異常気象と陰謀の尻尾②
『成る程ね。
つまり、30年程前に、わたし達の世界(ムシュ イム アン キ)から召還された人達が中心となって作られた【虹を見たい者達】と言う武装集団が、ディンエさんから聞いていた龍脈に異常を起させている施設の中の、いくつかの施設を占拠した。
そんでもって、【虹を見たい者達】が、龍脈に異常を起こさせる強度を上げた事が原因で、ウグの大陸(北半球の大陸)の、あちこちで異常気象が頻発している。って事なのね。』
嫁の声が携帯から聞こえてくる。
時刻は4時。
ヴェルさん達が起きるよりも、少し早目に起きてきてくれた、嫁とプグナコちゃんに、レイヒト君がディンエさんとのやり取り情報の共有してくれたのだ。
『でっ。その【虹を見たい者達】の詳細な情報については、ギルド本部もウルチヨも、情報機器に彼達の字の情報すら残してはらへんから分からへん。ちゅう事で良えんやな。』
プグナコちゃんが、淡々とした口調でレイヒト君に確認を取る。
「お二人の認識で間違いないでございまする。」
レイヒト君が、そう言いながら悔しそうな顔をしている。
「念のために聞くんだけど……超大国にガパパ連邦や、マワタカ国は入ってないよね?」
「はい。
【超大国】は、
ウグの大陸(北の大陸)のカリーナ帝国・イランツ カバー帝国・神聖法王国・ナヤクラース連邦。
クンの大陸(南の大陸)のチャア帝国・メアマ帝国。
この6カ国になるでございまする。」
レイヒト君が淡々とした口調で超大国に該当する国々を教えてくれる。
「ナヤクラース連邦ねぇ……」
『パパ。気になる事でもあるの?』
嫁の心配そうな声が携帯から聞こえてくる。
「ナヤクラース連邦が、北極点を中心に、北側の領土の一部を放棄したせいで、カリーナ帝国と神聖法王国の本格的な戦争が勃発しそうになっている。
また、そのせいで、傭兵や冒険者も戦争に参加する事になった。
でっ。それは……回り回って【虹を見たい者達】に占拠された、龍脈に異常を起させている施設を奪回する為の人員を確保するのは難しくなった。って事だ。
これが、ナヤクラース連邦の動きを見た【虹を見たい者達】が単独で動いたのか……
もともと、ナヤクラース連邦と【虹を見たい者達】が共闘して起こしている事なのか……
この辺りが気になるところではあるよね……」
「ですな。
ですが、その……ナヤクラース連邦の情報機器にインストールされていた、自作と思われるセキュリティソフトは、
チャア帝国とメアマ帝国のギルドの情報機器にインストールされていた、自作と思われるセキュリティソフトと同様、
拙者の異能をもってしても簡単に突破する事が出来ないのでございまする。
これは、あくまでも拙者の勘なのでございまするが、
これ達の自作のセキュリティソフトは、
拙者達よりも先に、拙者達の世界(ムシュ イム アン キ)から、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)に召還された超越点のアサグが作ったのではないか?って思う次第なのでございまする。
もし、拙者の勘が当たっていたとすれば……
下手に、こじ開けた場合、拙者のPCにウイルスを感染させられ、
最悪の場合、拙者のPCの中の情報や通信履歴を盗み見される可能性も出てくると思いまする。
正直な話、拙者のPCにウイルスを感染させられても、サルクル殿の異能がありまする故、ウイルスが感染した拙者のPCを破壊すれば問題は無いかと思いまするが……
拙者のPCの中の情報や通信履歴を盗み見されるのは勘弁でございまする。
ですから、その……頑張ってはみますが、安全第一でいきまするので、皆様が求めるような情報を得られないかもしれないでございまする。」
レイヒト君が、そう言いながら、申し訳なさそうな顔をしている。
「多分、チャア帝国とメアマ帝国のギルドの情報機器に、自作と思われるインストールしたのは、
南の大陸(クンの大陸)の国々に【軍事・経済同盟】と言う概念を持ち込み、
南の大陸(クンの大陸)を、裏で牛耳っていると言う、僕達の10年前に、カリーナ帝国に召還された人達だと思う。
でっ。ナヤクラース連邦のギルドの情報機器に自作と思われる、チャア帝国やメアマ帝国の物とは別のセキュリティソフトがインストールされている。
そんでもって、異常気象が、ウグの大陸(北半球の大陸)のみで起こり始めている。って事から推測すると……
少なくとも【虹を見たい者達】と、
南の大陸(クンの大陸)を裏から支配していると言う、僕達の10年前に、カリーナ帝国に召還された人達に協力関係はなく、
また、多分……
彼達が占拠した、ディンエさんから聞いていた龍脈に異常を起させている一部の施設は、全て、ウグの大陸(北半球の大陸)にある。と考えるのが妥当だと思う。
勿論、裏取りも出来ていない、ただの推測なので、絶対に正しいとは言えないけれど……
今後、ギルド本部とカリーナ帝国・神聖法王国・イランツ カバー帝国のギルドの支部の通信内容を、今後も引っこ抜いていけば……この推測が正しいか否かも含めて、何かが見えてくる気がする。」
「今のところ、ギルド本部とカリーナ帝国・神聖法王国・イランツ カバー帝国のギルドの支部の通信内容を引っこ抜くのは容易い仕事でございまする。
この状況が変わらない事を祈りつつ、有益な情報を掴み次第、都度、共有していくでございまする。」
レイヒト君が、得意気な表情で話してくれる。
『後、30分で6時になるわ。
そろそろ、ヴェルさん達も起きてくるだろし……
この話は、一旦、ストップして、朝食の準備に取り掛かりましょうか。』
「だね。」「ですな。」・『大賛成や。』
嫁の提案に、レイヒト君とプグナコちゃんが嬉しそうに頷いていた。
■■■
【ゴロ・ゴロ・ゴロ】・【ピカ・ピカ・ピカ】
【ドォォォーン】
【ゴロ・ゴロ・ゴロ】・【ピカ・ピカ・ピカ】
【ドォォォーン】
【ゴロ・ゴロ・ゴロ】・【ピカ・ピカ・ピカ】
【ドォォォーン】
雷の音が鳴り響く。
【ボト・ボト・ボト】・【ボト・ボト・ボト】
【ボト・ボト・ボト】・【ボト・ボト・ボト】
【ボト・ボト・ボト】・【ボト・ボト・ボト】
【ボト・ボト・ボト】・【ボト・ボト・ボト】
【ボト・ボト・ボト】・【ボト・ボト・ボト】
【ボト・ボト・ボト】・【ボト・ボト・ボト】
【ボト・ボト・ボト】・【ボト・ボト・ボト】
【ボト・ボト・ボト】・【ボト・ボト・ボト】
【ボト・ボト・ボト】・【ボト・ボト・ボト】
大雨が、僕達の車を打ち付ける。
『後、1時間、起きるのが遅かったら……土砂降りの雨の中、朝食を貰いに行ったり、トイレを借りに行く事になってたわ。』
『本当、そう。ギリギリ セーフだったわ。』
時刻は7時。
アルコさんと、ヴェルさんの苦笑いする声が携帯から聞こえてくる。
『にしても……酷い雨だな。
確か、この前も、大雨が降ったよな。
大森林地帯は、一部の豪雪地帯を除いて、
雪は殆んど降らない。と聞いていたのだが……思ってた以上に、雪や雨が沢山、降るんだな。』
ベアゾウさんの苦笑いする声が携帯から聞こえてくる。
『古巣(シリソク商会)に居た頃に出会った、マワタカ国のヤススミ族の時期族長のノチロウは……この時期は、水不足を心配されていた。と記憶していたのですがね……
どうやら、俺の記憶違いだったようですね。』
バンオさんの困惑したような声が携帯から聞こえてくる。
『ノチロウ君かぁ……
奥様のニナルちゃんも子供を産むまでは、何度か、アタシの店にも寄ってくれたわよね。
状況が状況だから、訪ねるべきではないとは思うけどさぁ……
一応、領土を通らせて貰う。って報告だけはしておいた方が良くないかい?』
『確かに。
今すぐ、ノチロウにメールをしときます。』
ヴェルさんの言葉を聞いたバンオさんの慌てた声が携帯から聞こえてくる。
『そろそろ、出るわよ。
雨で視界が悪いから、安全運転で行くわよ。』
『了解。』×2
アルコさんの指示を聞いた、プグナコちゃんとヴェルさんが、仕事モードに入ったようだ。
『その前に……見せたい映像があるのでございまする。
ですから……少しだけ、出発時間を遅らせて欲しいのでございまする。』
レイヒト君の慌てた声が携帯から聞こえてきた。
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