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ニートを夢見る脇役達の異世界解放奇譚  作者: モパ
【第3章】大戦と平和との分水嶺
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最終決戦の直前①

「このペースだと……

今日の夕方には、パールス連邦とナヤクラース連邦の国境の間に広がる、半径500キロ程度の森が広がる緩衝地帯に、パールス連邦側から、一番近い場所にある、ウラオラという町に着けそうでございまするな。」


レイヒト君が、そう言いながら、窓の外を眺めている。


「マジかぁ……


ウラオラという町に着いたら……


パールス連邦とナヤクラース連邦の国境の間に広がる、半径500キロ程度の森が広がる緩衝地帯にある、龍脈を制御する施設に行って、そこから……

転移装置を使ってメイン制御室に飛んで、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)を開いた世界にする。っていう作業を……最速で終わらせる事になっている。


僕達が、ウラオラという町に着く前に……

【カリーナ帝国 ムシェンサン失踪事件】は解決するのかなぁ……」


「これこれ。パパ……小馬鹿にしすぎ。」


嫁がジト目で僕を見てくる。


「せやね。せやけど……そんなオモロイ名前をつけられたら……更に気になってきたわ。


12時間後からは、仕事に集中しやんといけん身やというのにホンマに……頼むで。」


プグナコちゃんが苦笑いしながら僕に抗議してくる。


「この謎の事件のお陰で……【虹を見たい者達】はてんてこ舞いのようでございまする。


ムシェンサン殿の事は、野次馬的な意味で気にはなりまするが……


拙者達の仕事の成功を考えたら……少なくとも拙者達の仕事が終わるまでは、ムシェンサン殿には、行方不明のままで居て欲しいでございまするな。」


レイヒト君が、淡々とした口調で冷静な意見を話す。


「せやな。


それに、まぁ……元の世界(ムシュ イム アン キ)に戻っても……レイヒトの異能(【人外の契約者】)があれば、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)の人達と連絡が取れる。


【カリーナ帝国 ムシェンサン失踪事件】については……最悪、元の世界(ムシュ イム アン キ)に戻ってから、レイヒトに会って聞けば良えか。」


プグナコちゃんが、そう言いながら、レイヒト君にもたれ掛かる。


「プッ・プッ・プッ。プグナコ殿……

刺激が強すぎるでございまするぞ。


【カリーナ帝国 ムシェンサン失踪事件】については、の世界(ムシュ イム アン キ)に戻ってからも追い続ける故……からかうのは止めて頂きたいでございまする。」


「からかってへんよ。」



【プチュ】



プグナコちゃんが、そう言いながら、レイヒト君の頬にキスをする。



「おっ。何時になく大胆ね。」


真っ赤になっている、レイヒト君とプグナコちゃんを見ながら、嫁が笑みを浮かべている。


「今回の作戦は、マジで命を張る事になるかもしやんのやろ。


せやから……伝えたい事は全部伝えて……心残りは無くしておきたいんや。」


プグナコちゃんが、そう言いながら、レイヒト君の手をソッと掴んだ。


「パパと……バンクベッドに移動してあげようか。」


嫁がニヤニヤしながら、プグナコちゃんとレイヒト君を見ている。


「お気遣いなく。


そう言うのは……ウチ達に、そう言うんは……まだ……早い。


せやろ?」


「ですな。


既に、心臓がバクバクしておるでございまする。


一足飛びに進められると……ショック死するでございまする。」


レイヒト君は、真っ赤な顔で、プグナコちゃんをチラチラと見ながら、苦笑いしている。


「もう……焦れったいなぁ……

けど……なんか……貴方達らしいわ。」


嫁が、そう言いながら、嬉しそうな顔をしていた。



◇◇◇



「さてと。パパ。


プグナコちゃんとレイヒト君に、イチャイチャ タイムが必要無いみたいなんで……先に最終打ち合わせをさせて貰うぞ。



パールス連邦とナヤクラース連邦の国境の間に広がる、半径500キロ程度の森が広がる緩衝地帯にある、龍脈を制御する施設に行って、そこから…… 転移装置を使ってメイン制御室に飛んで、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)を開いた世界にする。っていう作業は、基本、出たとこ勝負になるんだよね?



後から、実は……事前に仕込みがあったとか……そう言うのは無しだからね。」


「管理者に、レイヒト君へ龍脈を制御する施設から…… 転移装置を使ってメイン制御室に飛ぶ作業のフォローをして貰う事になっている。


だから……龍脈を制御する施設に突入する前に、管理者に連絡を取り、そのままナビゲートして貰える体制を整えないといけない。


前にも言ったけど……事前の準備が必要なのは、本当に、これだけだよ。



とはいえ、今から、この作業を前倒ししても意味がない。



そんでもって、それ以外は……ガチで出たとこ勝負。


重要な案件は、念入りに事前準備を重ねる相手(【虹を見たい者達】)には……

こういったノープランに近い作戦の方が効果的なんだよ。



まぁ……【虹を見たい者達】にとっては、僕達の作戦は、【カリーナ帝国 ムシェンサン失踪事件】に続く、予想外のトラブル第2弾。ってとこかな。


そんでもって、間髪入れずに、管理者が【虹を見たい者達】を消す為の部隊を、彼達の前に送り込んでくれたら……


核ミサイルを使って、この世界(アン ナブ キ シェア ラ)の水蒸気層を落とす暇もなく、管理者が送り込んでくれた部隊に殺されてくれる。って……信じたいとこだよね。」


僕は、嫁の質問に誠実に答える。


「重要な案件は、念入りに事前準備を重ねる相手(【虹を見たい者達】)には…… こういったノープランに近い作戦の方が効果的なんだよ。かぁ……


サルクルさんは、ホンマ、性格が悪い人やな。」


プグナコちゃんが、そう言いながらニヤニヤしている。


「ですな。


ですが……それぐらいの事でもしないと、【虹を見たい者達】を殲滅するのは無理な気もするでございまする。


その証拠に管理者も……サルクル殿が立てられた作戦を高く評価しておられるでございまする。」


レイヒト君が、そう言いながら、タブレットPCに目を落とす。


「心配なのは……


パパも、何かする時に、念入りに下調べとかをしながら、じっくりいと計画を立てたい派。って事なのよね……


だから……出たとこ勝負を選択した時点で……

今までのように、困った時はパパに聞けばなんとかなる。って事は無いと思った方が良い。


てか……寧ろ……あれこれ考え込んでしまう癖があるパパは……出たとこ勝負は苦手なのよね……」


嫁が苦笑いしながら僕を見ている。


「まぁ、その辺についての帳尻合わせは、

サクモちゃんとプグナコちゃんのレディ コンビに期待させて貰うつもりだよ。」


「拙者も頑張るでございまする。」


レイヒト君が、不服そうな顔をしながら、僕を見ている。


「僕だって頑張るつもりだよ。


だけど……得て不得手がある。


そんでもって、レイヒト君も……そう言う意味では僕と同じタイプ。



つまり……


何かする時に、念入りに下調べとかをしながら、じっくりいと計画を立てる事が得意な分、出たとこ勝負は苦手だ。って事。



だから、今回の作戦で、僕とレイヒト君は……


活躍する為に頑張る!では無く、


出たとこ勝負が得意な、サクモちゃんとプグナコちゃんのレディ コンビの足を引っ張らないように頑張る。って事になるかな。



だから……今回の作戦では、レイヒトと僕自身には……

過度な期待はしないつもりだよ。」


「確かに。

レイヒトは……出たとこ勝負は苦手そうやもんな……」


プグナコちゃんが、そう言いながら苦笑いしている。


「言えてる。


けど、パパは……レイヒト君と違って大人。てか……オッサン。


得て不得手。って言葉に逃げずに……苦手な事でも、そつなくこなせる努力はして欲しいかな。」


嫁が、そう言いながら、ジト目で僕を見ていた。

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