新生活の始まり
「サルクルさんの異能。【原状回復】ちゅうのは、モブっぽい名前のイメージと違うて……
ウチ達の異能が、チャチいもんに聞こえるぐらいの滅茶苦茶、有能な能力やな。」
「ですな。
特に、サルクル殿が不壊タイム。無限増殖。無敵タイムと呼んでおられる能力は……反則的な能力でございますぞ。」
僕の異能。【原状回復】の能力の詳細を聞いた、プグナコちゃんとレイヒト君が、尊敬の眼差しで、僕を見てくる。
「その異能を貰った理由が……
苦労をせずに、最低限の安全と快適な生活を確保しつつ、ニート ライフ(生活)を満喫する。
なんて言う、最低な理由でなければ、皆と一緒に尊敬の目でパパを見れたんだけどなぁ……」
嫁が、そう言いながら、ジト目で僕を見ている。
「まぁまぁ。そう言わはらへんの。
サルクルさんの異能は、最強のサポート役の異能の1つや。って、ディンエさんやサスサイも言ってはったやん。
しかも、サルクルさんの異能の、お陰でウチ達が旅をする環境が格段に良くなるんや。
お嫁さんとしては、複雑な気分になる部分があるんかもしやんけど……
サルクルさんが、この異能を貰いはった理由の1つに、サクモさんを養う為。ちゅう理由もあったらしいやん。
せやから……気に食わんとこについては、目を瞑ってやっても良えんとちゃうか。」
プグナコちゃんが苦笑いしながら、助け船を出してくれる。
「まぁ……プグナコちゃんが、そう言うなら……パパの残念な部分については、目を瞑ってやりますか。」
嫁が苦笑いしながら、僕を見ている。
「有り難うございます。」
「素直で宜しい。」
嫁は、そう言いながら、満足気な顔をしている。
嫁の機嫌も直ってくれた事だし……
僕は、嫁達から聞いた、特殊点のアサグ(嫁)・特異点のアサグド(プグナコちゃん)・超越点のアサグ(レイヒト君)と呼ばれる、皆の異能を頭の中で整理してみる事にした。
■■■
特殊点のアサグ。
【術式眼】
【術式眼】とは
異能以外の、あらゆる魔法や魔術。呪術等の術式を解析したり、 解析した魔法や魔術。呪術等を再現する事が出来るらしい。
超記憶を持っているらしい。
常に、全てのジョブ補正から得られる魔法や魔術に関する知識や技能がアップデートされているらしい。
時間分解能を大幅にアップされているらしい。
※物事をスローモーションの映像のように見る事も可能らしい。
空間把握能力が大幅にアップされているらしい。
◇◇◇
特異点のアサグ
【人外の契約者】
【人外の契約者】 とは
精霊や魑魅魍魎。霊魂や、神獣・瑞獣・霊獣。禍獣・魔獣・妖獣。幻獣等と言った、あらゆる契約が不可能な相手との契約も結べるらしい。
他者の契約を仲介する事も可能らしい。
常に、全てのジョブ補正から得られるモンスターや動植物。精霊や魑魅魍魎や幽霊等に関する知識や対処する為の技能がアップデートされているらしい。
◇◇◇
超越点のアサグ
【星の記憶にアクセス】
【星の記憶にアクセス】とは
最上級の鑑定装置(魔道具)以上の鑑定魔法が使えるらしい。
鑑定魔法や鑑定装置(魔道具)の鑑定結果を偽装する事が出来るらしい。
他者のジョブ補正の接続を紐付けたり、外したりする事が出来るらしい。
※相手の同意が無い場合、相手の同意がある場合の3倍のマナの量が必要らしい。
電脳空間等の仮想現実の情報を自由自在にアクセスするだけでなく、改変や改竄する事が出来るらしい。
相手の感情を読み取り、嘘等を見抜けるらしい。
因みに【星の記憶】とは、
知識の泉と呼ばれる、電脳空間等、科学や魔術の力で作られた仮想現実の世界と、
深淵部と呼ばれる、死亡した生き物の持っていた情報が集められた仮想現実の世界。
この2つの仮想現実の世界で構成されているらしい。
■■■
「でっ。役割分担なんやけど……どないする?」
「ディンエ殿が、その事で、メールをくれてるでございまするぞ。
チートな能力を得たとはいえ、拙者達は素人でございまする。
だから、最初は、ディンエ殿の指示に従って行動するのが良いかと思いまするぞ。」
プグナコちゃんの質問に、レイヒト君が淡々とした口調で答える。
ディンエさんからのメールには、
キャンピング カーの運転手は嫁。
レイヒト君が助手席でナビゲートを担当。
僕は、リアキャビンの座席で、ドマとコルの面倒を見ながら、後方からの攻撃に備える。
プグナコちゃんは、熱波や寒波。豪雨や吹雪の時以外は、バイクを使ってキャンピング カーを先導する。
これが、ベストな布陣だ。という内容が、
これから行く世界(アン ナブ キ シェア ラ)では、上層部は……と言う事を差し引いてでも、
国家を跨いだ移動生活をする上では、絶対に登録した方が良いと言う、ギルドと言う組織についての詳細な情報の後に書かれていた。
それと、サスサイさんは、
僕達の乗るキャンピングカーのバンク ベッドに置いておいた。と言っていた武器の横に、武器の使い方についての説明書も一緒に置いていてくれていた。
◇◇◇
「ウチは、バイクに乗って、キャンピングカーを先導する事になるんかぁ……
今朝、家を出る時に、肌寒むかったから……
ちょっと暑いかも。って思いながら、裏起毛のベージュのタイツを履いたんやけど……
家を出る時には、こんなにも正解やった。て思えるなんて、夢にも思わへんかったわ。」
プグナコちゃんが、そう言いながら苦笑いしている。
「てか……旅をするのに武器が必須なんだぁ……
これから行く世界(アン ナブ キ シェア ラ)ってのは、かなり物騒な世界みたいよね……」
「拙者達の世界(ムシュ イム アン キ)のイメージだと、
町や村の外は、アフリカの大草原や、南米や東南アジア等のジャングル以上に危険な場所のようでございまするぞ。」
嫁の呟きに、レイヒト君が反応する。
「はぁ……そりゃ……旅をするのに武器が必須になる訳や。
運良く、ウチ達は、チートな異能を得られたから良えものの……殆んどの人は異能を得られてへんのやろ?
そんな状況で、カリーナ帝国軍の一員になりはって、アン ナブ キ シェア ラの統一に向けて、血で血を洗う戦いに身を投じはるとか……自殺行為やん。
てか、その前に……普通の生活すら、ままならんのちゃうんか?」
「拙者達の世界(ムシュ イム アン キ)から召還された殆んどの人は、異能を得られてはいないでございまするが……
異能を得られていない。と言う点では、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)の人々も同じ状況でございまする。
その代わり、
拙者達の世界(ムシュ イム アン キ)から召還された人。この世界(アン ナブ キ シェア ラ)の人。に関わらず、異能を得られていない人達は、ジョブ補正を受ける事がでございまする。
でっ。ジョブ補正を受ければ、
受けてられておられるジョブ補正に合う仕事につけば、即戦力として仕事をこなせるらしいでございまするので心配無用でございまする。
まぁ……ジョブ補正の接続率が低かったり、
受けられておられるジョブ補正と、やりたい仕事がマッチしない場合は……で、ございまするが……
元の世界(ムシュ イム アン キ)よりも生きやすい。って思える人も、それなりに居らっしゃるかと思いまするよ。」
プグナコちゃんの呟きに、レイヒト君が淡々とした口調で答える。
「ほな。武器もチェックしとかんとな。
え~と。
結界魔法が付与された杖傘に、魔力刀の袋ナガサに、
魔力弾の拳銃。これは……皆、一緒か。
結界魔法が付与された杖傘の傘生地は、開けば盾に、閉じたら特殊警棒みたいな打撃武器として使えはるみたいやね。
でっ。傘の先端の消耗を防ぐ部品の石突きの部分に、マナを込めれば切れ味が倍増しはる魔力刀の袋ナガサの柄の部分の空洞に差し込んだら……短槍にもなりはるみたいやな。
そんでもって、魔力弾の拳銃は……銃弾の代わりに込めたマナを打ち出しはるみたいやね。
でっ。ウチとサクモさんは、付与した魔術を打ち出せる、魔術弾のライフル。
サルクルさんと、レイヒトは、魔力弾の拳銃と同様、銃弾の代わりに込マナを打ち出す魔力弾のライフルもプレゼントされてはるな。
使わへん事に越した事はないけど……物騒な生活をする上では安心やな。」
「ですな。
戦闘系のジョブ補正を受けている方は、プラスで剣や刀。手斧や手盾等を持たれるらしいでございまするよ。
モンスターや動植物。精霊や魑魅魍魎や幽霊等に関する知識や対処する為の技能がアップデートされるプグナコ殿も……落ち着いたら購入されてもよいかと思いまするよ。」
「せやな。考えとくわ。」
レイヒト君の話を聞いたプグナコちゃんが真剣な顔で頷く。
【グワン】・【グワン】・【グワン】
【グワン】・【グワン】・【グワン】
【グワン】・【グワン】・【グワン】
不意に視界が歪んだ。
「いよいよ、新生活がスタートするみたいでございまするな。」
レイヒト君が、そう言いながら、窓の外をジッと見つめていた。
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