学園
俺とメイは基本学園内ではお互いの名前を呼び合うことはない。
基本的に、なぁとか、おーいとかおまえとかで呼んでいる。
「メイ、そろそろ行くぞ。遅刻しちまう。」
「分かったー、お兄ちゃん今日ってゴミ出しの日じゃなかったっけ。」
「あ、次から次へとこの忙しい朝に予定が...。」
のんびりしてる妹を抱え、ゴミ袋を持ち、鍵をかけ学園に向かう。
「お兄ちゃん、歩けるって!離してー。」
ぶつぶつ言ってる妹を無視しながら、俺は全速力で学園に走っていく。
途中近所に住んでる友達に会った。
「相変わらず忙しそうな朝を送ってるなぁルー。それにメイも。
まだそんな慌てる時間じゃないだろぉ。」
「相変わらずのんびりしてるな、ロウ。学園の門が閉まるまであと2分だぞ、頑張れ、じゃあな。」
後ろから、おいちょっと待て!なんて声が聞こえたが、あの調子じゃもう遅刻確定だろう。
妹がやけにおとなしいと思ったら、こいつ俺の腕の中でぐっすり眠ってやがる。
気持ちよさそうにすやすやと。
「メイもう着くぞ。また学食で会おうな。」
そういって妹を投げ捨て、滑り込みで学園内に入った。
「お兄ちゃーん、あぁああ。」
あいつは丈夫だから大丈夫だろう。
学園内はかなり広い。俺の教室はメイとは真反対のとこに位置してる。
最近朝忙しくて、遅刻ギリギリの生活を送ってるから遅刻予備軍など言われてる。
そんな不名誉を挽回するべく、急いで走る。
間に合った、と思い教室に入ると誰もいない。
そうだ、今日の授業は別室でやるんだった。
俺の不名誉は挽回できなかった。