【サイドストーリー】各々の選択①(フメグル視点)
「ウルチヨから、ヴェル達の移動ルートがマカワタ国の方向に変更された。って言う連絡が来た。
あいつ達を捕まえるには、あいつ達が、マカワタ国に入る前に、このまま、ムルル自治区を縦断しなければならねぇ。
こりゃ……ヴェル達に追い付けたとしても、体力的に捕まえるのは厳しい。
だから、これ以上、ギャクコン団としては……ヴェル達を追う仕事に関わらない事に決めた。
因みに、ラヤカス様は、俺達やお前達の判断を尊重すると言っているらしい。
だから……お前達が、このまま、ヴェル達を追う。ってなら、止めはしねぇが、勝手にやって欲しい。
それと……ギャクコン団は、ウルチヨから受けた新しい仕事に取りかかる事になった。
ウルチヨが言うには、お前達が、ギャクコン団の新しい仕事を手伝うのであれば、ラヤカス様は、その気持ちを尊重してくれるつもりのようだ。
ただし、その場合……カリーナ帝国軍の兵士を含めた、カリーナ帝国の公務員には二度となれない。って、事も伝えて欲しいと言われたらしい。
取り敢えず……お前達の気持ちが分からねぇと、今後の予定が立てられねぇ。
すまねぇが、お前達が、どうしたいか、今すぐ決めてくれ。」
朝イチのミーティングの場で、ギャクコンが、皆に語りかけるように話す。
「ギャクコンが、ウルチヨさんから受けた。って言う仕事の内容を聞かないと……なんとも言えないわね。」
イツマンヨが、ギャクコンの股間を撫でながら、上目遣いで質問をしている。
「そりゃ……そうだ。と言いたいところだが……守秘義務。って奴の関係上、部外者には仕事の内容は教えられねぇ。
まぁ……どうするかは、イツマンヨに任せるが……
取り敢えず、俺としては……
お前の身体を堪能する事が出来るのが、後少しだと思って……
残り少ない時間を楽しませて貰うわ。」
ギャクコンは、そう言いながら、イツマンヨのズボンの中に手を入れると……無造作に動かし始めた。
「ひゃん。あっ。あっ。ダメ。ダメだけど……止めないで!」
イツマンヨが、そう言いながら、恍惚の笑みを浮かべている。
◇◇◇
「アタシとフメグルは、ギャクコンに着いて行く。
他のメンバーについては……各自で答えを出して。」
「何故、俺は強制参加なんだ?」
「アタシの直属の秘書だからよ。」
「ハイハイ。分かりました。」
俺は、ニチワミの答えになっていない答えに、敢えて頷いた。
ギャクコンの話を聞く限り、俺達は、カリーナ帝国から、そこまで歓迎されていなさそうだ。
しかも……カリーナ帝国は、今、戦争に向けて、ひた走ってるらしい。
この世界(アン ナブ キ シェア ラ)に、穏やかな暮しが出来るような場所があるのかは疑問だが……カリーナ帝国に戻った場合……穏やかに暮らせる確率が限りなく低い事だけは分かっている。
だったら、ここは……ニチワミの話に乗っかるのが、ベターだよな。
「今、カリーナ帝国軍に戻れば、何処かの町や村の中で警備隊として働けるんだったよね?
正直……山や森の中で、キャンプするような生活は、もう……嫌。」
「言えてる。
お風呂の無い生活には適応する事は出来ても……トイレの無い生活に適応するのは無理。」
「見通しの良い草原ならば、まだしも……木々の中に隠れているかもしれない、モンスターや盗賊に怯えるような生活は続けたくないわ。」
「町や村の中で慎ましくとも穏やかに暮らしたい。」
クラスメートの女子達が、口々に自分の気持ちを吐き出す。
男性陣も言葉にこそ出さないが……女子達の言葉に頷いている。
「ハイハイ。
いっぺんに言われても分からない。
じゃあ……カリーナ帝国軍の警備隊員として生きていきたい人は手を上げて。」
【ズサッ】
俺・ニチワミ以外のメンバーが、皆、手を上げた。
「じゃあ……はう。アタシは……あん。副隊長として……はう。皆の面倒を……あん。
ギャクコン……はう。
そう言う事だから……あん。
って……あぁん。無理。無理。無理。
アタシは……ギャクコンに着いて……行く!てか、逝く!逝く!逝くぅぅぅぅ!」
イツマンヨが、そう言いながら、身体をビクビクと震わせている。
◇◇◇
「そうか。そうか。イツマンヨ。嬉しい事を言ってくれるじゃん。
そうそう。カリーナ帝国軍に戻りたい奴は、俺達が降りたオワテン駅に向かってくれ。
そこに迎えを寄越しとくように。って、
ラヤカス様に、ウルチヨ経由で連絡しておく。
もし、オワテン駅に着いても、迎えが来なさそうならば、通信機器を使って連絡をくれ。
その時は、オワテン駅居る、お前達の迎えを寄越せ。って、ウルチヨ経由で、ラヤカス様に再度、連絡してやる。
そうそう。
もし、途中で、カリーナ帝国軍には戻りたくない。ってなったら……その時は、ムルル自治区のトミシシゲの村の村長を訪ねろ。
あの村は、今……頭のネジがブッ飛んでいない、まともな感覚を持った移住者を求めてる。
俺からも話をしておくが……
お前達ならば、きっと、歓迎してくれる筈だ。
さてと。お節介な策まで授けた事だし……
暫く、イツマンヨと、しけこませて貰うぞ。
ダラミ。
ギャクコン団と愉快な仲間達の出発時間は、1時間後だ。
それまでに、出発の準備を終わらせておいてくれ。
勿論、俺も……出発の時間までには、イツマンヨとの事を終わらせておく。」
ギャクコンは、そう言うと、
ダラミ姉さんの返答を聞かずに、イツマンヨを、お姫様抱っこした。
「ひゃん。」
ギャクコンに、お姫様抱抱っこされた、イツマンヨが喘ぎ声をあげる。
そして、二人は、そのまま……茂みの中へと消えて行ってしまった。
■■■
「フメグルは、ニチワミの指示を、もっと、嫌がるかと思ったのに……意外な展開だったわ。」
イツマンヨが、そう言いながらニヤニヤした顔で、俺を見てくる。
時刻は10時。
俺が運転する、水や食糧・燃料等が積み込まれたトラックには、俺とイツマンヨが乗っている。
先頭を走るのは【踏破者】のジョブ補正を受けている、ギャクコンが乗るバイクだ。
その直ぐ後ろを走るピックアップ トラックを運転しているのは【魔術師】のジョブ補正を受けているジュウオ兄さん。
その隣の助手席には【賢者】のジョブ補正を受けているニチワミが座る事になった。
そして【物情を繋ぐ者】のジョブ補正を受けている俺と、【解除師】のジョブ補正を受けているイツマンヨが乗る、水や食糧・燃料等が積み込まれたトラックが続き、
最後尾を【治癒師】のジョブ補正を受けているコビヨ姉さんが運転するピックアップ トラックが続く。
コビヨ姉さんが運転するピックアップ トラックの助手席には【錬金術師】のジョブ補正を受けているダラミ姉さんが座り、
2列目に座る【武聖】のジョブ補正を受けているヤカンサ兄さんの座席は後ろ向きになっていて、後方の警戒をしてくれている。
「ギャクコンの話を聞く限り、ラヤカスは、遠回しに、カリーナ帝国軍を辞めろ。って言って来ている気がしたんだよ。
嫌われてる相手の下で働いても良い事なんてない。
使い潰されるのがオチだろうからな。
とは言え……それを、そのまま言うのもなぁ……って思ったんだ。
だから、ニチワミからの指示に乗っかる事にしたんだよ。」
「へ~。そうなんだ。
あんた……意外と冷静なんだね。」
俺の返答を聞いたイツマンヨは、そう言いながら、意外そうな顔をしている。
「アタシはねぇ……死にたくないの。
だから……蔑まれようが、バカにされようが、汚らわしいと罵られようが、これからも……
持てる全てを使って、生き残る為に全力を尽くす。
あんたには、理解する事が出来ないかもだけど、アタシは……これ以外の生き方を知らないの。」
イツマンヨは、そう言いながら、窓の外を眺めていた。
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