【サイドストーリー】とある日①(ニジコ視点)
「さてと。
ポチコも交えて、次に訪れる場所を考えるとするか。」
時刻は22時。
アタシとの情事を終えたオオカイは、アタシの頭を撫でながら淡々とした口調で話す。
◇◇◇
アタシ達を召還したカリーナ帝国の軍には入らない。と決めたアタシ達のリーダーである、オオカイは、
カリーナ帝国城を出た直後、
【星の記憶へのアクセス】と言う超越点のアサグの異能を持つアタシに対して、最短でカリーナ帝国領を出られる方法を調べて欲しいと言ってきた。
でっ。調べた結果、
召還されたカリーナ帝国の帝都から出ている、蒸気機関車に乗って、クパドゥ王国の領土の5キロメートルぐらい手間のオワテン駅着きまで行き、
そこから廃道扱いになっている街道だった道を使って、クパドゥ王国の領土に入るのが最短ルートだった。
でっ。アタシは……
オオカイと猫魈(幻獣)のポチコに最短ルートを報告する時に、
カリーナ帝国の人から貰ったキャンピングカーごと、蒸気機関車に乗せて貰える切符も有るには、有るが……バカみたいに値段が張る事や、
カリーナ帝国とクパドゥ王国が、何時、戦争を始めてもおかしく無い状況だと言う事も、
隠す事なく話した。
そんでもって、アタシ的には、
オオカイから指示されていた、カリーナ帝国領を出る為の最短ルートでの移動は危険な気がする。と言う判断も報告したのだ。
◇◇◇
それを聞いた、オオカイは、
現時点でも、カリーナ帝国とクパドゥ王国を往来している行商人や運び屋が居るのか否かについて調べて欲しい。と言ってきた。
でっ。アタシは、オワテンの町のギルドの営業所の掲示板を覗き見て、
今も、カリーナ帝国の行商人や運び屋が、クパドゥ王国に運んでいる、主な商品は車やトラックや木材を運んでいる事や、
クパドゥ王国の行商人や運び屋が、オワテンの町のギルドの営業所に魔石や魔法燃料液を持ち込んでいる事を突き止めた。
そして、アタシの報告を聞いた、オオカイは、
今度は、蒸気機関車の切符の買い方を調べて欲しい。と言ったのだ。
でっ。オオカイは、アタシの報告を聞く否や、
直ぐに、オワテン駅まで行く為の蒸気機関車の切符を買って、蒸気機関車に乗り込む事を決めた。
アタシの記憶が正しければ、
アタシ達が、カリーナ帝国の人達から、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)召還されてから、オオカイが、この決断に至るまでの時間は、おおよそ12時間ぐらいだったと記憶している。
更にオオカイは、
家族経営の商人や職人。行商人や運び屋等は、ギルドの更新料を安く抑える為に、代表者以外は、敢えて、ギルドに登録しない。って話を聞くや否や、自分とアタシとシオコをギルドから退会せた。
そして、オワテンの町のギルドの営業所の職員を脅し、ポチコを……サトテンの従魔の猫又として再登録させた。
でっ。アタシ達は、その後、
オワテンの町のギルドの営業所で、クパドゥ王国に木材を運ぶ仕事を得て、カリーナ帝国の領内を出る事が出来た。
因みに、アタシ達が、クパドゥ王国の領内に入った翌日に、
カリーナ帝国は、自国の領土内に居る、全ての高ランクの冒険者に対して、
カリーナ帝国人が聖戦と呼ぶ、イカれた戦争に強制的に参加させる為の召集令状を出した。と言う情報を掴んだ。
もし、あの時……オオカイが危険を犯してでも、速やかにカリーナ帝国領を出る。と言う決断をしていなかったら……
もし、アサグのアタシやオオカイ。特別な獣のポチコ。そして……高ランクの冒険者としてカウントされるであろうシオコが、ギルドを退会していなかったら……
考えただけでも、ゾッとする。
◇◇◇
アタシ達は、訪問地で仕入れた特産品を次の訪問地で販売する、【産物回し】というスタイルの行商をしながら、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)を、特に意味もなく転々としなが生活をしている。
そして……アタシ達が居ても、お構い無しでやりまくる、シオコとサトテンのバカップルのせいで、性欲を抑えきれなくなってしまった、オオカイが……
そして、気がつけば、アタシは、
オオカイの性処理も担当する美人秘書。って感じのポジションに収まってしまった。
「取り敢えず、この町で取れる鉄鉱石を買えば、
どの方角にある町や村に向かって移動したとしても、確実に利益を出せると思うわよ。」
「にゃるほど。
選択肢が多いと、色々、迷ってしまうにゃね。
困った物にゃ。」
アタシのオオカイへの返答を聞いたポチコが、しかめっ面をしている。
「じゃあ……在庫(鉄鉱石)が無くなるまでは、回り道をせず、
俺達が目指している、サッヤード マーイズ島国への最短ルート上を進むとするか。」
「了解。
暫く、暇になりそうだから……
その間に、砂漠の旅のノウハウや、サッヤード マーイズ島国に行く為の客船や商船なんかの情報についても調べてみるわ。」
「そうしてくれると助かる。」
アタシの話を聞いたオオカイが、アタシの頭を撫でてくれる。
「もう。子供扱いしないでよ。」
「じゃあ……大人の女へのご褒美に変えるか?」
「はう。」
アタシの背中越しに居るオオカイは、そう言うと……アタシの陰部を、まさぐり始めた。
「ほら、見ててやるから……自分でやってみろ。」
「はう。」
オオカイは、アタシの手を持つと、陰部へと誘導する。
「凄く良いぞ。
お前のせいで、俺のが……背中越しに分かるだろ?」
「あぁ。凄い。その大きい物を……早く挿れて。」
アタシは……思わず、オオカイに懇願してしまった。
「もっと、俺を……興奮させてくれたらな。」
オオカイは、そう言いながら、アタシの胸を弄り始めた。
■■■
『出るわよ。』
時刻は9時。
通信機器からは、冒険者達の標準的な装備を身に纏い、
バイクに乗って先導してくれる【踏破者】のジョブ補正を受けているシオコの声が聞こえてくる。
因みに、【踏破者】のジョブ補正を受けているシオコと、
超一流とは言えないものの、何でも、そつなく器用にこなせる【闇裏師(器用万能者)】のジョブ補正を受けているサトテンは、
アサグでは無い為、異能は得られていないが、
不老有死の身体と半球睡眠の能力を得ていて、魔法や魔術の影響力がダブルの異能と同等と言われている、
妖人と呼ばれる、普通の人とは少しだけ違う、プチ チートな存在になっている。
因みに、妖人に成る為には、アサグや妖人の番になるか、
幻獣等の特別な獣の主に成らなければならない。と言われているらしいのだが……その真偽は分かっていないらしい。
ただ、シオコは幻獣と呼ばれる特別な獣の一種である猫魈のポチコの主として認定されていて、サトテンは……そんなシオコの番として認定されていてる。
その事から、アタシは……妖人に成る為の定義。ってのが、正しい情報だと思っている。
◇◇◇
「了解。」
シオコの言葉に、鉄鉱石を乗せたトレーラーを牽く、トラック型のキャンピングカーを運転するオオカイが頷く。
シオコが乗るバイクがゆっくりとしたスピードで走り始めると、
それに合わせて、オオカイがキャンピングカーを走らせ始める。
流石は兄妹。息ピッタリだ。
シオコが背中に背負っている、ペット リュックの中には、ポチコが入っている。
ポチコは、シオコの護衛をしながら、
アタシ達の乗るキャンピングカーの周囲も警戒してくれている。
アタシは、助手席に座ってナビゲートを担当し、
料理や乗り物のメンテナンス等を担当するサトテンは、2列目に座って休憩中だ。
因みに、このキャンピングカーのキッチンは、
車外に出て、引っ張り出さないと使えないタイプの為、車内での調理は出来ない。
また、ベッド スペースは、自分で屋根に登り、テントを張らないといけない仕様になっている。
そんでもって、トイレは備え付けられているものの……使用する為には、一旦、車外に出なければならない。
こう言うと、不満だらけの乗り物のような気もするけど……平原だろうと、森の中だろうと、山の中だろうと、湿地帯だろうと、ガシガシ進んでくれる、アタシ達の頼れる相棒でもある。
そして、多分、この頼れる相棒は、砂や瓦礫に覆われた砂漠に入っても……
何時も通り、アタシ達を目的地まで届けてくれると信じている。
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