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ニートを夢見る脇役達の異世界解放奇譚  作者: モパ
【第2章】大戦前夜
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幽霊隧道(トンネル)の攻防①

「ふぁ……眠くなってきたよ。」


「俺も寝よ。」


メアちゃんとルオ君の眠そうな声がバンクベッドから聞こえてくる。


「せやったら……カーテン閉めとき。」


「ふぁ~い。」×2



【ガシャ】・【ガシャ】



メアちゃんとルオ君は、プグナコちゃんの言い付けを守って、バンク ベッドの小窓に取り付けられているカーテンを閉めてくれた。



時刻は21時。


僕達が乗る3台の車のヘッドライトと、室内灯を全て消せば……目の前すら見えなくなってしまうだろうな。



「サルクルさん。

そろそろ、室内灯を豆球に切り替えた方が良えんちゃう。」


「そうだね。切り替えるよ。」


僕は、プグナコちゃんの言葉に頷くと、リア キャビンの室内灯を豆球に切り替える。



こうする事で、車内から外に漏れる光量が減り、目立ち難くなるのだ。



「レイヒト君。

小型のSUVのような車とか……僕達の世界(ムシュ イム アン キ)の高速道路も走れるぐらいのスピードが出るバギーみたいな乗り物とかが、売ってる場所があるか調べてくれない?」


僕は携帯の通信グループを、

嫁・レイヒト君・プグナコちゃんだけに絞って話す。


『もしかして……ディンエ殿から頼まれた仕事で使うつもりでございまするか?』


「うん。


この車は目立つし、スピードも出せない。


かといって、森の中をバイクで移動するのは……

色んな意味でリスクが高そうだからね。」


『了解したでございまする。

他に指示がなければ、通信グループを元に戻しておくでございまするぞ。』


「有り難う。

そうしてくれると助かる。」


『了解でございまする。』


レイヒト君は、そう言うと、僕達の携帯の通信グループを元に戻してくれた。



■■■



『この先、道が狭くなってるぞ。

気を付けろよ。』


ベアゾウさんの指示が携帯から聞こえてくる。


『了解。』×2


嫁とバンオさんが短い返答を返す。



【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】

【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】

【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】


【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】

【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】

【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】



草木が窓にぶつかる音が聞こえる。



「何?何?何?」


「何かが、襲ってきたのか!」


メアちゃんとルオ君の声がバンクベッドの上から聞こえてくる。


「木の枝が車の窓にぶつかってはるだけや。

落ち着きなはれ。」


「そっ。そっか……ビックリした……」


「人騒がせな。

心臓が止まるかと思ったぜ。」


プグナコちゃんの話を聞いたメアちゃんとルオ君が苦笑いしている。



【ガシャ】



「うわ。

草と木の枝のせいで、外の様子が全く見えない。」


「本当。草木のトンネルに喰われちまってる気分だな。」


バンクベッドの小窓のカーテンを開けて、外の様子を確認しようとした、メアちゃんとルオ君が苦笑いしている。



◇◇◇



『たった、今……最悪な情報を掴んだでございまする。


10キロ先から、5つの隧道(トンネル)があるらしいのでございまするが……

全ての隧道(トンネル)で、幽霊が出る。と言われているらしいのでございまする。


それと……隧道(トンネル)に出る幽霊達は、明るい場所を嫌うらしく、車内を明るくしておけば出ない事もある。と言われているらしいのでございまする。』


レイヒト君の慌てた声が携帯から聞こえてくる。



【パシャ。】



プグナコちゃんが、即座に、リアキャビンの室内灯を豆球から蛍光灯に切り替えてくれた。



【ガシャ】



バンクベッドの小窓のカーテンを閉める音が聞こえてくる。



■■■



『あれは……確実にヤバいわね。』


『ですよね……』


嫁の呟きにバンオさんが頷く。


『とは言え……Uターンは出来る場所はない。


それに、バックで戻るのも……自殺行為だ。


そんでもって、ここに朝まで留まるよりかは……サッと抜けた方が、まだ、まっしだと思う。』


そんな二人を宥めるような声で、ベアゾウさんが話す。



時刻は1時。


最悪の時間に、最悪のタイミングで、

幽霊隧道(ゆうれいトンネル)地帯を移動する事になってしまった。



『明日の朝の出発時間は……遅らせて貰うわよ。』


『ヴェル、そこは……昼飯の時間まで寝させて貰うわよ。って、言っとくべきじゃない?』


『否定は出来ないわね。』


『でしょ。でしょ。

てっ。そんな事、言ってる場合じゃないわね。』


『そうね。

取り敢えず……この状況を乗り切る事に集中しないといけないわね。』


叩き起こされた、ヴェルさんとアルコさんは、文句を言いつつも、臨戦態勢を整えてくれた。



◇◇◇



「ウチ達が守ったるさかい、慌てんでも良いよ。」


「うん。」×2


プグナコちゃんの言葉に、メアちゃんとルオ君が頷く。



因みに、リアキャビンを座椅子モードに変えてある。


左側の座椅子にプグナコちゃんとメアちゃんが座り、

右側の座椅子に僕とルオ君が座っている。



今晩は、ドマとコルに護衛を任せっきりにせずに、僕とプグナコちゃんが、マンツーマン体制でルオ君とメアちゃんの護衛に当たる事になった。



「コル。ドマ。

何かあったら、直ぐ、ウチ達のとこに飛び降りてくるんやで。」


「あいよ。」・「おう。」


バンクベッドの上から、コルとドマの緊張した声が聞こえてくる。



◇◇◇



「『持続設定』×17

乗り物と皆に、無敵タイムをかけた。

これで、5分間は魔法も魔術も使いたい放題だよ。」


『了解。』×8・「了解」5


皆が短い返答を返してくれる。



『うし。

サクモさん。皆の車に結界魔法を付与してくれ。』


『『結界』×3

3台とも結界を張ったわ。』


『了解。出るぞ。』


『了解。』×2


ベアゾウさんと嫁。バンオさんの短い、やり取りが終わると、

止まっていたキャンピングカーが、ゆっくりと動き始めた。



◇◇◇



【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】

【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】

【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】


【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】

【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】

【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】



草木が窓にぶつかる音が聞こえる。



【ブー】・【ブー】・【ブー】

【ブー】・【ブー】・【ブー】

【ブー】・【ブー】・【ブー】



ベアゾウさんが運転するピックアップ トラックのクラクションが聞こえる。



【ブー】・【ブー】・【ブー】

【ブー】・【ブー】・【ブー】

【ブー】・【ブー】・【ブー】


【ブー】・【ブー】・【ブー】

【ブー】・【ブー】・【ブー】

【ブー】・【ブー】・【ブー】



その行動に習うかのように、バンオさんと嫁の運転するトラックのクラクションも聞こえてくる。



『1本目の幽霊隧道(ゆうれいトンネル)に入るわよ。』


嫁の声が携帯から聞こえてくると……

幽霊隧道(ゆうれいトンネル)の壁には、無数の人の顔が張り付いている。



「ウォォォォォォー。」・「ケケケケケケケ。」

「ケタケタケタケタ。」・「フフフフフフフ。」

「クスクスクスクス。」・「イヤァァァァー。」



「おーい。おーい。」・「止まれ。止まれ。」

「乗せて。乗せて。」・「遊んで。遊んで。」

「降りて。降りて。」・「仲間になってよ。」



車外から、色んな声が聞こえてくる。



『1本目の幽霊隧道(ゆうれいトンネル)から出るわよ。』


嫁の声が携帯から聞こえてくると……

無数の人だかりが消えた。



【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】

【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】

【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】


【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】

【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】

【ガサガサ】・【ガサガサ】・【ガサガサ】



そして、車外からは……

草木が窓にぶつかる音だけが聞こえるようになった。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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