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ニートを夢見る脇役達の異世界解放奇譚  作者: モパ
【第2章】大戦前夜
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商談②

「商談成立ね。」


「そう。良かった。」


嫁の話を聞いた、アルコさんが、嬉しそうな顔で返答を返す。


「とりあえず、明日、予定していたギルドへの登録は無しにするわ。



明日の朝一で、トレーラーを引っ張れるように、改造してくれる職人さんを紹介して貰えたら有り難い。


この宿屋さんに泊まってるから、迎えに来てね。



それと……荷物を運ぶ為のトレーラーを購入したり、 大森林地帯で売ろうと考えている、植物油を買い込んだりする仕事の手伝いも宜しく頼むわよ。



そうそう。道案内の料金は、いくらになるのかな?」


嫁が、サクサクと、明日の行動予定を決めると、

アルコさんに、指示や質問を矢継ぎ早にする。


「アタシ達のような、高ランクの冒険者を道案内や護衛として雇う場合の料金は、必要経費とは別に、1日当たり、1人頭、銀貨5枚ぐらいを支払うのが妥当だと思うわ。


とは言え……本当に支払って貰うつもりはないわ。

何故なら、アタシ達が押し掛けた案件だからね。


そんでもって、燃料や水や食糧の確保についても、割り勘で良い。


てか……燃料や水。食糧を買うお金が足らなければ……無利子で貸してあげるつもりよ。」


アルコさんが、嫁の質問に答える。



因みに、


白金貨1枚は100万円の価値。

金貨1枚は10万円の価値。

銀貨1枚は1万円の価値。

銅貨1枚は1000円の価値。

木貨1枚は100円の価値。

銭貨1枚は1円の価値。


らしい。



また、札のお金が無く、 銀貨以上のお金は、大判や小判みたいな感じの通貨だ。



そして、金貨や、白金貨だけを持って、町や村の商店や、屋台で、買い物をする場合……

商店側や、屋台側が、お釣を払えない。と言って、販売を拒否する事が有るらしい。



「破格の条件ね。

まぁ……お金は問題無い。ちゃんと持ってるよ。」


アルコさんの話を聞いた嫁が、苦笑いしながら、返答を返す。



◇◇◇



「僕達は、ジハリマの町や、その周辺の村で、植物油を買い込んで、大森林地帯で売る。と言うアバウトな計画しか立てていない。


僕達だけならば、それもありだけど……道案内を雇うとなれば、整合性が取れない。


だから、仮でも良いから目的地を決めないといけないね。



そこで、アルコさん。ベアゾウさん。相談なのですが……お勧めの町や村を教えて貰えれば有り難いです。」


「だったら、大森林地帯の南側に位置する、カエルム山脈にある、カバパ連邦は、どうかしら?


民から選ばれた最高指導者を中心に、人属・エルフ・獣人・ドワーフが、手を取り合って暮らしてる政治形態の国なの。


だから、獣人のベアゾウを夫に持つ、エルフのアタシとしては、次の拠点としたいと考えていた国の1つでもあるの。



それと……国土の大半が平原のカリーナ帝国よりも、大森林地帯の運び屋や、行商人の方が、格段に腕が良いと言われているし、アタシの知る限りでも、その認識で間違いは無いのだけれども……


そんな大森林地帯で、運び屋や行商人を営んでる者達ですら、国土の周りを木々さえ生えないような、高い山に囲まれている場所等もあったりと、とても過酷な旅路になる事もあってか、

カバパ連邦を訪れる際は、奮発して腕の良い冒険者を護衛として雇う事が多いの。



なので、たとえ、カリーナ帝国軍が、アタシ達に追手を出したとしても……余程の精鋭でも無い限り、着いてこれないと思うの。」


「おい。おい。確かに、カバパ連邦は良い国だが……道案内 兼 護衛が、俺達だけでは心もとないぞ。」


アルコさんの発言を聞いた、ベアゾウさんが、苦笑いしている。


「この人達は、キャンピングカーを持っている。と言っている。


それに、加治屋を求めてる。


だから、ヴェルの店に、この人達を連れて行った時に、もう一度、彼女を誘おうと思うのよ。


でっ。もし、彼女が、この旅に同行してくれる。と言ってくれたら……何とかなるでしょ?」


「ダメだったらどうするんだ?」


ベアゾウさんが、タメ息をつきながら、アルコさんに質問をする。


「この人達は、訪れる場所に拘りが無い。って言ってるじゃん。


だから、その時は……目的地を変えれば良いだけじゃない?」


アルコさんは、そう言って、ケラケラと笑っていた。



■■■



「カバパ連邦は、秘境の楽園と呼ばれているらしいですな。


アルコ殿の言うように、とても良い国ではあるみたいでございまするが……


ベアゾウ殿が、その道中の危険性を憂うのも、もっともな話でございまするぞ。」


レイヒト君が、苦笑いしながら、調べてくれた情報を話してくれる。



アルコさんや、ベアゾウさんは、悪い人には思えなかったが……初対面の人間を無条件に信じる訳にもいかない。


だから、アルコさん達と別れて、部屋に戻った僕達は、レイヒト君に、カバパ連邦について調べて貰う事にしたのだ。



「成る程ね。

でっ。気温とかは、どんな感じ?」


「同じ場所に居るのであれば、森林限界を越える、高高度の場所以外は、1日の寒暖差は、さほど変わらない感じのようでございまするが……


標高差が激しい道となりまする故、移動中の寒暖差は激しい。と考えた方が良いでございまするな。」


僕の質問にレイヒト君が、淡々とした口調で答えてくれる。



「そんじゃあ、草原を移動した時のように、

コートや、ウインド ブレーカーを着たり、脱いだりしながらの旅路になりそうやね。」


「それが良いと思いまするぞ。」


プグナコちゃんの言葉に、レイヒト君が頷く。


「大森林地帯。って言うからには……やっぱり、沢山の虫も居るのよね……」


「拙者達が移動していた、草原以上に居る。と思うでございまする。


それに……毒を持つ昆虫以外にも……蠍やムカデ。蛭に毒蜘蛛。毒蛙と言った、昆虫サイズの危険な生き物も、沢山、居るみたいでございまするぞ。」


嫁の質問に、レイヒト君が、何故か、ヒソヒソ声で答える。


「わたしの車から、

殺虫剤や、携帯用の電池式の虫除けを取り出しといて正解だったわね。」


「そうでございまするな。」


タメ息をつきながら話す嫁の言葉に、レイヒト君が頷く。



◇◇◇



「ガバパ連邦に行く途中、どんなモンスターと遭遇する可能がありそうなんや?」


プグナコちゃんが、真剣な顔で、レイヒト君に質問をする。


「危険なモンスターと言う意味では、草原地帯と同様、魔狼が居るでございまするな。



その他、魔虎・魔豹・デビル ジャガー・デビル ベア・魔鷲・魔鷹や、蛇系のモンスター等でございまするな。


こいつ達も、魔狼と同じく、人も餌として認識しているでございまする。



後は……川や池。沼等には、

デビル ワニや、ピラニアのような人も襲う魚系のモンスター等が、生息しているようでございまするな。



そうそう。忘れるところでございました。


拙者達の世界では絶滅したとされる、恐竜のユタラプトルや、ディノニクスに似た、アース ドラゴンや、リトル アース ドラゴンも……生息しておりまする。


こいつ達は、群れを作って、積極的に人を襲う、厄介なモンスターらしいですぞ。」


「さよか。


生身を外に晒して走る、バイク乗りには、キッツい、旅路になりそうやね。


風や雨を防ぐ為に、結界を張ってくれはるちゅう、

バイクのフロント部分に取り付ける、【マジックウインド シールド】ちゅう魔道具も買って欲しいとこやね。」


「拙者も、早急に【マジックウインド シールド】を手にいれるべきだと思うのでございまする。


とはいえ、100%に近い割合で魔法や魔術を使える、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)の人間と違って、

モンスターと呼ばれる魔法が使える動植物は、動植物の全体の10%でございまする。


ですから、運が良ければ、モンスターと遭遇せずに旅を終えられる可能性も有るでございまする。」


「さよか。


モンスターに遭遇せえへんのに越したことはあらへんけど……


命がかかってはるんや。

運任せ。ちゅう訳にもいかへん。


せやから、モンスターに遭遇する前提で行動しやんといけん。


モンスターと遭遇しやへん可能性も有る。なんていう、甘い考えは捨てはった方が良え思うで。」


「そうでございまするな。

拙者が間違えていたでございまする。」


「分かってくれはったら、それで良え。

それは、そうと……大森林地帯でも、草原地帯みたいに、幽霊とかも出はるんか?」


「寧ろ、草原地帯よりも、多いらしいでございまするぞ。」


「最悪や。

てっ……嘆いても始まらへんな。

気合いで何とかするしかあらへんか。」



レイヒト君と、プグナコちゃんが、真剣な顔で話し込んでいる。



「ねぇねぇ。レイヒト君。


道の広さはどんな感じ?

後……やっぱり、舗装されてない道しかないのよね?」


「この世界(アン ナブ キ シェア ラ)では、人の住む町や村の中以外で、舗装された道を求めるべきでは無いでございまする。


道幅に関しては……通るルート次第になるとは思いまするので、一概に言えないでございまするな。」


嫁レイヒト君が申し訳なさそうな顔をしながら、嫁の質問に答える。


「了解。有り難う。

わたしも……甘い期待は捨て去るわ。」


レイヒト君の返答を聞いた嫁が、そう言いながら、タメ息をついていた。

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頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

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