹を見たい者達】に所属していたとしても、
たとえ、暴走する【虹を見たい者達】のせいで、
この世界(アン ナブ キ シェア ラ)の地球の大気の熱圏にある水蒸気層が落とされ、メーの殆んどを失うような事態になったとしても……
我々が、やるべき事に変更はありません。」
「そうですよね……」
ディンエ様は、そう仰られながら苦笑いされている。
「えぇ。その通りです。
だからこそ、我々は……
この場所(次元転移装置を監理する施設)のセキュリティのロックを、こちら側からも施し、
この場所(次元転移装置を監理する施設)に立て籠る決断を下したのです。
色々と思う事が有るかとは思いますが……
どうか、情に流されず、管理人としての務めを機械的に果たし続けて下さい。」
「分かっています。
ですが、その……一個人としては……色々と考えてしまうのです。」
ディンエ様は、そう仰られながら、タメ息をつかれておられた。
◇◇◇
「それはそうと結局……
【オピオタウロスの荷車】からは、返答が来たのですか?」
「いえ。何も……
ただ、既読になっている事は確認しておりますので……
少なくとも、クンの大陸(南半球の大陸)に住む人々の為に、何かしらの対策を打って頂けると信じたいところですね。」
「そうですね。」
俺はディンエ様のお言葉に頷く。
アフアジと、彼の側近の3人の男女は、ムシュ イム アン キから召還されて来た有能なアサグ達だ。
彼達ならば、魔法や魔術。呪術や魔道具が使えない世界になったとしても、
それを補う為に必要な科学の知識やノウハウを広めてくれるだろう。
それに……【オピオタウロスの荷車】には、
彼達以外にも、それなりの数のアサグや妖人。特別な獣が控えている。
だから、もし、魔法や魔術。呪術や魔道具が使えない世界になったとしても……
その隙を突かれて、ニワルレや神仏の代理人達に、主導権を奪われる事も無いだろう。
暴走する【虹を見たい者達】が、一線を越えてしまうか、否かはわからない。
ただ、もし、暴走する【虹を見たい者達】が、一線を越えてしまった場合……
ディンエ様が望まれる、
『サクモさん達と【オピオタウロスの荷車】。そして……【虹を見たい者達】が手を取り合って、
シェグの大陸の地下の空洞で再起を図ろうとしている、ニワルレや神仏の代理人達を捕獲して頂けるような未来。』
は永遠に訪れないだろう。
そんでもって、ディンエ様も、本当は……
俺と、同じ事を、お考えになっているのだろう。
だけど、それを……お認めにはなりたくないから、
夢物語のような理想を……信じようとなされるのだろう。
勿論、この場所(次元転移装置を監理する施設)に立て籠る決断を下さざる得ないぐらい追い詰められている状況に不安を感じられ、現実逃避を始められた。って言う可能性も捨てきれない。
だけど、俺は……そうでは無い。と信じたい。
◇◇◇
「後は……
アサグのオオカイさん。ニジコさんと、特別な獣のポチコ。それと……妖人のシオコさんが、ギルドから退会された事もあって、彼達の同行を追えなくなった、カリーナ帝国が、
その失態を事を秘匿する為に、彼達の召還を無かった事にしている事が、
【オピオタウロスの荷車】や【虹を見たい者達】。私の前任者や神仏の代理人達にバレない事を祈るのみですね。」
「そうですね。
彼達への接触のタイミングは慎重に行きたいところです。
俺達が不用意に、オオカイさん達に接触する事で、
【オピオタウロスの荷車】や【虹を見たい者達】。ニワルレや、神仏の代理人達が、彼達の存在に気がつくような事態だけは、なんとしても避けたいところですからね。」
「そうですね。」
ディンエ様は、そう言いながら苦笑いされていた。
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