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ニートを夢見る脇役達の異世界解放奇譚  作者: モパ
【第3章】大戦と平和との分水嶺
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【サイドストーリー】ムシェンサン失踪事件の余波(ライコ視点/ムシェンサン視点)

「ベシアセ連邦のカンガと、カリーナ帝国のサイアン辺境伯が連名で、ナヤクラース連邦政府に対して、


ムシェンサンが自領に潜伏しているのを発見した場合……


戦闘こそ発生していないが、戦争状態にあるカリーナ帝国に直接、引き渡す事が難しい為、

今のカリーナ帝国の友好国であると思われる、ナヤクラース連邦政府に、その身柄を預けたいのだが、問題が無いかについて答えて欲しい。


って言う質問を……


わざわざ、ギルド本部を通して、全世界に向けて発信しやがったよ。」


「糞。糞。糞。舐めやがって……


これじゃ、我々、【虹を見たい者達】が……


カリーナ帝国の北部以外を傘下に収めようとして、新しいカリーナ帝国政府。いや、未来のカリーナ共和国政府の為政者になるべく者達にクーデターを起こさせたのにも関わらず、

カリーナ帝国の皇族の一人である、ムシェンサンを取り逃がした事で、彼達からカリーナ帝国を統治する権限を奪い損ねているマヌケだと言う事を、


世界中に向けて発信したようなものじゃねぇかよ。」


リクルルさんの報告を聞いたユゲミズさんがぶちギレている。


「まぁ……そうカリカリしなさんな。


リクルルが、全世界の龍脈を制御する施設の周辺に異常気象が襲うように遠隔でプログラムを起動させてくれた。



そして……全世界の龍脈を制御する施設を管理させている俺の眷属達には、【鳥の身体】を使って、北部と東都の管轄エリアを除く、カリーナ帝国の全土を捜索するように指示を出した。



だから、もう暫くすれば、ムシェンサンは見つかると思うぜ。


そんでもって、ギルド本部も流石に……異常気象が起こっている最中に、再び……龍脈を制御する施設を奪還しようと動く事はない筈だ。」


ムルオさんが、ユゲミズさんの肩を叩きながら、そう言って宥める。


「ドクマド。チクラク。核ミサイルの増産計画の進捗状況を教えてくれ。」


「元から残っていた1本とは別に……2本作ったわ。

1週間以内に……後……10本はいけそうよ。」


「そうか。急いでくれ。


僕も……胸騒ぎがする。だから……一刻も早く、この世界(アン ナブ キ シェラ)からマナを奪えるだけの力をつけて起きたい。


そうすれば……ディンエ達だけでなく、管理者も……

僕達に迂闊に手出しをする事が出来なくなる筈だ。」


「あいよ。」・「了解です。」


リクルルさんの指示に、ドクマドさんとチクラクが頷く。


「ライコ。

これから、ドクマドとチクラクを、パールス連邦とナヤクラース連邦の国境の間に広がる、半径500キロ程度の森が広がる緩衝地帯の中にある、核ミサイルの発射台や工場があるアジトに、ワームホールを作って送ってやるつもりだろ?」


「はい。

ドクマドさんとチクラクには、少しでも早く……管理者が、アタシ達に手を出す事を躊躇する数の核ミサイルを作って欲しいですからね。」


アタシは、ムルオさんの質問に答える。


「そうだよなぁ……


だけど……それ以上に急いでイランツ カバー帝国の帝都に行きたい。


悪いが、今回は……俺とリクルルをイランツ カバー皇帝の所に送る仕事を優先させて欲しい。」


「そうだね。

その方が……良さそうだね。」


ムルオさんの話にリクルルさんが頷く。


「分かりました。」


アタシは、ムルオさんとリクルルさんに返答を返す。


「ユゲミズ。ギョクソウ。ブンガマ。

我々(【虹を見たい者】)の本部を任せるぞ。」


「おう。」・「うむ」×2


ムルオさんの言葉に、ユゲミズ・ギョクソウ・ブンガマが静かに頷いていた。



ーーーーー



「ムシェン。状況が変わった。


これから、姉貴(スパコ)に頼んで、君との奴隷契約を解除する。


それと……奴隷契約を解約した時に、真名(まな)を改える事が可能らしいんだけど、君には……今、使っている偽名。チョウズを君の真名(まな)にして欲しい。


勿論、将来的に、君の真名(まな)を、ムシェンサンに戻すのは可能だ。


やり方は、簡単だ。


また、一度、俺と奴隷契約を結んで、解除するだけだ。」


私とナジャイは、情事を終え、イチャイチャしていたのだが……急にナジャイが焦った顔をしながら話し始めた。


「貴方達と一緒に暮らしていく為に、真名(まな)を変える必要性があれば……喜んで真名(まな)を変えさせて頂くつもりですが……何があったのですか?」


「ベシアセ連邦のカンガと、カリーナ帝国のサイアン辺境伯が連名で、ナヤクラース連邦政府に対して、


ムシェンが自領に潜伏しているのを発見した場合……


戦闘こそ発生していないが、戦争状態にあるカリーナ帝国に直接、引き渡す事が難しい為、

今のカリーナ帝国の友好国であると思われる、ナヤクラース連邦政府に、その身柄を預けたいのだが、問題が無いかについて答えて欲しい。


って言う質問を……


わざわざ、ギルド本部を通して、全世界に向けて発信しやがったんだよ。



この発信は、暗に、【虹を見たい者達】が、

カリーナ帝国の北部以外を傘下に収めようとして、新しいカリーナ帝国政府の為政者になるべく者達にクーデターを起こさせたのにも関わらず、

カリーナ帝国の皇族の一人である、ムシェンを取り逃がした事で、彼達からカリーナ帝国を統治する権限を奪い損ねているマヌケだと言う事を…… 世界中に向けて発信したようなものだ。


だから……【虹を見たい者達】は、その威信をかけて、ムシェンを探しだそうとする筈だ。


そんでもって、ムシェンが、カリーナ帝国領に居ない。と気がついたら……世界中に散らばっている、ムルオの眷属を総動員してでも、ムシェンを探しだそうとする筈だ。



だから……ムシェンには申し訳ないが……君の人生を一旦、リセットさせて欲しいんだよ。」


「分かりました。私は……貴方の意見に従います。」


私は、そう言いながら、申し訳なさそうな顔をしている、ナジャイのオデコに、そっとキスをした。



■■■



「分かった。

直ぐに、奴隷契約を解除する術式を点線で書いた契約書を用意する。」


スパコさんが、そう言うと、紙に文字を書き始めた。


「ムシェン。いや……チョウズちゃん。


君は、もう、俺達の大事な家族の1人だ。


だから……誰が相手であっても、君を見つけられないように最善を尽くすよ。」


サイスさんが、そう言いながら、私の頭を撫でてくれた。


「有り難う。」


「他人行儀だね……お義兄さんは……悲しいぞ。」


サイスさんが、そう言うと、今度は、ナジャイの頭を撫でている。


「チョウズちゃん。


奴隷契約を解除する術式を点線で書いた契約書だ。


悪いけど……針で指に穴を空けて、あんたの血で、謎ってくれないかい。」


「はい。」


私は、スパコさんの指示に従って、スパコさんが作ってくれた契約書を、私の血でなぞる。



【パァァァァァーン】



私の左手が光り、ナジャイの下僕の印(紋章)が消えた。


「なんだか……寂しいですわね……」


「俺もだよ。」



私の呟きに、ナジャイが頷いてくれたのが……なんだか、とても嬉しかった。



「無責任なのは重々承知しておりますが……


真名(まな)を、ムシェンサンから、チョウズに代えて、祖国(カリーナ帝国)との縁を完全に断てた事に、どこかホッとしている自分が居ます。


これじゃ……民達にクーデターを起こされても……」


「ムシェンサンは死んだ。いや……あんたと私達で殺したんだ。


あんたは……ムシェンサンの記憶を持った、ムシェンサンの生まれ変わりのチョウズ。


誰が、何と言おうとも……アタシ達にとっての真実は、これで良いじゃない。」


「はい。そうですね。」


私を抱きしめながら話すスパコさんの言葉に、私は頷く。


「もうすぐ0時だな。

やれる事もやったし……明日の仕事に差し支えないように休息を取ろうか。」


「だね。」・「おう。」・「はい。」


サイスさんの言葉に、私達は頷く。



サッヤード マーイズ島国人やパールス帝国人達の商人や運び屋達を国に返す仕事は、まだ、終わっていない。


ムシェンサンとしての人生を……

無責任な形で終わらせるという、恥ずかしい結果になってしまった。


だけど……

これから始まる、チョウズとしての人生まで……恥ずべき事の無い物にしていきたい。



「あん。もう……あん。ナジャイ……ゆっくり……あう。休まなきゃ……はう。」


私の下腹部をまさぐり始めたナジャイを……私は……理性をフル稼働させて止めようとする。


「俺達には、半球睡眠がある。

だから、別に……休息時間を睡眠時間にあてがう……うお。あっ。あっ。ヤバ。」


ナジャイの言う通りだ。

私は……半球睡眠が出来るようになったんだ。

だから……睡眠時間を確保する為に我慢する必要は……


「はう。」


ナジャイの反撃に……私は……思わず声が漏れる。


「あう。」


私のナジャイへの反撃に……ナジャイの喘ぎ声が漏れる。


「ねぇ……サイス……はう。」


スパコさん達も……始めたようだ。


「はう。」


ナジャイの責めが……更に……


「あう。」


私は……ナジャイに身を任せる事にした。

評価や感想やレビューやいいねを頂けたら有り難いです。

頂いた感想には、出来る限り答えていきたいと考えております。

宜しくお願いします。

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